法人事業税に係る平成27年度税制改正事項~外形標準課税の拡大、所得拡大促進税制の適用など~ 【第1回】「法人事業税の性質と税制改正の経緯」
また、法人事業税についても大幅な改正が行われた。具体的には、資本金1億円超の法人の事業税について、所得割の税率の引下げ、外形標準課税(付加価値割及び資本割)に係る税率の引上げ並びに所得拡大促進税制の事業税への適用が盛り込まれるとともに、経過的な事業税の負担配慮措置が設けられた。
本稿は、法人事業税に係る平成27年度の税制改正の内容について解説することを目的とするが、またとない機会であるので、法人事業税そのものについての説明も付け加えたいと考えている。
ふるさと納税(平成27年度税制改正対応)のポイント 【第1回】「制度の概要と税務上の取扱い」
ふるさと納税による税の軽減は、従来の寄附金税制を応用した新たな仕組みである。
自治体に対する寄附の額に応じて、所得税の寄附金控除と住民税の寄附金税額控除を組み合わせることにより、所得税及び住民税が軽減される(所法78、地法37の2、314の7)。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第1回】「法人税率の引下げ」
毎年度、税制改正については、多くの書籍や雑誌などで解説されているが、連結納税制度に係る取扱いについては、「連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われています。」という一言で片づけられてしまうことも多く、連結納税適用法人にとって、従来の税制改正の解説は十分なものではなかったといえる。
以上より、本稿では、連結納税適用法人(注)のための平成27年度税制改正をテーマとして、①~③に限定することなく、連結納税適用法人に関係するすべての税制改正について、平成27年3月31日に公布され、平成27年4月1日以後から施行されている改正税法等に基づいて、その取扱いを解説していくこととする。
マイナンバー制度と税務手続 【第6回】「委託」
最終回となる今回は、「委託」について見ていきたい。
番号法では、個人番号関係事務又は個人番号利用事務の全部又は一部について委託することができる規定が設けられており、当該委託を行った場合には、委託者は委託先に対する監督責任を負うこととなる。
また、委託を受けた者は委託者の許諾を受けた場合に限り、当該委託業務を再委託することができる。
宅地等に係る固定資産税の軽減措置と特定空家等の適用除外について 【第1回】「宅地等に係る固定資産税の計算方法」
固定資産税評価額は3年ごとに評価替えが行われ(途中で土地の地目・境界の変更、家屋の新築・取り壊しなどの事由があった場合や当該市町村の区域内の自然的および社会的条件に鑑み地価が下落していると認められるときはその都度評価替えが行われる)、それに併せて計算方法の改訂などが行われる場合がある。
平成27年度は評価替えの年にあたっているが、計算方法の変更などの大きな改正はなかった。唯一のトピックとしては、「特定空家等の敷地に係る住宅用地の特例除外措置」が設けられたことである。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第8回】「金銭の受取通帳と判取帳とは」
【問】不動産賃貸業を行っています。
毎月、家賃の受取りを現金にて回収しています。
その際に家賃の受取通帳を作成して、現金受領の都度、受領印を押して借主に渡しています。この場合、印紙税はかかりますか。
また、かかる場合はいくらの収入印紙が必要ですか。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第45回】「貸倒損失の法律論②」
第44回においては、貸倒損失について法人税法上の根拠を挙げたうえで、法的に債権が消滅する場合、すなわち、法人税基本通達9-6-1の概要について説明を行った。しかしながら、同通達9-4-1、9-4-2の位置付けが曖昧であるため、実際に債権放棄を行った場合には、同通達9-6-1を使用するのか、それとも、9-4-1、9-4-2を使用するのかということについては悩ましい議論である。
また、実務上、債権の全額が放棄されることはほとんどなく、債権の一部のみが放棄されることがほとんどである。そのため、本稿については、これらの通達の境界線と部分償却の問題について解説を行う。
会計上の『重要性』判断基準を身につける~目指そう!決算効率化~ 【第5回】「ガラス片は小さくても危ない」~質的重要性の話
【第4回】で取り上げた「砂場の話のたとえ」を再び使います。
これは、砂場の砂をふるいにかけてきれいにする話でした。子供が安全に遊べるように、大きな石が混じっていたら取り除いてあげるというのが、砂をふるいにかける目的です。
砂をふるいにかけると、ふるいの目を通り抜けていかないような石が網の上に残ります。その程度の大きさの石が取り除かれれば、目的は達成されるとします。
しかし、本当にそれで砂場の砂は安全になるでしょうか?
〔会計不正調査報告書を読む〕【第32回】株式会社リソー教育「当社元取締役等に対する損害賠償請求の提起に係る意見書」
第三者委員会から調査報告書を受領したリソー教育は、そのわずか4日後、会計不正に主体的な役割を果たしていたとされた2名の取締役及び1名の子会社取締役の辞任を発表した。
すなわち、当時、リソー教育代表取締役社長であったI氏及び常務取締役であったA氏並びに名門会代表取締役社長であったO氏の3名が、取締役についても辞任したうえで、当時の代表取締役会長が代表取締役社長を兼務するというものであった。