検索結果

詳細検索絞り込み

ジャンル

公開日

  • #
  • #

筆者

並び順

検索範囲

検索結果の表示

検索結果 10663 件 / 7591 ~ 7600 件目を表示

《速報解説》 一般社団法人の基金について放棄を受けた場合の法人税法上の取扱いについて、東京局より文書回答事例が公表~非営利型移行後に放棄を受けた債務免除益は収益事業に係る益金の額に算入されないと回答~

 《速報解説》 一般社団法人の基金について放棄を受けた場合の 法人税法上の取扱いについて、東京局より文書回答事例が公表 ~非営利型移行後に放棄を受けた債務免除益は 収益事業に係る益金の額に算入されないと回答~   税理士 仲宗根 宗聡   東京国税局は、平成28年3月15日付(ホームページ掲載は3月31日)で、「一般社団法人(非営利型法人)の基金について放棄を受けた場合の法人税法上の取扱いについて」の事前照会に対し、貴見のとおりで差し支えないとした回答文書を公表した。 以下では、その内容について解説する。   【 前 提 】 〈一般社団法人の基金〉 基金制度は、剰余金の分配を目的としない一般社団法人の基本的性格を維持しつつ、その活動の原資となる資金を調達し、その財産的基礎の維持を図るための制度であり、基金として集めた金銭等の使途に法令上の制限はなく、一般社団法人の活動の原資として自由に活用することができる。 〈非営利型法人〉 法人税法上、一般社団法人・一般財団法人のうち、一定の要件に該当する非営利型法人は、公益法人等として取り扱われる。非営利型法人は、収益事業を行う場合に限り、法人税の納税義務が生じ、収益事業から生じた所得に対してのみに法人税が課税される。 なお、非営利型法人以外の一般社団法人等(普通法人)が非営利型法人に該当することとなる場合には、その該当することとなる日の前日に普通法人が解散したものとみなし、その該当することとなった日に非営利型法人(公益法人等)が設立されたものとみなされる。 〈収益事業〉 法人税法上の収益事業とは、販売業、製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものいい、34事業が限定列挙され、その性質上その事業に付随して行われる行為が含まれる。なお、「その性質上その事業に付随して行われる行為」とは、通常その収益事業に係る事業活動の一環として、又はこれに関連して行われる行為をいう。 〈区分経理〉 公益法人等は、収益事業から生ずる所得に関する経理と収益事業以外の事業から生ずる所得に関する経理とを区分して行われる。公益法人等が他者から贈与を受けた寄附金収入などは、原則として、収益事業に係る収益の額に該当せず、固定資産の取得等に充てるための補助金等の額についても、当該固定資産が収益事業の用に供されるものである場合でも、収益事業に係る益金の額に算入しないこととされている。   【事前照会者の見解(要約)】 一般社団法人が非営利型法人へ移行し、非営利型法人に移行した日後に、基金の拠出者からその基金の返還請求権の放棄に係る債務免除を受けた場合、当該債務免除益は、非営利型法人の行う収益事業に係る益金の額に含まれないと解して差し支えないか。   【見解の理由(要約)】 非営利型法人へ移行した場合、移行した日に公益法人等に該当することとなり、同日に開始する事業年度以後の各事業年度において、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課税される。 公益法人等に該当することとなった日以後において、基金の返還請求権の放棄に係る債務免除益を収入することとなる場合は、基金の返還債務の免除は、収益事業に係る事業活動の一環として、又はこれ関連して行われる行為によるものとは認められないことから、収益事業に係る益金の額に算入されないと考えられる。 また、基金制度の趣旨から基金は収益事業に属する債務とは認められず、実質的に元入金のような性格を有しているといえるので、その返還債務の免除に係る経済的利益は、他者から贈与を受けた寄附金と同様の性格の収益であるといえ、収益事業に係る益金の額には算入されないと考えられる。 (了)

