国税審査官エイトの勤務日誌
~ある国税不服審判所の記録~
合議体④

公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
田中審判官は、ノート型パソコンから、高裁の判例(東京高裁平成15.9.9判決)を検索する。
製薬会社が医学研究者に対し英語による医学論文につき費用の一部を負担して英文添削のサービスを提供する行為は、その主たる目的が、海外の雑誌に研究論文を発表したいと考えている若手医学研究者の便宜を図り、その支援をするということにあり、行為の形態からみても、学術奨励という意味合いが強いと考えられるなどの事情の下においては、租税特別措置法61条の4第3項の「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為」に当たらず、その負担は同条1項の「交際費等」に当たらない。(ゴチック体:筆者)
「・・・これって、英文負担添削費用の負担は、行為の形態から、飲み食いと違って、学術奨励という意味合いが強いので、交際費に該当しないということなのですか?」
永途が訊ねる。
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