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《速報解説》 金融庁、「平成26年3月期有価証券報告書の法令改正関係審査の実施結果」を公表~退職給付に関する記載で4つの「適切でない事例」に注意~

《速報解説》 金融庁、「平成26年3月期有価証券報告書の法令改正関係審査の実施結果」を公表 ~退職給付に関する記載で4つの「適切でない事例」に注意~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年2月10日、金融庁は、次のものを公表した。 いずれも有価証券報告書の開示に関する重要な事項が記載されているので、注意が必要である。 本稿では上記②について解説する。 ①については、同時公開の下記拙稿を参照いただきたい。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 平成26年3月期有価証券報告書の法令改正関係審査 1 審査対象会社 平成26年3月31日を決算日とする有価証券報告書の提出会社2,782 社のうち、以下のすべての要件に該当する2,245社のうち2,198社を対象として実施した。 平成26年3月31日を決算日とする連結財務諸表を作成している。 退職給付制度を採用している。 連結財務諸表を日本基準で作成している 2 審査内容 退職給付に係る「科目表示」や「注記事項」等に関する記載 3 留意事項 (了)

#No. 106(掲載号)
#阿部 光成
2015/02/17

《速報解説》 金融庁、「平成25年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び情報等活用審査の実施結果」を公表~企業結合等の「適切ではない事例」に注意~

《速報解説》 金融庁、「平成25年度有価証券報告書レビューの重点テーマ審査及び情報等活用審査の実施結果」を公表 ~企業結合等の「適切ではない事例」に注意~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年2月10日、金融庁は、次のものを公表した。 いずれも有価証券報告書の開示に関する重要な事項が記載されているので、注意が必要である。 本稿では上記①について解説する。 ②については、同時公開の下記拙稿を参照いただきたい。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 平成25年度有価証券報告書レビュー関係 1 重点テーマ審査 次の事項について審査を行っている。 財務局等からの質問状には、次の観点も反映しているとのことである。 2 適切ではない事例 アンダーラインは、筆者が記入したものである。 (了)

#No. 106(掲載号)
#阿部 光成
2015/02/17

《速報解説》 会社法やコーポレートガバナンス・コード(案)等の改正を受け、JICPAが「社外役員候補としての公認会計士紹介制度」を公表

《速報解説》 会社法やコーポレートガバナンス・コード(案)等の改正を受け、 JICPAが「社外役員候補としての公認会計士紹介制度」を公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年2月13日(掲載日)、日本公認会計士協会は、社外役員候補として、公認会計士を紹介する案内を掲載している。 これは、政府が予定している、民間企業における女性社外役員の登用促進を目的とする「はばたく女性人材バンク(仮称)」の創設にも応えるものとのことである。   Ⅱ 企業の担当者の皆様へ 申込方法については、所定の申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、現在事項全部証明書(発効後3ヶ月以内のもの)を添えて、郵送で申し込むこと、貴社のご希望に合致する公認会計士に、貴社が社外役員への登用を検討している旨を連絡することなど、7つのステップが記載されている。 「社外役員候補公認会計士紹介申込書(企業用)」には、「希望キャリアなど」を記載する欄もあるので、自社が必要とする社外役員の適性について、あらためて検討されてはいかがだろうか。   Ⅲ 会員(公認会計士)の皆様へ 社外役員への就任を検討している会員(公認会計士)向けに、「社外役員候補公認会計士名簿登載申込書(会員用)」が用意されている。 「政府その他公的機関の審議会等の委員歴」や「自己PR」を記載する欄があるので、社外役員への就任を希望する公認会計士の方は、利用されてはいかがだろうか。 (了)

#No. 106(掲載号)
#阿部 光成
2015/02/16

Web講座・DVD講座のサンプル動画をご覧いただけるようになりました!