#No. 155(掲載号)
#仲宗根 宗聡
2016/04/15

《速報解説》 金融審議会より「ディスクロージャーワーキング・グループ報告(案)」が公表~開示制度の見直しに向けた検討結果が明らかに~

《速報解説》 金融審議会より 「ディスクロージャーワーキング・グループ報告(案)」が公表 ~開示制度の見直しに向けた検討結果が明らかに~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成28年4月13日、金融庁の金融審議会は、第5回のディスクロージャーワーキング・グループを開催し、「金融審議会『ディスクロージャーワーキング・グループ』報告(案)-建設的な対話の促進に向けて-」を提示した。 金融審議会では、企業と投資者の建設的な対話を促進する観点も踏まえつつ、投資者が必要とする情報を効果的かつ効率的に提供するための情報開示のあり方等を検討している。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 建設的な対話の促進に向けた開示のあり方 1 開示内容の整理・共通化・合理化 現在の開示制度を見直し、全体として、より適時に、かつ、より効果的・効率的な開示が行われるよう、開示に係る自由度を向上させることが重要であるとしている。 以下のように開示制度の見直しが述べられている。 2 対話の促進に向けた開示の日程・手続のあり方 次のことが述べられている。   Ⅲ 非財務情報の開示の充実 非財務情報は、有価証券報告書のMD&Aや事業等のリスク、コーポレート・ガバナンス報告書におけるガバナンス情報、CSR(企業の社会的責任)報告書、環境報告書等で開示されている。 非財務情報は、今後とも、ステークホルダーのニーズに応じて企業の創意工夫を生かした開示を行っていく観点から、任意開示の形で充実させていくことが考えられる。 一方、非財務情報の内容によっては、制度上、開示を義務付けるべきものが出てくることも考えられている。   Ⅳ 単体財務諸表におけるIFRSの任意適用 単体財務諸表や会社法上の計算書類についてもIFRSに準拠して作成することを認めてほしいという要望があり、関係省庁において検討を進めることが望まれる。   Ⅴ 情報の公平・公正な開示についてのルール 諸外国では、企業が情報をタイムリーに公表するためのルールとともに、公表前の内部情報を特定の第三者に提供する場合に当該情報が他の投資者にも同時に提供されることを確保するためのルール(フェア・ディスクロージャー・ルール)がある。 近年、企業の内部情報を顧客に提供して勧誘を行った証券会社に対する行政処分の事案において、上場会社が当該証券会社のアナリストのみに未公表の業績に関する情報を提供していたなどの問題が発生しているとのことである。 このため、我が国においても、フェア・ディスクロージャー・ルールの導入について、具体的に検討する必要があるものと考えられるとしている。   Ⅵ 投資者のリテラシー向上に向けた取組み 企業による情報開示を、持続的な成長及び中長期的な企業価値の向上につなげるためには、企業が開示した情報が投資者による中長期的な視点からの投資判断に活用されるよう、投資者のリテラシーの向上を促す取組みを引き続き充実させていく必要があるとのことである。 (了)

#No. 165(掲載号)
#阿部 光成
2016/04/14

《速報解説》 東証、2015年3月~12月決算会社の 「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示分析結果を公表

《速報解説》 東証、2015年3月~12月決算会社の 「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の 開示分析結果を公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成28年4月13日、東京証券取引所は、2015年3月から12月決算会社までの「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示内容について分析を行い、その結果を公表した。 前回の分析は、平成27年9月1日に、2015年3月31日決算会社(早期適用含む)を対象にして分析を行っている。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な内容 「決算短信・四半期決算短信作成要領等」(2015年3月)の27ページに次の規定が設けられている。 以下では、前回の平成27年9月1日の分析結果を(前回:〇〇)として記載し、比較を行っている。 出所:東京証券取引所の「『会計基準の選択に関する基本的な考え方』の開示内容の分析」の5~7ページをもとに作成。 (了)

