組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨
【第5回】
公認会計士 佐藤 信祐
(《第1章》 平成13年度税制改正前の議論)
(ⅲ) 共同事業を行うための組織再編成
「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」の「第二 資産等を移転した法人の課税」では、共同事業を行うための組織再編成として、以下のように記載されている。
移転資産の譲渡損益の計上が繰り延べられる共同で事業を行うための組織再編成に該当するか否かは、組織再編成により一つの法人組織で行うこととした事業が相互に関連性を有するものであること、それぞれの事業の規模が著しく異ならないこと、それぞれの事業に従事していた従業員の相当数が引き継がれることなどにより判定するのが適当である。
また、先に述べたとおり、移転資産の譲渡損益の計上を繰り延べるためには、事業の移転の対価として取得した株式を継続保有するとの要件が必要である。さらに、共同で事業を行うための組織再編成についても、組織再編成による資産の移転を個別の資産の売買取引と区別する観点から、資産の移転が独立した事業単位で行われること、組織再編成後も移転した事業が継続することを要件とすることが必要である。
上記のうち、第2パラグラフの後半部分では、【第4回】で解説した企業グループ内の組織再編成と同様に、事業単位の移転であることを要求することが記載されている。それ以外のところであるが、第1パラグラフでは、事業関連性要件、事業規模要件及び従業者引継要件について記載されており、第2パラグラフの前半部分では、株式継続保有要件について記載されている。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。