プロフェッションネットワーク主催セミナー Web講座・DVD講座の サンプル動画をご覧いただけます! プロフェッションネットワークは、お忙しい実務家の方々向けに、教室開催だけでなく、Web講座やDVD講座など時間や場所に捉われない動画コンテンツをご提供しております。 すでに多くのお申し込みをいただいておりますが、よりお申込みいただきやすいように、このたび各講座ページにおいて、下記のようなサンプル動画を公開いたしました(画像をクリックするとご覧いただけます)。 お申込期限が設定されている講座が多くありますので、この機会にぜひサンプル動画をご覧の上、お申込みください。 セミナートップページは以下よりお進みください。

#Profession Journal 編集部
2015/02/13

《速報解説》 パブコメを経て、改正会社法の法務省令が公布(2/6)~コメント対応と改正内容を確認~

《速報解説》 パブコメを経て、改正会社法の法務省令が公布(2/6) ~コメント対応と改正内容を確認~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成27年2月6日付(官報号外第28号)で、会社法の改正に伴う会社更生法施行令及び会社法施行規則等の改正が公布された。これにより、平成26年11月25日に意見募集されていた改正案が確定することになる。 次のものが改正される。 以下では、会社法施行規則及び会社計算規則に関する部分について、改正案へ寄せられたコメント対応のポイント及び主な改正内容を述べる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ コメント対応のポイント 1 会社法施行規則関係 2 会社計算規則関係   Ⅲ 主な内容 1 会社法施行規則関係 2 会社計算規則関係   Ⅲ 適用時期 平成27年5月1日から施行する。 ただし、経過措置が規定されているので、実際の適用に際しては注意が必要である。 (了)

#No. 106(掲載号)
#阿部 光成
2015/02/13

Profession Journal No.106が公開されました!~今週のお薦め記事~

2015年2月12日(木)AM10:30、 Profession Journal(プロフェッションジャーナル)  No.106 が公開されました。   - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2015/02/12

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第26回】「消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」(その2)」~租税法内部における同一概念の解釈~

酒井克彦の 〈深読み◆租税法〉 【第26回】 「消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」(その2)」 ~租税法内部における同一概念の解釈~   中央大学商学部教授・法学博士 酒井 克彦     Ⅳ 解説 1 消費税法上の「事業」の定義 本件事案においては、消費税法上の「事業」の意義が争点とされた。 Yは、消費税法上の「事業」とは、「対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供が反復、継続、独立して行われることをいう」とする消費税法基本通達5-1-1の考え方を示した上で、この定義からすれば、その判断に当たって事業の規模を問うものではないと主張した。 ここで、消費税法基本通達5-1-1をみることとする。 そして、Yは、 という。 これに対して、Xは、Yの主張によれば、消費活動以外の反復、継続、独立した収入を得る活動は事業活動に該当することになり、 というのである。その上で、消費税法は、Yの主張するような、少額な収入まで全てを事業として取り込む趣旨で小規模事業者の納税義務の免除制度(限界控除制度)を設けたものではないという。 さらに、Yが引用する消費税法基本通達5-1-1については、限界控除制度廃止前に出されたものであるから、廃止後もこれと同様に解すべきではないと主張したのである。 2 消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」 (1) 所得税法と消費税法の基礎とする「担税力」の相違 担税力に応じた適正公平な課税の実現など、所得税法と消費税法に共通の趣旨を掲げたとしても、次に乗り越えなければならない問題がある。