#No. 165(掲載号)
#阿部 光成
2016/04/14

《速報解説》 消費税軽減税率に係る個別通達・Q&A等が公表~軽減対象の線引き・区分記載請求書等保存方式の詳細が明らかに

《速報解説》 消費税軽減税率に係る個別通達・Q&A等が公表 ~軽減対象の線引き・区分記載請求書等保存方式の詳細が明らかに   Profession Journal編集部   〇軽減税率に関する通達・Q&A等の資料が一度に公表 平成28年度税制改正関連法の公布を受け、このたび国税庁ホームページにおいて消費税の軽減税率制度に関する通達やQ&A等、各資料が公表された。 ただし関連する資料が一度に公表されたことで、それぞれの位置づけを把握しづらくなっていることから、まずは公表された各資料の概要を整理・紹介しておきたい。   〇公表資料は原則インボイス導入前の経過措置の取扱いまで 消費税の軽減税率制度を規定した改正消費税法では、原則、本法内(改正消費税法第57条の2~57条の5等)で平成33年4月1日から導入される適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)を前提とした軽減税率制度に関する規定を行い、平成29年4月1日から平成33年3月31日までの経過措置である区分記載請求書等保存方式を前提とした軽減税率制度に関しては改正消費税法の附則(附則第34条~44条等)において規定が行われている。 3月31日に公布された改正消費税法施行令(政令)及び施行規則(省令)では上記のうち附則(経過措置に係る部分)の政令委任のみ規定されており、平成33年4月1日からの詳細については今回規定が示されなかったことから、このたび公表されたパンフレットやQ&Aについては基本的に、軽減税率の対象となる品目(線引き)に関する解説に加え、平成29年4月1日から平成33年3月31日までに導入される区分記載請求書等保存方式に関する解説までが行われている。   〇個別通達の発遣に加え経過措置通達の一部改正も 上記法令の公布に合わせ、次の個別通達が4月12日付けで発遣された。 こちらも改正法令のうち附則部分(軽減税率の対象品目及び区分記載請求書等保存方式)に係る規定の取扱いをより具体的に説明したものであり、次に紹介するQ&Aのベースとなっている。 また、消費税率5%から8%への引上げ時にも実務上の混乱が生じた指定日等の経過措置規定について、下記の通り10%の引上げに係る経過措置通達が一部改正され、予約販売に係る書籍等の経過措置等については、軽減税率が適用される取引がこの経過措置の適用外である旨、示されている。 なお、上記の通達と同時期に「消費税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)(課消1-57等)」が発遣されているが、こちらは平成28年度税制改正のうち本制度以外の改正部分(輸出物品販売場制度の見直し、事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合の内外判定基準の見直し、高額特定資産を取得した場合の中小事業者に対する特例措置の適用関係の見直しなど)に係る一部改正が行われている。   〇Q&Aは「制度概要編」と「個別事例編」、今後の追加・改訂に注意 一部新聞等でも報道された軽減税率に関し具体的な事例等で解説したものとして、次の2つのQ&Aが公表された。 それぞれ①「制度概要編」、②「個別事例編」とあるとおり、①が制度全体に関する説明を行ったものであり、本制度の教科書的な位置づけといえる。一方、②については主に、軽減税率の対象となる線引きについて、「「飲食料品の譲渡」の範囲等」「飲食料品の輸入取引」「外食の範囲」「「一体資産」の適用税率の判定」「「新聞の譲渡」の範囲等」と区分された65問のQ&Aにより、具体的な適用判定の事例解説が行われている(その他10問は区分記載請求書等の記載方法等)。 なお、①については上述した法令や個別通達の内容をあらためて解説したものだが、「問19 適用可能な売上税額と仕入税額の計算の特例の組合せを教えてください。」では適用可能な売上税額と仕入税額の計算の特例の組合せを一覧表で示す等、横断的な解説も行われているため、ここまで本制度について理解されてきた方々も一度目を通していただきたい。 また②については具体的判定が示されているとはいえ、今後国民からの問い合わせが急増することが予測され、マイナンバー制度に関するガイドラインやQ&Aと同じように、定期的な追加・改訂が行われることから、実務で必要とする際には必ず最新のものを確認するよう留意しておきたい。   〇パンフレットは2種類 ここまでが本制度の詳しい取扱いを示した資料となるが、クライアント等へ本制度の全体像を周知する際の資料としては、次のパンフレット2点が有効だ。 ③については本制度の要点を示したパンフレットとなっており、平成33年4月1日からのインボイス制度についても概要のみだが掲載されている。 ④については本制度を含む平成28年度税制改正における消費税関係の改正事項全体を紹介したものだが、上記で紹介した10%引上げに係る経過措置通達の改正を踏まえた一覧表が掲載されているため確認しておきたい。   〇定期的にチェックしたいホームページは現在3サイト 上記Q&A2点の表紙には「今後、寄せられた質問や頂いた疑問点を踏まえて、随時、追加や掲載内容の改訂を行っていく予定です。」と記載されており、上述の通り常に最新のものをチェックしておきたいところだ。 今後、新たな資料公表の可能性も考えられることから、今回複数の資料が公表された国税庁の特設ページのほか、既報のとおり、補助金関連の情報ページ等の確認も必要となる。 本誌上でも引き続き新着情報や資料リンク集などで更新情報をお伝えしていくが、現在のところ次の3サイトについては更新情報の確認が必要といえよう。 (了)

#No. 164(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2016/04/14

プロフェッションジャーナル No.165が公開されました!~今週のお薦め記事~

2016年4月14日(木)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.165を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2016/04/14

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第40回】「法人税法にいう『法人』概念(その4)」~株主集合体説について考える~

