日本の企業税制 【第9回】「政府税調『法人税の改革について』を深読みする」
この中では、「具体的な改革事項」として、課税ベース拡大について詳細に触れているが、実際の改正内容としては困難とも思える項目も羅列されている。
そこで本稿では、このとりまとめを、現実の課題として年末に向けて議論されていくべきものと、そうはならないものに読み分けていきながら、課税当局の意図を推察していきたい。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第6回】「事例を元にした別表6(21)の記載方法の確認」
今回から数回に分けて、本連載第3回で設定した事例を前提に、具体的な法人税申告書の記載方法について紹介したい。
生産性向上設備投資促進税制については、別表6(21)〈生産性向上設備等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書〉が新たに設けられている。
〔大法人のための〕交際費課税の改正ポイント 【第3回】「交際費等の損金不算入額の計算例と別表15記載例」
最終回となる今回は、本改正を受けた計算例と別表15の記載方法について述べたい。
また、平成26年度税制改正を踏まえた改正措置法通達の公表により、前回以降明らかとなった箇所について、追加情報を掲載した。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第22回】「判例分析⑧」
第21回目においては、大阪地裁昭和33年7月31日判決(行集9巻7号1403頁、税資26号773頁)を紹介し、債権放棄の対象となる債権については、回収不能なものである必要があるという点について解説を行った。
第22回目にあたる本稿においては、回収不能部分についてのみ債権放棄を行った場合についての検討を行う。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第5回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)⑤」
前回解説したように、裁判所の判断としては、「組織再編税制の趣旨・目的又は当該個別規定の趣旨・目的に反することが明らかであるもの」については、包括的租税回避防止規定を適用することができるとしたうえで、本事件における特定役員引継要件の形式的な充足を制度趣旨に反するということを理由として、包括的租税回避防止規定の適用を認めている。
しかしながら、その理論構成については、【争点1】はともかくとして、【争点2】についてはかなり問題があると感じている。
第5回目以降においては、判決文についての具体的な評釈を行っていく予定である。
〈条文解説〉地方法人税の実務 【第3回】「課税標準・税額の計算(第9条~第11条)」
「基準法人税額」とは、確定申告書を提出すべき内国法人の法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額につき、法人税法その他の法令により計算した法人税の額(附帯税を除く)をいう。
つまり、法人税法により計算した法人税額が地方税法による課税標準となる。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第5回】「事前確認書(手続実施結果報告書)〔記載例〕」
「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備の要件確認スキーム」においては、公認会計士や税理士が対象設備を確認し、投資利益率要件を満たしていることを確認することが要件となっている。
今回は公認会計士や税理士が記載する「事前確認書(手続実施結果報告書)」の記載例を紹介する。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第21回】「判例分析⑦」
第20回目においては、法人税基本通達9-6-1(3)についての検討を行った。
第21回目にあたる本稿においては、法人税基本通達9-6-1(4)についての検討を行う前に、大阪地裁昭和33年7月31日判決(行集9巻7号1403頁、税資26号773頁)を紹介したい。本判決は、法人税基本通達9-6-1(4)が定められる前の判決であるため、本通達の判断を示すものではないが、放棄した債権が回収可能であったか否かという点について触れられている判決であり、貸倒損失の取扱いを理解するうえで、知っておくべき重要な判決であると言える。
〔大法人のための〕交際費課税の改正ポイント 【第2回】「改正後の取扱いに関するQ&A」
今回は、本改正によって生じる交際費等の取扱いの変更点について、大法人の現場で起こりそうな疑問点を想定し、Q&A形式で解説する(なお、本連載で取り扱う大法人の判定については、前回のフローチャートを参照)。
本稿で取り上げるQ&Aは、以下のとおりである。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第4回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)④」
第2回目、第3回目においては、【争点1】及び【争点2】についての原告及び被告の主張について解説を行った。第4回目に当たる本稿については、裁判所がどのような判断を行ったのかについて解説を行い、次回以降はその評釈を行う予定である。
判決文全体を閲覧すると、最終的には被告が勝訴しているが、被告が主張した理論構成ではなく、異なる理論構成により判決がなされており、法的三段論法のうち小前提たる事実の当てはめについては、どちらかというと原告の主張を一部認めた形となっている。