それは、「担税力」に対する所得税法と消費税法の視角の相違という壁である。 所得税法は、所得の大きさをその所得の発生原因ないし源泉に応じて各種所得に区分し、かかる所得区分の上で課税所得を算出する仕組みを採用している。 所得税法が、いかなる態様で個々の納税者が所得を稼得したのかという点に着目する租税制度であるということに思いを致す必要があろう。同法は、納税者の行った所得稼得活動がいかなるものであったのかをみた上で、それが業務的な規模によって稼得されたものであるのか、あるいはより営利性や有償性の見地からみて事業的な規模といい得るような活動から得られたものであるのかにより、その取扱いを異にしている。すなわち、所得稼得活動の規模を基準に担税力の相違を判断し、課税標準の計算にそのことを織り込んでいるとみることができよう。 例えば、所得税法は、事業所得か雑所得かという点や、不動産所得の規模が事業的規模か業務的規模かという点に関心を寄せて、資産損失の取扱い、青色事業専従者給与の取扱いなどを定めている。このように、さまざまな点において、「事業的規模」であるのか「業務的規模」であるのかという視角を制度の隅々に織り込んで体系を構築しているのである。 ※なお、東京地裁平成7年6月30日判決(訟月42巻3号645頁)、国税不服審判所平成19年12月4日裁決(裁決事例集74号37頁)は、所得税法上の「事業」か「業務」かは単なる規模ではなく社会通念上「事業」といい得るか否かによって判断すべきと論じている。ここで筆者が規模と述べているのは、そのことを踏まえた上での便宜的な表現であることを付言しておきたい。 これに対して、消費税法における担税力は何に求められているのであろうか。 一般的な消費税は物品やサービスの消費に担税力を認めて課税されるものであるが、その担税力の捉え方は、消費税法上の「消費税」についても同様である。消費税法上の消費税は、直接消費税とは異なり間接消費税であることからすれば、その担税力の所在と納税義務者との関係は見えづらくなってはいるものの、その本質は異ならないはずである。最終的な消費行為の前段階において物品やサービスに対する課税が行われ、あらかじめ租税負担が物品やサービスのコストに含められて最終的に消費者に転嫁されることが予定されている租税であるから、担税力の所在は直接消費税と異なるところではないはずである。 すなわち、消費支出がどの程度であるかという消費税法上の「担税力」は、その物品やサービスの提供者の活動規模とは直接の関係性を有していないのである。このような基本的な理解を前提とすれば、Xが主張する限界控除制度のような小規模事業者の納税義務の免除制度というものが、消費税法上の納税義務者の範囲を画する議論に用いられたことには違和感を覚える。小規模事業者の納税義務の免除制度は、あくまでも原則論ではなく特例であって、これは消費税制度導入の際に議論された事務負担等への配慮にすぎないのであるから、これをもって消費税法上の納税義務者の範囲を論じることは困難であるといわざるを得ない。 そもそも、消費税は、原則としてすべての物品とサービスの消費に対して「広く薄く」課税することを目的とした租税であって、課税ベースが広いところに特徴がある。例えば、国税不服審判所平成5年7月1日裁決(裁決事例集46号225頁)は、 と論じている。 なお、税制改革法10条1項は次のとおり規定している。 また、消費税法には、所得税法のような業務的規模と事業的規模の別に課税上の取扱いを規定する仕組みも存在しないのであるから、消費税法を所得税法と同様に解することは困難であるように思われる。 この点は、水野忠恒教授も、 と論じられるところである(水野忠恒『租税法〔第5版〕』739頁(有斐閣))。 このように、所得税と消費税がそれぞれいかなる課税物件に対して「担税力」を見出しているのかという点からみれば、両者の差異は明らかであるはずである。したがって、所得税法が規模の大きさに応じて「事業」と「業務」とを分けて課税上の取扱いを異にしているところ、そのような取扱いをしていない消費税法上の「事業」を所得税法上の「事業」と同様に解することは難しいといわざるを得ない。 もっとも、そうであるからといって、租税法律主義の要請する法的安定性の見地からすれば、同じ租税法上の概念(用語)を別異に理解することに躊躇を感じないわけではない。 まして、同じ租税法中の用語の概念の意義は同じように解するべきとの判決があることも踏まえて考えると、この点については、もう少し検討を要するように思えるのである。 (続く)