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第40回】 「法人税法にいう『法人』概念(その4)」 ~株主集合体説について考える~   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦 (2) 法人該当性と私法準拠  法人該当性を検討するに当たって、我が国私法上の法人該当性を参考にする考え方には、2つのルートが考えられる。 すなわち、第一のアプローチとしては、概念論の見地から「法人」という租税法上の用語の意義の解明に当たり、私法上の理解を参考にする方法が考えられる。第二のアプローチとしては、性質論の見地から租税法上の「法人」と私法上の「法人」を比較して考える構成である。この2つのアプローチは似ているものの、実は理論的には非なるものである。 第一のアプローチはいわば言葉の問題として租税法における「法人」を考えるという構成である。条文上の文言の意義を解明するのに、租税法上固有の意義を持った概念であるとはいえない場合には、法的安定性や予測可能性を担保する見地から、私法における概念と同様に理解しようとする捉え方である。これは文理解釈上の「概念論」の問題である。 これに対して、第二のアプローチは、そもそも租税法上の「法人」とはいかなるものであって、その「法人」と私法上の「法人」は類似の性質を有するものかどうかを検討した上、およそ両者に違いがないのであれば、租税法上の「法人」を私法上の「法人」と同じものとみても差し支えなかろうとする構成である。 このように考えた場合に、さて、前述の最高裁平成27年7月17日第二小法廷判決は、どちらのアプローチによってLPSの法人該当性を判断したのであろうか。 (3) 第一のアプローチ 類似事例といってよいかは意見のあるところかもしれないが、いわゆるLLC事件がこの第一のアプローチを考えるに当たって、参考になると思われる。 これは、米国で組成されたLLC(Limited Liability Company:リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)の我が国租税法上の法人該当性が争点となった事例である。 原告は、米国ニューヨーク州LLC法に基づき組成された本件LLCの行った不動産賃貸業に係る収支及び本件LLC名義の預金利息収入を原告の不動産所得及び雑所得として、平成10年分ないし平成12年分の所得税の各確定申告をした。これに対し、被告税務署長は、本件LLCが行う不動産賃貸業により生じた損益は法人としての本件LLCに帰属するもので、原告の課税所得の範囲に含まれないとしてこれを是正し、また、本件LLCが平成10年ないし平成12年に原告に対して送金した本件分配金は原告の配当所得に該当する等として、原告に対し、上記各年分の所得税に係る本件各更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をしたという事案である。 この事案において、原告は、本件LLCは我が国の租税法上の法人に該当せず、また、本件分配金の一部は出資金の払戻しであり配当所得には当たらないから、本件各更正処分等は違法である旨主張した。 さいたま地裁平成19年5月16日判決(訟月54巻10号2537頁)は、次のように説示した。 ここに、概念論に従った判断枠組み、すなわち、上記第一のアプローチの採用を確認することができよう。 さいたま地裁は、このように説示した上で、次のように続けるのである。 さらに、次のように結論付けて、本件LLCの法人該当性を肯定している(原告の主張は排斥されている)。 ここでは、具体的に、次のように英米法を根拠とした法人該当性の要素を述べている。 さいたま地裁は、これらの判断要素を基礎として、次のような結論を導出したのである。 なお、この判断枠組み及び結論は、控訴審東京高裁平成19年10月10日判決(訟月54巻10号2516頁)においても維持されている(確定)。 (4) 第二のアプローチ これに対して、前述の最高裁平成27年7月17日第二小法廷判決は、結論からいえば、第二のアプローチを採用したものであるといえよう。それは次の説示からうかがえるところである(再掲)。 このように、我が国の租税法において何故に法人が独立した納税義務者とされているかに鑑みてその性質から法人該当性を判断するという上記のアプローチは、明らかに第一のアプローチとは異なるものであることが分かるであろう。 いずれの判断枠組みが妥当なのであろうか。理論的に極めて重要な問題であり、かつ深慮を要する論点でもある。 (続く)

