公開日: 2013/04/11 (掲載号:No.14)
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会計リレーエッセイ 【第4回】「IFRS雑感」

筆者: 山田 辰己

会計リレーエッセイ

【第4回】

「IFRS雑感」

 

有限責任あずさ監査法人パートナー
(前IASB理事)
山田 辰己

 

1 アジアにおけるIFRS採用国の拡大

筆者は、2001年4月から2011年6月まで国際会計基準審議会(IASB)の理事を務めた。その後、有限責任あずさ監査法人に勤め、そこでは、アジア地域の国際財務報告基準(IFRS)の普及に関する仕事をしている。

その関係で、韓国、マレーシア、インドネシア及び台湾といった国々を訪問する機会がある。これらの国々では、2011年又は2012年からIFRSが導入され、少なくともすべての上場企業に強制適用されている。また、韓国やマレーシアの場合には、IASBが新設・改訂する都度自国で適用しているIFRSに反映されている。

しかし、インドネシアの場合には、2009年版のIFRSが、台湾では2010年版が、2012年に導入されている。最新IFRSとのタイムラグを埋めるため、今後どのようにキャッチアップするかが、これらの国では大きな課題となっている。さらに、インドネシアやマレーシアでは、一部のIFRSのカーブアウトをしているため、厳密には、IFRSと完全に同一ではない。

ただし、このような多様性があるものの、香港やシンガポールも全面的な採用に動いており、アジア諸国では、IFRSの採用が着実に進んでいる。また、これらの国々では、IFRSの設定における日本のより積極的なリーダーシップに対する期待は強く、我が国が、アジア諸国のこの期待に応えてほしいものと感じている。

 

2 我が国のIFRSの任意適用

我が国は、2010年3月期からIFRSの任意適用を認めている。任期適用を行う企業は、金融庁長官が指定する「指定国際会計基準(現時点では、2012年10月までのIFRSがそのまま指定されている)」を適用しなければならない(IFRSのアドプション)。

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会計リレーエッセイ

【第4回】

「IFRS雑感」

 

有限責任あずさ監査法人パートナー
(前IASB理事)
山田 辰己

 

1 アジアにおけるIFRS採用国の拡大

筆者は、2001年4月から2011年6月まで国際会計基準審議会(IASB)の理事を務めた。その後、有限責任あずさ監査法人に勤め、そこでは、アジア地域の国際財務報告基準(IFRS)の普及に関する仕事をしている。

その関係で、韓国、マレーシア、インドネシア及び台湾といった国々を訪問する機会がある。これらの国々では、2011年又は2012年からIFRSが導入され、少なくともすべての上場企業に強制適用されている。また、韓国やマレーシアの場合には、IASBが新設・改訂する都度自国で適用しているIFRSに反映されている。

しかし、インドネシアの場合には、2009年版のIFRSが、台湾では2010年版が、2012年に導入されている。最新IFRSとのタイムラグを埋めるため、今後どのようにキャッチアップするかが、これらの国では大きな課題となっている。さらに、インドネシアやマレーシアでは、一部のIFRSのカーブアウトをしているため、厳密には、IFRSと完全に同一ではない。

ただし、このような多様性があるものの、香港やシンガポールも全面的な採用に動いており、アジア諸国では、IFRSの採用が着実に進んでいる。また、これらの国々では、IFRSの設定における日本のより積極的なリーダーシップに対する期待は強く、我が国が、アジア諸国のこの期待に応えてほしいものと感じている。

 

2 我が国のIFRSの任意適用

我が国は、2010年3月期からIFRSの任意適用を認めている。任期適用を行う企業は、金融庁長官が指定する「指定国際会計基準(現時点では、2012年10月までのIFRSがそのまま指定されている)」を適用しなければならない(IFRSのアドプション)。

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連載目次

「会計リレーエッセイ」(全12回)

筆者紹介

山田 辰己

(やまだ・たつみ)

有限責任 あずさ監査法人 理事、パートナー

1976年慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士。大学卒業後、住友商事株式会社で決算業務や海外駐在を経験した後、1993年から2001年まで中央監査法人に勤務。その間、1995年から2001年まで国際会計基準委員会(IASC)に日本代表として参加。2001年、国際会計基準審議会(IASB)の設立に伴い、その初代理事に就任、2011年6月の退任まで10年間にわたり、国際財務報告基準(IFRS)の設定にあたる。2011年9月に有限責任 あずさ監査法人に加入、2012年1月に理事就任。2012年6月、KPMGアジア太平洋地域IFRS統括責任者就任。

【著書】
『IFRS設定の背景―基本事項の決定・従業員給付―』(税務経理協会 2013年)
『IFRS設定の背景―金融商品―』(税務経理協会 2013年)

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