#No. 106(掲載号)
#酒井 克彦
2015/02/12

《編集部レポート》 最大4,500万円の住宅取得等資金贈与が可能に~直系尊属からの贈与税の非課税措置は家屋取得の契約締結基準に変更

《編集部レポート》 最大4,500万円の住宅取得等資金贈与が可能に ~直系尊属からの贈与税の非課税措置は家屋取得の契約締結基準に変更   Profession Journal 編集部   平成27年1月から相続増税がなされているのは周知のとおりだが、平成27年度税制改正では、その相続対策ともなる直系親族からの住宅取得等資金贈与特例が大幅に拡充された。これまでにない“大盤振る舞い”な制度の改正となっており、注目が集まっている。 ◆改正の概要 平成26年末で制度の期限が切れた同特例であるが、27年度改正では、平成30年まで制度の延長が盛り込まれたことに加えて、その贈与税の非課税限度額が大幅に引き上げられている。 具体的には、下記の表のとおりである。 ① 住宅用家屋の取得等に係る対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合 ② ①以外の場合   ◆ ②の表は消費税8%と課税事業者以外との取引でも適用 上表で注目すべきは、通常の贈与税関係の制度の仕組みは、「贈与時期」で判断するのが原則であるわけだが、本改正では「住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時期」に判断基準が変更されている点だ。 これは本制度の改正目的として、8%の消費税率引上げに伴う住宅建築着工件数の減少に加えて、10%の引上げを見据えて8%の引上げ時のように再度の景気の冷え込みを食い止めるための措置の一環として設けられていることが影響している。 さて、上表の注目ポイントの2点目が、①消費税率10%時と、②それ以外に別れている点。表①は文字どおり、消費税率10%となる平成29年4月以降の締結期間に対応するものだが、表②は8%時点と単純に考えがちだ。 もちろん、消費税率引上げ前の8%時点の契約締結に係る贈与は表②によるわけだが、「①以外の場合」とは、10%時点であっても「個人-個人」の相対取引など消費税の課税対象から外れる取引がすべて含まれることから注意が必要である。   ◆特例の2度使いが可能に! 本改正について、大綱上で目を引く表現が、次の箇所。 この注書が言わんとしているのは、②の表に応じて消費税率8%の契約締結期間(もしくは消費税課税から外れる者の取引)で住宅取得等資金贈与を受けて住宅を取得等した後に、①の消費税率10%が課税される契約期間に締結した住宅を取得等する場合であっても、再度、非課税となる住宅取得等資金贈与特例の適用が可能ということだ。 一度、非課税となる住宅取得等資金贈与を受けて住宅を購入した後に、その住宅を売却や賃貸とするなどして、再度新たに消費税10%となる住宅取得契約により住宅を購入する場合にも、住宅取得等資金贈与の非課税措置が受けられるというもの。 つまり、特例の2度使いを可能にするという、まさにこれまでの税制では見られなかった「大盤振る舞い」の特例に模様替えすることになる。   ◆「3,500万円の資金贈与+精算課税型資金贈与1,500万円」で最大5,000万円贈与が可能 以上のように、本特例の2度使いが可能となるため、本特例だけで4,500万円(表①で最大3,000万円+表②で最大1,500万円)の財産のシフトが可能となる。このため、本特例は、今後の相続対策にも大きなウエイトを占めることとなろう。 さらに、相続時精算課税による住宅取得等資金贈与が1,500万円用意されていることから、この精算課税制度を有効に活用できる状況にあれば最大で5,000万円の贈与が無税で可能となる。 当然のことながら、相続時精算課税を活用する場合には、相続時の精算や受贈者が贈与者よりも先に亡くなる場合などのデメリットを考慮する必要がある点を確認されたい。 (了)