#No. 165(掲載号)
#酒井 克彦
2016/04/14

平成28年度税制改正における減価償却制度の改正ポイント 【第1回】「改正概要及び経過措置の確認」

平成28年度税制改正における 減価償却制度の改正ポイント 【第1回】 「改正概要及び経過措置の確認」   公認会計士・税理士 新名 貴則   平成28年3月29日の参議院本会議において、平成28年度税制改正法案が可決され、3月31日には税制改正関連法及び政省令が公布された。施行日は原則として平成28年4月1日である。 この中で、法人税率引下げに伴う財源確保のため、減価償却制度の見直しが行われた。 本連載では、改正法令を踏まえ、その内容について解説していくこととする。   1 改正の概要 従来、平成10年4月1日以後に取得した建物については、償却方法が定額法に限定されていたが、建物附属設備や構築物については定率法も選択することができた。しかし、次のような理由から、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物については、建物と同様に定率法を廃止し、償却方法を定額法に限定することになった。 また、同様に平成28年4月1日以後に取得する鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物のみ)についても、定率法を廃止し、定額法又は生産高比例法に限定することになった。 【選択可能な償却方法】 (※) 償却方法の選択について特に届出をしていない場合に適用される、法定償却方法のこと。 なお、ここでいう取得時期とは、正確には「事業供用日」を指すことに注意が必要である。例えば、購入したのは平成28年3月31日以前であっても、事業供用日が4月1日以後であれば、改正後の税法が適用されることになる。   2 経過措置 今回の改正に伴い、次の経過措置が設けられている。 ◆償却方法の変更手続の時期 通常、償却方法を変更する場合には、新たな償却方法を採用しようとする事業年度の開始日の前日までに、所轄税務署長に届出書を提出する必要がある。 しかし、今回の改正の施行日(平成28年4月1日)以後最初に終了する事業年度において、建物、建物附属設備及び構築物について償却方法を変更する場合には、当該事業年度の確定申告書の提出期限(仮決算による中間申告書を提出する場合はその提出期限)までに、所轄税務署長に届出書を提出すればよい。 ◆資本的支出の取扱い 資本的支出を行った場合、原則として、新たに資産を取得したものとして既存資産とは別個に減価償却を行う。ただし、既存資産及び資本的支出に定率法を採用している場合は、資本的支出を行った翌事業年度から、既存資産の帳簿価額と資本的支出の帳簿価額を合算して、1つの新たな資産として償却を行うことができるという特例が設けられている。 今回の改正の施行日(平成28年4月1日)を含む事業年度においては、平成28年3月31日までに行った建物附属設備及び構築物に係る資本的支出については、定率法を採用している場合は上記の特例を適用することができる。平成28年4月1日以後の資本的支出については、新たな資産として定額法で償却する必要があり、上記の特例は適用できない。   3 事例に基づく改正前後の減価償却の比較 定率法及び定額法における償却を、事例に基づいて比較すると次の通りである。 これまで建物附属設備や構築物について定率法を選択していた法人では、今後は定額法に限定されるため、償却開始後の数年間は償却額が大幅に少なくなることに注意が必要である。 【 事 例 】 種類:建物附属設備 耐用年数:15年 取得価額:10,000,000円 (※1) 少数点以下の端数は切り捨てている。 (※2) 9年目以降は改定償却率による計算に変わっている。 (了)

