宅地等に係る固定資産税の軽減措置と特定空家等の適用除外について 【第2回】「特定空家等に係る住宅用地の特例の適用除外」
【第1回】において言及したように、平成27年度の税制改正により、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に定める特定空家等について、市町村長から取り壊しや修繕等をするよう勧告が行われたときは、その空家等に係る土地に係る固定資産税及び都市計画税については住宅用地の特例措置の対象から除外されることになった(地方税法第349条3の2)。
特定空家等については、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の第2条においてその詳細が定められている。
具体的には次のとおりである。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第2回】「欠損金の繰越控除制度の見直し(その1)」
連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について、次のとおり、段階的に引き下げる(法法81の9①、平成27年所法等改正法附則30②)。
① 平成27年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する連結事業年度について、その繰越控除前の連結所得金額の65%相当額(改正前80% 相当額)とする。
② 平成29年4月1日以後に開始する連結事業年度について、その繰越控除前の連結所得金額の50%相当額とする。
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税非課税特例」の活用ポイント 【第3回】「結婚・子育て資金管理契約の終了時の取扱い」
上記イ又はロに掲げる事由に該当したことにより結婚・子育て資金管理契約が終了した場合において非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額があるときは、これらの事由に該当した日に当該残額の贈与があったものとして受贈者に贈与税を課税する。
前回において、結婚・子育て資金管理契約終了前に、贈与者が死亡した場合には、当該死亡の日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額については、受贈者が贈与者から相続又は遺贈により取得したものとみなして、当該贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算することを説明した。ここでは、贈与者死亡時課税と、結婚・子育て資金管理契約終了時課税との関係につき、整理を行う。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例27(法人税)】 「外国子会社合算税制において適用除外に該当しているにもかかわらず、別表の添付をしなかったため、適用除外が認められなかった事例」
《事例の概要》
平成X2年3月期から平成X6年3月期の法人税につき、香港に所在する依頼者の100%子会社につき、外国子会社合算税制における適用除外に該当しているにもかかわらず、申告書にその旨を記載した別表及びその証拠資料の添付をしなかったため、税務調査により当該子会社に係る所得につき合算課税の対象となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付が発生し、賠償請求を受けた。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第29回】「裁決例⑨」
今回、紹介する事件は、連結納税加入に伴う時価評価において、債務超過となっている子会社株式をマイナス評価したのに対し、零円未満であることはあり得ないとして、零円以上であるとした事件である。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第29回】「未払配当金から源泉徴収する所得税及び復興特別所得税の処理」
Q 当社(非上場会社)は平成26年5月31日に株主総会を開催し、配当金100万円を支払う旨を決議しました。株主総会から1年経過しましたが、配当金は未払いです。配当金を支払う際には所得税及び復興特別所得税を源泉徴収しなければならないことは承知していますが、未払いなので源泉徴収はしていません。
当社で行うべき処理がありましたらご教示ください。
税務判例を読むための税法の学び方【63】 〔第7章〕判例の探し方(その10)
① 『判例時報』『判例評論』
昭和28年以降、判例時報社より出版されており、毎月1日、11日、21日に発行される旬刊である。裁判例以外、論文等も掲載されている。法律論文等では「判タ」と略されて表記されることも多い。
フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第18回】「親会社による子会社の吸収合併~個別財務諸表のみ作成している会社の場合~」
今回は、親会社による子会社の吸収合併について解説する。吸収合併とは、会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう(会社法2条27項)。
そして、親会社による子会社の吸収合併は、「共通支配下の取引」に該当する。「共通支配下の取引」とは、結合当事企業(又は事業)のすべてが、企業結合の前後で同一の株主により最終的に支配され、かつ、その支配が一時的ではない場合の企業結合をいう(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準(以下、「基準」という)」16)。
金融商品会計を学ぶ 【第7回】「金融負債の消滅の認識」
金融負債の消滅の認識は、金融負債の契約上の義務を履行したとき、義務が消滅したとき又は第一次債務者の地位から免責されたときに行われる(「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号。以下「金融商品会計基準」という)10項、60項)。
「金融商品会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第14号。以下「金融商品実務指針」という)では、上記の金融負債の消滅の認識要件について、次のように規定している(金融商品実務指針④3項)。