#No. 106(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2015/02/12

〈あらためて確認しておきたい〉『所得拡大促進税制』の誤りやすいポイント 【第3回】「経過措置の適用に関する留意点」

〈あらためて確認しておきたい〉 『所得拡大促進税制』の誤りやすいポイント 【第3回】 (最終回) 「経過措置の適用に関する留意点」   公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎     - 質問1 - (経過措置が適用できる場合) 当社は平成27年3月期において、所得拡大促進税制の経過措置の適用を受けることを検討しています。 経過措置の適用に当たり、留意すべき点があれば教えてください。   - 回 答 - 平成26年3月期において、改正前の適用要件をすべて満たしていた場合には、たとえ所得拡大促進税制の適用を受けていなくても経過措置の適用を受けることはできない。 また、平成27年3月期においても適用要件を満たしていなければ、経過措置の適用を受けることができない。   - 解 説 - 所得拡大促進税制は平成25年度税制改正によって創設されたものであるが、より一層の適用を促進するために、平成26年度税制改正において適用期限が2年延長されるとともに、下表の通り、適用要件の緩和が行われた(措法42の12の4①)。 改正後の規定は平成26年4月1日以後終了事業年度より適用されることとなったため(措法H26附則82①)、平成26年3月決算法人のみが改正前の規定の適用を受けることなり、それ以外の法人については最初から改正後の制度の適用を受けることとなった。 (注) 措法H26・・・所得税法等の一部を改正する法律(平成26年法律第10号) 所得拡大促進税制のより一層の適用促進という趣旨を踏まえ、改正後の制度の適用を受けることのできなかった平成26年3月期決算法人について、下表の通り経過措置が設けられた。 上表の「対象事業年度(経過年度)」の説明にあるとおり、経過措置の適用を受けることのできる事業年度にはいくつかの除外項目が含まれている。このうち特に、「改正前のこの制度の適用がある事業年度」という表現には留意が必要である。 「改正前のこの制度の適用がある」という表現は、改正前の規定に従い税額控除を受けたということではなく、「改正前の適用要件のすべてを満たしており、税額控除の適用を受けることができる状況にあった」ことを指している。 したがって、以下のようなケースは経過措置の適用を受けることができない。 以上要するに、経過措置の適用を受けるためには、対象事業年度(経過年度)において、改正前の適用要件の一部又は全部を満たしていないことが必要であるという点に留意が必要である。 さらに、経過措置はあくまでも「控除税額の上乗せ措置」であり、その前提として、平成27年3月期においても所得拡大促進税制の適用要件を満たし、税額控除を受けられる状況でなければならない(土台がないところに上乗せなし、ということである)。 なお、経済産業省のホームページには「平成26年3月末決算法人の場合の所得拡大促進税制の判定フローチャート(前年度ともに12ヵ月決算の場合)」が記載されており、上記留意点についてわかりやすく明示されている。 (プロフェッションネットワーク主催セミナー「【平成27年3月決算申告対応】所得拡大促進税制-適用判断と申告実務」使用教材より)   - 質問2 - (経過措置の適用可否判定) 経過措置の適用可否判定に当たり、実務上留意すべき事項があれば教えてください。   - 回 答 - 適用要件の見直しに伴い、平均給与等支給額の概念が変更されている。 経過年度において新基準による適用要件を満たしているかどうかを判断するうえでは、特に「平均給与等支給額」及び「比較平均給与等支給額」の集計を早期に実施することが望まれる。   - 解 説 - 質問1で解説したとおり、経過措置の適用を受けるためには、経過年度において「改正後」の適用要件のすべてを満たしている必要があるが、適用要件のひとつである「平均給与等支給額」及び「比較平均給与等支給額」については算定方法が変更されているため留意が必要である。 平均給与等支給額の概念が変更された経緯については、前回(第2回)質問2の解説を参照されたい。 改正前の規定では、比較平均給与等支給額は「前期における平均給与等支給額」をそのまま用いることができたが、改正後の規定では、当期の継続雇用者の範囲を確定させたうえで、対応する前期の支給額を集計するという手順を踏む必要がある。 経過措置の適用可否を判断するうえでは、平成26年3月期における継続雇用者給与等支給額及び継続雇用者比較給与等支給額を集計する必要があるが、具体的には、以下のデータについて整理をすることが必要である。 これらのデータはいずれも過去データであり、決算を待たず既に集計可能な状況であるといえる。特に、継続雇用者比較給与等支給額は、平成25年3月期に係るデータであることを考慮すると、早めの準備が望まれる。   - 質問3 - (連結納税における経過措置) 当社は連結納税を採用しており、平成27年3月期において所得拡大促進税制の経過措置の適用を受けることを検討しています。 そこで、経過措置のうち連結納税に特有の留意点があれば教えてください。   - 回 答 - 経過年度と特例事業年度との間で、納税者ステータス(単体納税・連結納税)が変更される場合における経過措置として、適用要件の判断単位と、経過措置(上乗せ控除)の計算単位についての取扱いが定められている。   - 解 説 - 連結納税を適用している場合には、所得拡大促進税制は「連結納税グループ全体で計算する税額控除項目」とされており、以下のような特有の取扱いが定められている(措法68の15の5、措令39の46)。 つまり、連結納税グループについては、たとえ個々の連結法人ごとに適用要件を満たしていたとしても、連結納税グループ全体として適用要件を満たしていなければ、グループ全体として本税制の適用を受けることができない(またはその逆)。 このような特徴があるため、経過措置の適用を検討するに当たって、経過年度と特例連結事業年度との間で単体納税と連結納税を行き来する局面(納税者ステータスの変更)が生じる場合において、適用要件の判断と上乗せ控除の計算をどの単位で行うかが問題となる。 これを踏まえ、連結納税を適用する場合に固有の事象である納税者ステータスの変更に関する経過措置の取扱いについて、下表の通り規定されている。 (※) 加入・離脱に関係しない他の連結法人については、グループ全体で判断・計算する。 このように、経過措置の適用可否を判断する場合の適用要件の判断単位は、基本的には、経過年度における納税者ステータスに基づくこととされている。 そのうえで、上乗せ税額の取扱いは、対象事業年度における納税者ステータスに基づくこととなるが、基本的にはその法人の単体の状況で計算することとなる。例えば、新規加入の場合には、連結グループ全体としては経過措置の適用を受けられない場合であっても、新規加入法人単体のみ、上乗せ控除を行うことができるということもあり得る。 ただし繰り返しになるが、経過年度において適用要件を満たしていたとしても、対象連結事業年度(又は対象事業年度)においてその法人が適用要件を満たしていない限り、上乗せ控除を行うことができない点に留意が必要である。 なお、上乗せ控除を行った場合の連結法人税個別帰属額の減算調整額の算定に当たっては、按分基準となる各連結法人の雇用者給与等支給増加額に、それぞれの上乗せ分(経過年度における雇用者給与等支給増加額)を含めて計算することとなる(措令H26附則29)。 (連載了)