#No. 165(掲載号)
#新名 貴則
2016/04/14

改正国税通則法と新たな不服申立制度のポイント 【第3回】「証拠の閲覧、謄写権の新設」~審理モデルの変更による審査請求実務の対応~

改正国税通則法と 新たな不服申立制度のポイント 【第3回】 「証拠の閲覧、謄写権の新設」 ~審理モデルの変更による審査請求実務の対応~   弁護士 坂田 真吾   1 審判所の審理モデル 今回は、本改正の最重要項目と考えられる証拠の閲覧、謄写権について述べる。 前提として、審査請求の証拠の取扱いは、審査請求の審理モデルに深く関係するので、そこから検討することとする。   2 従前の審査請求の審理モデル (1) 審査請求における職権主義 一般に、紛争解決制度における調査審理のモデルとしては、「職権主義」と「当事者主義」がある。 職権主義とは、争訟手続における主導権を判断機関(裁判所等)に認める原則をいい、当事者主義とは、主導権を当事者に委ね、判断機関は中立的なアンパイアの地位に立って、両者の主張の優劣を判断する原則をいう。 通常の民事訴訟は、当事者主義に基づいている。これに対し、審判所の審査請求は、かなり職権主義的な色彩が強い。 すなわち、通常の民事訴訟において、裁判所は、原告ないし被告が提出する主張と証拠を受動的に受けて判断するが、審査請求においては、審判所は自ら職権調査を実施するなど、積極的に証拠を収集して事案の解明を行うことが多い。 (2) 証拠の取扱いにおける問題点 その中でも、従前の証拠の取扱いは、訴訟と比べて著しい差異がある。 すなわち、民事訴訟においては、原告、被告とも、書証の申出をする際には、相手方に写しを交付する手続を取らねばならない(民事訴訟法219条、民事訴訟規則137条)。 したがって、相手方が裁判所に提出した証拠は、すべて反対当事者の手元にあり、証拠は両当事者及び裁判所において共通である。 これに対し、審査請求では、次に述べるとおり、双方当事者及び審判所において証拠が共通ではない。 すなわち、請求人は、旧通則法96条によって原処分庁が任意に審判所に提出した証拠(任意提出証拠)については、原則として閲覧請求権が認められる一方、審判所が同97条に基づいて提出を求め、原処分庁がこれに応じたという形で提出した証拠(職権収集証拠)については、同96条2項のような閲覧権限に関する条文がないので、請求人に閲覧権がないと解されている。 そうすると、旧通則法の下では、原処分庁は、請求人に閲覧されてもよい証拠は96条で任意に提出し、そうでない証拠は97条により職権行使に応じる形で提出するという選択肢を有することになる。 審査請求が申し立てられた後の時系列に即して言えば、①原処分庁は、審判所に答弁書を提出(通則法93条)するとともに、一定の証拠を任意提出(同96条)し、②これを受けた審判所は、原処分庁に対して幅広く調査関係資料の有無内容を明らかにするよう求め、原処分庁はこの求めに応じてほぼ保管されているままに手持ち証拠を審判所に提出する(同97条)という運営がなされていると言えるだろう。 なお、原処分庁の手持ち証拠としては、当該納税者やその関係者、取引先等の過去の申告書、決算書等や、処分に当たっての調査関係記録(※)などの膨大な資料がある。 (※) 原処分庁が保管する記録には多様なものがあるが、税務訴訟における文書提出命令を巡る裁判例等においては、関係人の質問てん末書、電話聴取書、調査事績書、滞納処分票、事件検討書、原処分関係処理経過表、決議書、重要事案検討事績、重要事案審議会審議表、同業者検討基礎資料等が問題とされている(東京地裁平成16年2月9日決定・税資254号(順号9552)、東京地裁平成17年3月23日決定・税資255号(順号9967)、岡山地裁平成21年1月7日決定・税資259号(順号11114)、東京高裁平成22年9月6日決定・税資(徴収関係判決)(順号22-47)等)。 実務上、原処分庁は、97条で提出した証拠は請求人の閲覧の対象とならないことから、原処分庁が保管する一件記録を網羅的に審判所に97条で提出する傾向がある。 担当審判官等は、審査請求開始後の比較的早期の段階で、このような原処分庁提出資料を網羅的に検討し、調査審理の方針を立てる。原処分に問題がなければ、適宜請求人に必要な主張を促した上、棄却の議決、裁決を行う。 一方で、原処分に問題があり、原処分関係書類からしても原処分庁に検討が不足していると考えられる場合には、自ら職権で証拠を収集し(請求人や関係人からの事情聴取、帳簿調査、預金調査、現地調査等を自ら行う)、法的問題を検討して、結果として取消しの議決、裁決を行うこともある。 (3) 従来の審理モデルにおける合理性とは このような審理モデルは、民事訴訟と比べ、相当に職権主義的であり、良かれ悪しかれ、審査請求の大きな特徴となっている。 私見であるが、筆者が当初任期付職員として審判所に赴任したときは、それまでの弁護士としての実務経験等からして、このような取扱いには大きな違和感があった。民事訴訟では当事者と裁判所で証拠が共通であり、それ故に公正な審理、判断が期待できると考えていたからである。 一方で、筆者が審判所での担当事件数を重ねるにつれ、このような取扱いにも一定の合理性があるのではないか、という発想が生じたのも事実である。 審判所は中立的な機関ではあるが、あくまでも行政組織なのであり、あたかも刑事事件の起訴前の取調検察官のように、調査機関(原処分庁。刑事事件では警察署)から一件記録を網羅的に引き継いで必要な調査を行い判断する、というのは、迅速な判断や真実の早期発見という点から見れば一応の合理性を有する。 また、審判所が原処分を取り消せば、行政内部の最終決定であるから、原処分庁は訴訟提起できず納税者の勝訴が確定するという点で、納税者にとって相当に有利である。   3 改正の内容 (1) 国税通則法97条の3の新設 そうであるところ、上記の取扱いは、納税者から見れば、判断機関である審判所が証拠を抱え、納税者の知らないところで調査審理を行っているという面は否定できず、特に弁護士会等から強い批判がなされていた。 そこで今回の改正では、通則法97条の3が新設され、請求人等の閲覧できる証拠の対象が拡大されるとともに、証拠の写しの交付(謄写)もできることとされた。 (2) 改正の影響 上記改正については、これにより、審査請求人の閲覧、謄写対象が拡大し、納税者にとって有意義な改正であるという評価が多い。筆者としても、基本的にはそのような評価は妥当であると考える。 ただし、上記改正によれば、原処分庁は、これまでと異なり、審判所に提出した証拠は原則として請求人の閲覧、謄写の対象となることから、その手持ち証拠の一部しか審判所に提出しない扱いとされる可能性がある。 そのような原処分庁の不提出証拠の中に、納税者に有利な証拠が混在していた場合、どのように対応するのかが今後の問題となるように思われる(この点についてご興味があれば、拙稿「審査請求における証拠の閲覧対象の拡大と今後の調査審理について」(第38回 日税研究賞入選論文集、税研186号(2016年3月)116頁以降(要約))を参照いただければ幸いである)。 一方で、審査請求に精通した方から、「原処分庁としては、法改正後は96条提出証拠、97条提出証拠のいずれもが審査請求人の閲覧、謄写の対象となるのだから、むしろ網羅的に原処分庁の保管記録を審判所に提出し、あとは、審判所が、請求人の閲覧、謄写申請に対して閲覧等制限(新通則法97条の3第1項ただし書)を行うという実務運営となるのではないか」という意見を受けたこともある。 いずれにせよ、証拠の在り方を巡っては、今後の実務の運営に注目したい。   4 法改正後における納税者の対応 以上のように、証拠の閲覧、謄写規定の改正は大きなインパクトを有するが、税理士、弁護士等が審査請求を納税者の代理人として対応する際には、これまで以上に、原処分庁の提出した証拠に対する閲覧、謄写申請を適切に行うことが肝要となる。 なお、実務上、税理士が審査請求の代理人となる事例では、さほど、証拠の閲覧の申請がなかったという印象がある。弁護士としては相手方が判断機関にどのような証拠を提出しているのかは重要な関心事でありこれを閲覧等しないというのは考えがたいのであるが、税理士にとっては必ずしもそうでないのかもしれない。 しかし、今回の法改正後は、上記のどのような運営になるにせよ、従来よりも閲覧、謄写できる証拠の範囲は格段に拡大するものと思われるのであるから、審査請求において閲覧、謄写の申請をすることは専門家の必須の義務となろう。 また、上記のように、法改正後は審判所も原処分庁が収集した証拠を網羅的に検討しなくなるやもしれず、納税者としては、本来なされているはずの調査、収集されているはずの証拠を想像し、積極的に求釈明を行い、証拠開示を求めていくという姿勢が、これまで以上に重要になってくると思われる。 納税者側としては、原処分庁の証拠を見ると、意外と根拠に薄いといったことが分かることがある(第三者の供述を課税の根拠としつつ、当該供述が客観的事実に反する場合など)。そういった場合には、当該証拠に対して説得的な攻撃を加えることで、処分の取消しにつながる場合もある。なお、取り消される処分の傾向や、説得的な主張、立証の在り方については、本連載の【第5回】で検討する。 (了)

