法人税に係る帰属主義及びAOAの導入と実務への影響 【第11回】「内国法人の法人税②」
国外事業所得等帰属所得は独立して事業を行う事業者と擬制するので、収益認識の時期も独立の事業者であるとした場合に所得を認識すべき時期となる。例えば、支店から本店に商品の販売を行った場合は、内国法人全体として収益が実現していない場合でも、支店の収益を認識することとなる。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第40回】「法人税基本通達改正の歴史⑨」
平成4年度において、「認定による債権償却特別勘定の設定に関する運用上の留意点について(平成4年9月18日課法2-4、査調4-4)」が公表された。このころからバブル崩壊による影響が出始めており、金融システム全体の安定性が脅かされる危険性が出てきたため、官民ともにあらゆる対応をし始めてきている。
本稿においては、平成4年度に公表された同個別通達についての解説を行う。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第28回】オカモト株式会社「第三者委員会調査報告書(平成26年12月10日付)」
平成26年8月中旬頃、オカモト静岡工場に勤務する従業員から、静岡工場長に対し、帳簿在庫の数量や金額を不正に操作していることを示唆する告白があり、静岡工場における内部調査、本社経理部の管理職による内部調査により、詳細な金額は不明であるものの、棚卸資産の在庫金額が約4億円過大計上されており、過年度決算の訂正が生じる可能性の高いことが判明した。
その後、社内調査を行ってきた役職員に顧問弁護士を加えた社内調査委員会の設置を経て、社外の独立した弁護士及び公認会計士のみからなる第三者委員会による調査、再発防止策の提言を受けることを決定し、平成26年11月4日、適時開示を行った。
経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第77回】純資産会計⑤「剰余金の配当に伴う準備金の計上」
Q 当社は、インターネット上の通信販売サイトの運営会社です。設立以来、初めて剰余金の配当を行うことを検討していますが、剰余金の配当に伴う準備金の計上の会計処理が複雑で、なかなか理解できません。
そこで、剰余金の配当に伴う準備金の計上について教えてください。
monthly TAX views -No.27-「欧州諸国で実感した『消費税 軽減税率』をめぐる課題」
昨年4月、英国・フランス・ドイツの3ヶ国を巡り、消費税軽減税率の実施状況を見聞するとともに、税制当局や事業者、経理担当者などと面談する機会を持った。
今回は、その際見聞きした出来事を書いてみたい。
まず英国であるが、日本でも広く知られているのは、マクドナルドのハンバーガーの「テイクアウト」と「イートイン」の話だ。
「テイクアウトすると食料品扱いでゼロ税率、イートインすると標準税率(20%)。「皆が『テイクアウト』と言って買って、その場で食べている」という話は、多くの日本人が知っている。
しかし、この話はもう古い。
租税争訟レポート 【第22回】「的中馬券に対する課税(最高裁判決)」
被告人の元会社員は、3年間で28億7,000万円分の馬券を購入し、30億円余りの的中配当を得たが、競馬の払戻金を一切申告せず、約5億7,000万円を脱税したとして、所得税法違反の罪で大阪地検に告発され、起訴された。第1審の大阪地方裁判所は、被告人の勝ち馬投票券の払戻しによる所得は雑所得であると認定し、外れ馬券の購入費用等を必要経費として認めて、所得税額を約5,200万円と認定し、執行猶予付きの判決を言い渡した。
これを不服とする検察は控訴したが、控訴が棄却されたことから、上告受理申立てを行ったものである。
土地評価をめぐるグレーゾーン《10大論点》 【第7回】「私道の評価」
① 不特定多数の者の通行の用に供されている場合とは?
② 私道評価の30%の合理性とは?
贈与実務の頻出論点 【第5回】「幼児に対しての贈与は可能か」
〔Q〕父の余命が短いので、私の10歳の息子(孫)に500万円生前贈与をしたいのですが、これは可能でしょうか。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第23回】「源泉所得税及び復興特別所得税を納期限までに納付しなかったとき」
Q 当社は、源泉所得税の納期の特例の承認を受けています。平成26年7月~12月分の源泉所得税及び復興特別所得税477,521円を納期限(平成27年1月20日)までに納付せず、平成27年4月2日に自主的に納付しました。納付が遅れたペナルティとして不納付加算税と延滞税が課されるそうですが、どのくらいかかるのでしょうか?
源泉所得税及び復興特別所得税を納期限までに納付しなかったときに課される不納付加算税と延滞税ついてご教示ください。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第23回】「裁決例③」
本件は、審査請求人(以下、「請求人」という)が、その資本の100%を有する米国子会社の昭和54年3月7日の700,000USドルの増資に当たり、同社に対する長期貸付金1,420,000USドルのうち700,000USドルをもって増資払込金に振替充当する取引を行い、同日を含む事業年度である昭和54年3月期において、当該700,000USドルに相当する額である169,645千円を子会社株式勘定の金額88,200千円に追加計上した後に、その評価損として180,491千円を損金経理し、法人税確定申告書において加算留保を行った。