#No. 106(掲載号)
#鯨岡 健太郎
2015/02/12

[平成27年3月期]決算・申告にあたっての留意点 【第2回】「生産性向上設備投資促進税制・中小企業投資促進税制の上乗せ措置」

[平成27年3月期] 決算・申告にあたっての留意点 【第2回】 「生産性向上設備投資促進税制・中小企業投資促進税制の上乗せ措置」   公認会計士・税理士 新名 貴則   平成26年度税制改正における改正事項を中心として、平成27年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。第1回は、「復興特別法人税の前倒し廃止」と、「交際費課税の見直し」について解説した。 第2回は、「生産性向上設備投資促進税制」と「中小企業投資促進税制の上乗せ措置」について、平成27年3月期決算において留意すべき点を解説する。 1 生産性向上設備投資促進税制 青色申告法人が、平成29年3月31日までに新品の機械装置等を取得又は製作等して、国内の事業の用に供した場合に、即時償却等又は税額控除の選択適用を認めるものである。その概要は次のとおり。 (※) 生産、販売、役務提供といった付加価値の生成による収益稼得に直接関係しない設備(本店や寄宿舎等としての建物、事務用器具備品、福利厚生施設等)は、対象にはならない。 「先端設備」、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の詳細 (※) 「器具備品」のサーバー用電子計算機と、「ソフトウエア」は中小企業者等の場合のみ対象となる。 【最低取得価額】 平成26年1月20日から平成26年3月31日までに上記の対象設備を取得・事業供用した場合でも、その事業年度が平成26年3月31日までに終了する場合には、その翌事業年度(平成26年4月1日を含む事業年度)に上記の措置を受けることができる。すなわち、事業供用した事業年度と、税制措置を受けることができる事業年度が異なることになる。 したがって、平成27年3月期決算においては、平成26年1月20日から平成26年3月31日まで、及び平成26年4月1日から平成27年3月31日までに取得・事業供用した対象設備について、生産性向上設備投資促進税制を適用できることになるので、注意が必要である。   2 中小企業投資促進税制の上乗せ措置 ▷中小企業投資促進税制の概要 中小企業者などが、平成29年3月31日までに新品の機械装置などを取得又は製作して、対象事業の用に供した場合に、その事業の用に供した事業年度において、特別償却又は税額控除の選択適用を認める制度である。 制度自体は以前からあったが、平成26年度税制改正によって拡大及び延長が行われている。改正後の適用要件等は次のとおりである。 (※) 船舶については、取得価額の75%×30%が特別償却の額 この税制は、上記のとおり以前から存在したものであり、平成27年3月期から適用開始される制度ではない。 しかし、平成26年度税制改正により上乗せ措置が設けられており、3月決算法人においては平成27年3月期から適用されるので、注意が必要である。 以下では、その上乗せ措置について解説する。 ▷上乗せ措置の導入 平成26年1月20日以後に取得・事業供用した設備に対して中小企業投資促進税制を適用するに当たり、その設備が「生産性向上設備投資促進税制」の対象設備に含まれるものである場合は、中小企業投資促進税制において次のとおりに上乗せ措置が設けられた。 【上乗せ後の特別償却額及び税額控除額】 平成26年1月20日から平成26年3月31日までに上記の上乗せ対象設備を取得・事業供用した場合でも、その事業年度が平成26年3月31日までに終了する場合には、その翌事業年度(平成26年4月1日を含む事業年度)に上記の措置を受けることができる。すなわち、事業供用した事業年度と、税制措置を受けることができる事業年度が異なることになる。 したがって、平成27年3月期決算においては、平成26年1月20日から平成26年3月31日まで、及び平成26年4月1日から平成27年3月31日までに取得・事業供用した上乗せ対象設備について、中小企業投資促進税制を適用できることになるので、注意が必要である。 (了)

#No. 106(掲載号)
#新名 貴則
2015/02/12
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