〈業種別〉
会計不正の傾向と防止策
【第3回】
「不動産業」
公認会計士・税理士 中谷 敏久
本連載の趣旨については【第1回】を参照
どのような業種業態か?
不動産業は「土地建物の賃貸・仲介、売買、管理」を主な業務としており、その業務を行うためには、宅地建物取引業者として国土交通大臣又は都道府県知事の免許が必要である。またその免許は5年ごとに更新しなければならない。
賃貸・仲介業務については取引金額がそれほど高額ではないため町の不動産屋でも対応可能であるが、売買業務については取引金額が必然的に高額になるため、資金力のある信用度の高い上場会社が取り扱うケースが多い。上場会社といっても財閥系の老舗の上場会社もあれば、新興市場に上場しているデベロッパーと呼ばれる会社も存在する。特に1990年代のバブル経済がはじけ、都心の一等地が放出されるようになってきてからは、新興デベロッパーの躍進にはめざましいものがある。
戦後の高度成長期から土地の価格は上がり続け、土地は減価しないものと考えられていた。しかし、バブル経済崩壊後デフレの時代が20年以上続き、土地の価格も一部の地域を除いて毎年低下の一途をたどっている。時を同じくして会計ビッグバンが始まり時価会計が採用されてからは、土地の含み損を会計上認識するという大変革が起こったのである。
どのような不正が起こりやすいか?
不動産業では、2つの会計不正が起こりやすい。
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