#No. 165(掲載号)
#坂田 真吾
2016/04/14

特定株主等によって支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~ 【第7回】「〈事例5〉買収によって欠損等法人の役員が全員退任、親族の従業員が退社するケース(第5号事由)」

特定株主等によって支配された欠損等法人の 欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い ~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~ 【第7回】 (最終回) 「〈事例5〉買収によって欠損等法人の役員が全員退任、 親族の従業員が退社するケース(第5号事由)」   公認会計士・税理士 税理士法人トラスト パートナー 足立 好幸   〈事例5〉 買収によって欠損等法人の役員が全員退任、親族の従業員が退社するケース(第5号事由) 《検討》 同族経営の会社を買収する場合、オーナーやその親族、古株の役員や従業員の退任又は退職が条件となるケースが多い。この場合、本ケースのように、もともと役員や従業員の数が少ないと、第5号事由に該当してしまう可能性が生じる。   [検討1] A社は欠損等法人に該当するか? 本ケースの場合、A社は、平成24年10月1日(特定支配日)に、P社による特定支配関係を有することになり、特定支配事業年度前の事業年度において生じた繰越欠損金を有するため、欠損等法人に該当する。   [検討2] 特定事由に該当するか? 本ケースでは第1号事由~第4号事由には該当しないが、第5号事由に該当する可能性がある。 ここで、第5号事由は、次の要件に該当する場合をいう(法法57の2①、法令113の2⑲⑳)。 (※1) 「役員」は、社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役若しくは常務取締役又はこれらに準ずる者で法人の経営に従事している者に限る。 (※2) 「退任」には業務を執行しないものとなることを含む。 (※3) 「非従事事業」とは、旧使用人が特定支配日以後その業務に実質的に従事しない事業をいう。 (※4) 「旧事業の事業規模」及び「非従事事業の事業規模」は〈事例2〉における[検討2]の考え方による。 (※5) 欠損等法人の「事業規模算定期間における非従事事業の事業規模」が「当該事業規模算定期間の直前の事業規模算定期間における非従事事業の事業規模」のおおむね5倍を超えない場合は、【要件3】には該当しない。 この場合、当該事業規模算定期間において欠損等法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする共同事業要件(法令4の3④⑧⑫)を満たす合併、分割又は現物出資(合併等)を行っている場合には、当該合併等により移転を受けた事業に係る部分を除いて、「事業規模算定期間における非従事事業の事業規模」を計算する。 本ケースでは、【要件1】及び【要件2】を満たすことになるが、【要件3】については、次に掲げる非従事事業の事業規模が旧事業の事業規模のおおむね5倍を超えるものとなるかどうかで判定することになる。 ◆旧事業の事業規模 ◆非従事事業の事業規模 ただし、上記に掲げる非従事事業の事業規模が、次に掲げる非従事事業の直前の事業規模のおおむね5倍を超えない場合は、【要件3】には該当しないこととなる。 ◆非従事事業の直前の事業規模   [検討3] 使えなくなる繰越欠損金と繰越欠損金が使えなくなる事業年度は? 本ケースでは、欠損等法人A社において、第5号事由に該当する場合、平成27年4月1日~平成28年3月31日事業年度(適用事業年度)から、平成26年4月1日~平成27年3月31日事業年度以前の事業年度に生じた繰越欠損金が使用できなくなる。 また、平成27年4月1日~平成29年9月30日までの適用期間(適用事業年度開始の日から同日以後3年を経過する日は、平成30年3月31日となる)において生ずる特定資産の譲渡等損失額は損金不算入となる。 以上より、本ケースでは、法人税法第57条の2及び60条の3の適用により、第5号事由に該当する場合、欠損等法人A社の繰越欠損金は切り捨てられ、特定資産の譲渡等損失額が損金不算入となる。 〈事例5〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます (連載了)

