常識としてのビジネス法律
【第29回】
「知的財産権入門(その2)」
弁護士 矢野 千秋
2 特許権と実用新案権(承前)
B 特許権(承前)
(5) 特許侵害の判定-A+B+Cとは?
① 権利侵害の成立要件
権利侵害の成立要件(侵害ワンツースリー)は、次の3要件である。
[要件1] 有効な特許権の存在
[要件2] 無権限の実施行為
[要件3] 実施行為が特許権の権利範囲に入ること
これは土地所有権の侵害と同じことであり、土地の侵害であれば
1 地境
2 無権限
3 越境していること
となる。
したがって内容証明郵便による警告状等の記載内容も上記の侵害ワンツースリーを記載することになる。
損害賠償請求権を行使するためには、侵害3要件以外に、侵害者に故意または過失があること(推定規定有り。特許法103条)、損害が発生したこと(軽減規定有り。特許法102条1項)、および、侵害行為と損害の間に因果関係があること(認める規定有り。特許法102条1項)等が要求されるが、いずれも( )内に記した通り立証の容易化が図られている。
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