〔会計不正調査報告書を読む〕 【第37回】KDDI株式会社「外部調査委員会調査報告書(平成27年8月21日付)」
DMXは、2014年12月期決算について、PricewaterhouseCoopers LLP(以下「PwC」という)による会計監査を受けていたところ、DMX及びそのグループ会社の取引の一部に、実在性に疑いのある取引が存在することを指摘された。具体的には、中国本土における取引の実在性を証明する証憑の提出をPwCが求めたにもかかわらず、期日までにこれを提出することができなったというものである。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第96回】外貨建取引⑤「外貨で授受した前渡金・前受金の会計処理」
Q 当社では輸入取引を行う際に、仕入代金の一部を外貨で手付金として支払っています。この場合の手付金支払時、決算時、仕入取引実行時の会計処理について教えてください。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第12回】「重要性判断の実践事例③」~全面時価評価法とすしネタの時価表示
これに対して、重要性の原則を適用した場合はどうなるかというと、子会社の個別貸借対照表上の金額をそのまま据え置くことができるのです。これが簡便法です。
そして、この簡便法を適用できるケースはというと、企業会計基準第22 号「連結財務諸表に関する会計基準」第22項のとおり、評価差額に重要性が乏しい子会社の資産及び負債ということです。
ここで注意しておきたいのは、判断基準が評価差額の金額にあるという点です。資産及び負債自体の金額ではないのです。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第95回】外貨建取引④「外貨建金銭債権債務の決算および決済時の処理」
Q 外貨建金銭債権債務を期末時点に保有している場合の会計処理について教えてください。また、外貨建金銭債権債務が決済された場合の会計処理について教えてください。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第21回】「無対価での100%子会社同士の合併~連結財務諸表作成会社の場合~」
今回は、無対価での100%子会社同士の合併(連結財務諸表作成会社で、親会社が設立当初から子会社の株式を100%保有している場合)について解説する。
無対価での100%子会社同士の合併とは、例えば、100%子会社A社が100%子会社B社の株主に対して何の対価も交付せずに100%子会社を吸収合併する場合をいう。
金融商品会計を学ぶ 【第11回】「満期保有目的の債券の会計処理」
満期保有目的の債券に分類するためには、価格変動のリスクのないことがポイントとなる。そのため、(a)あらかじめ償還日が定められており、かつ、(b)額面金額による償還が予定されているという条件を満たす必要がある(金融商品実務指針68項、272項)。
債券であっても、その属性から満期保有目的の条件を満たさないものは、この区分に含めることはできず、次のことに留意が必要である(金融商品実務指針68項、272項)。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第11回】「重要性判断の実践事例②」~連結作業時の債権債務消去の簡略化
連結作成手続における「債権債務の消去」とは、連結会社間の対応する債権債務を相殺する手続です。たとえば親子会社間取引で、親会社側で子会社に対する売掛金が10百万円、子会社側で親会社に対する買掛金が10百万円発生していれば、これを相殺するというものです。
この債権債務がピタリと一致していれば苦労しないのですが、現実には一致しないことがままあります。
原因としてはいくつかあります。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第94回】人件費に関する会計処理⑤「役員賞与引当金」
Q 取締役に対して、当期の功労に報いるため、利益の一部を賞与の支給という形で分配をすることを考えております。当期の株主総会で役員賞与の支給に関する決議が必要となりますが、決議された場合に関する会計処理について教えてください。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第36回】株式会社東芝「過年度決算の修正,2014年度決算の概要(平成27年9月7日付)」
株式会社東芝(以下「東芝」という)は、平成27年9月7日「過年度決算の修正、2014年度決算の概要及び第176期有価証券報告書の提出並びに再発防止策の骨子等についてのお知らせ」と題するリリースその他を公表し、同日夕刻には、代表執行役社長による記者会見が行われた。
本稿では、東芝が、平成27年7月20日に第三者委員会調査報告書(以下「報告書」という)を受領した後、過年度決算の修正及び2014年度決算発表までの経緯を確認したうえで、報告書における指摘事項がどのように修正されたかを検討することとしたい。