#No. 165(掲載号)
#足立 好幸
2016/04/14

裁判例・裁決例からみた非上場株式の評価 【第5回】「募集株式の発行等④」

裁判例・裁決例からみた 非上場株式の評価 【第5回】 「募集株式の発行等④」   公認会計士 佐藤 信祐   前回は、大阪高裁昭和51年4月27日決定、佐賀地裁昭和51年4月30日判決について解説を行った。 【第5回】に当たる本稿では、神戸地裁昭和51年6月18日判決について解説を行うこととする。   5 神戸地裁昭和51年6月18日判決・判時843号107頁 (1) 事実の概要 本事件は、株主総会で事業目的に娯楽場経営を加える議案が否決されたにもかかわらず、ボーリング場建設をしてしまい、かつ、その経営が失敗したことに端を発した事件である。取締役会では、建設会社からの工事代金債権を現物出資として株式100万株を1株当たり230円で発行することが決議された。 そのため、少数株主がこれらの行為が法令・定款に違反するとして、商法257条3項による取締役の解任請求をした事件である。取締役の解任請求と言ってしまうと論点が多くなってしまうが、本稿では、当該現物出資が有利発行に該当するか否かについて裁判所がどのような判断を行ったのかという点に限定して解説を行うこととする。 (2) 裁判所の判断 (3) 評釈 このように、本事件では、類似会社比準方式が採用され、純資産方式、配当還元方式、収益還元方式はそれぞれ採用されなかった。また、支配権プレミアムを加味すべきか否かという点についても判断され、結果的に支配権プレミアムは加味されないという結論になった。 支配権プレミアムをどのように考えるべきであるかという点は、会社法の学者の中でも統一した見解がないため、ここではあえて分析しないが、裁判所としては、経営支配権に関わるわけではないことから、支配権プレミアムを加味しないと判断したようである。 また、前回までの解説と異なり、少しずつ国税庁方式からの脱却が始まったようである。そして、現在では、支配株主にとっての株式価値の算定では収益還元方式やDCF方式が重視され、少数株主にとっての株式価値の算定では配当還元方式(ゴードン・モデル方式)が重視されてきているが、当時は類似会社比準方式が重視された時代でもあった。 なお、純資産方式を採用してしまうと、株価が割高になりかねないという裁判所の指摘についてはあえて異議を唱えたい。このような判断が正しいとしてしまうと、上場会社のPBRは1を下回るのが普通ということになってしまい、妥当とは言い難い。純資産方式を採用した結果、割高になるのか、割安になるのかは、それぞれの企業の収益力によって異なるものであり、純資産方式の特徴とは異なるものである。 また、気配相場が存在し、その値段よりも高かったという点が判決に影響を与えた可能性も否めない。 そのため、本事件が他の判決に影響を与えるかどうかという点については、経営支配権に係る場合であったのか、そうではないのかによって有利発行に該当するか否かが変わるという点のみを理解しておけば十分であると思われる。 次回では、東京地裁昭和52年8月30日判決及び東京地裁昭和56年6月12日判決について解説を行う予定である。 (了)

#No. 165(掲載号)
#佐藤 信祐
2016/04/14
#