〈判例評釈〉
相続マンション訴訟最高裁判決
-相続税の節税目的で取得したマンションに対する評基通6項適用の可否が問われた事例-
【後編】
国際医療福祉大学大学院教授
税理士 安部 和彦
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3 本件判決への評価と実務対応
(1) 抜かないが故の「伝家の宝刀」
本件判決に接して真っ先に思ったのは、課税庁は日頃から「伝家の宝刀」を抜かないで済むための対応を怠るべきでないということである。ここでいう伝家の宝刀とは評基通6項のことであるが(※4)、なぜ抜くべきでないかといえば、評基通6項とは通達による評価の「否認」、すなわち自らが規定した評価方法(本件の場合は路線価による評価、評基通11)に「欠陥」があることを認めることにつながりかねず、その行為は「自己矛盾」というべきものであるからである。
(※4) 新聞でも、独自に評価をやり直せる例外規定である評基通6項のことを「伝家の宝刀」と称している。2022年4月19日付朝日新聞及び2022年2月28日付日本経済新聞参照。
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