ファーストステップ
管理会計
【第16回】
「事業部長の評価」
~虎穴に入った事業部長をどう評価するか~
〔業績評価編②〕
公認会計士 石王丸 香菜子
今回も前回に引き続き、企業内の組織やヒトの業績評価について取り上げます。
◆これまで扱ったテーマとの大きな違い
「業績評価」というテーマについては、これまで連載の中で扱ってきた原価管理や利益管理、意思決定などのテーマとは異なる印象を持つ方が多いと思います。それはなぜでしょうか。
学校の先生が生徒の通信簿を作る場面をイメージしてみましょう。
生徒の成績を評価して通信簿を作成するには、成績を評価するための基準を設けて、基準を判断するための情報を集めますね。これまで扱った原価管理などのテーマは、これに似ています。切り口こそ異なるものの、モノやプロジェクトなどを対象として情報を収集し評価するという点は同じです。
一方、通信簿をもらう生徒の立場になってみましょう。
生徒の日々の行いは、様々な角度から先生に評価され、その結果として通信簿が学期末に渡されます。お母さんにガミガミ(?)怒られるのは誰でも嫌なものですから、通信簿でどのような項目が評価されるのかをあらかじめ想定して、復習するとか、忘れ物をしないなどの行動を取りますよね(個人談ですが、子どもの授業参観に行くと、挙手する生徒が多いのに驚きます。我が家の子どもいわく、積極的に挙手や発言をすると通信簿の『意欲・態度』という項目が評価されるので、さほどいい答えが思い浮かばなくても、とりあえず手を挙げるのだとか・・・)。
このように、生徒の成績を評価するための基準や仕組みは、生徒の行動にも大きな影響を与えます。
これと同じで、管理会計の中の業績評価というテーマも、単に業績を評価する性質だけでなく、評価される側の行動に大きな影響を与える性質を強く持っています。それは、これまで扱ったテーマとは違い、測定・評価する対象がモノやプロジェクトではなく、組織やヒトだからです。
今回は、この性質がよくわかる例を取り上げて、業績評価について考えてみましょう。
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