1406 件すべての結果を表示

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例8】「医薬品共同開発負担金の損金性」

私はある医薬品メーカーの経理部に勤務しております。近年、医薬品の開発に関しては、それに関わる諸費用が高騰する傾向にあることから、私の勤務する会社では、いくつかのメーカーと共同で研究開発を行うケースが増加しております。今回問題となっているプロジェクトXもその一環で遂行しているもので、3年前に消化器系疾患の分野に特化しているA製薬と共同開発及び製造販売に関する契約を締結しています。
青色申告法人であるわが社は、当該契約に基づき、過去3年間にわたってプロジェクトXに係る共同研究開発につき負担金を支払っております。そのため、経理部としては当該負担金はわが社において試験研究費に該当するものとして、試験研究費の総額に係る特別控除(措法42の4①)の適用対象になるものと解し、法人税の申告を行いました。
ところが、先日受けた税務調査で、 当該負担金はわが社とA製薬との共同研究のために支出されたものではなく、A製薬が研究開発を主導しその結果ほぼ得られつつあった成果に対し、その提供を受けるために支出した金額であるため、特別控除が受けられる試験研究費ではなく繰延資産に該当すると指摘されました。

#No. 329(掲載号)
# 安部 和彦
2019/08/01

平成31年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第6回】「「設備投資促進税制の延長・見直し」「適用除外事業者の適用除外措置の範囲の拡大」「事業税の税率の改正」」

設備投資促進税制については、連結納税の場合も、単体納税と同様に各連結法人ごとに適用要件の判定と特別償却限度額又は税額控除額の計算が行われる(つまり、研究開発税制や所得拡大促進税制のように連結納税グループでの全体計算の仕組みになっていない)。
ただし、次の点で単体納税と異なる取扱いとなる。

#No. 329(掲載号)
# 足立 好幸
2019/08/01

〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第40回】「別表6(24) 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」

この別表は、いわゆる中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)のうち、税額控除を適用する場合に記載する。
本制度は、青色申告を提出する法人が、指定期間内(平成29年(2017年)4月1日から令和3年(2021年)3月31日までの間(※2))に、中小企業等経営強化法の認定を受けた「経営力向上計画」に基づいて、一定の設備(以下「特定経営力向上設備等」という)を新規取得し、指定事業の用に供したときは、その事業の用に供した日を含む事業年度において、即時償却又は取得価額の10%もしくは7%(※3)の税額控除ができる制度である。

#No. 328(掲載号)
# 菊地 康夫
2019/07/25

平成31年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第5回】「中小企業者向け租税特別措置における大企業の範囲の見直し」

租税特別措置法では、中小企業者向け租税特別措置が設けられている。
例えば、研究開発税制や所得拡大促進税制について、中小企業者向けの措置は、適用要件が緩和され、税額控除額も拡大される。また、中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制、商業・サービス業活性化税制等については中小企業者のみに適用される。

#No. 328(掲載号)
# 足立 好幸
2019/07/25

収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第8回】

法人税法22条2項は、無償取引に係る収益の額も益金の額に算入する旨を定めている。その趣旨や実質的な根拠については種々の議論がある。有力な学説は、「収益とは、外部からの経済的価値の流入であり、無償取引の場合には経済的価値の流入がそもそも存在しないことにかんがみると、この規定は、正常な対価で取引を行った者との間の負担の公平を維持し、同時に法人間の競争中立性を確保するために、無償取引からも収益が生ずることを擬制した創設的規定である」(適正所得算出説)と解している(金子宏『租税法〔第23版〕』338頁(弘文堂2019))。

#No. 328(掲載号)
# 泉 絢也
2019/07/25

日本の企業税制 【第69回】「政府税調専門家会合で検討進む「連結納税制度の見直し案」」-第4回会合資料(2019.6.26)から-

6月26日、政府税制調査会の連結納税制度に関する専門家会合の第4回会合が開かれた。今回の課題は主に、税額控除や損金計算における連結調整計算の見直しと新制度への移行措置であった。

#No. 327(掲載号)
# 小畑 良晴
2019/07/18

定期保険及び第三分野保険に係る改正法人税基本通達の取扱いとその影響 【第3回】「改正前後の対策効果の検証」

今回は、通達改正前後における保険加入対策の効果を見てみることとする。
前回解説の通り、最高解約返戻率が85%を超えると資産計上割合が高くなってしまい対策効果がほとんどなくなってしまうので、以下では、最高解約返戻率が85%のケ-スを前提に検証を行う。
前提条件は、次のとおりとする。

#No. 327(掲載号)
# 三輪 厚二
2019/07/18

〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第4回】「事前交付型リストリクテッド・ストック概説」

上場企業である当社は、欧米に倣い、新たな役員報酬制度としていわゆるリストリクテッド・ストック、譲渡制限付株式報酬制度の導入を検討しています。このような株式報酬型を導入する企業が増加してきており、当社も検討を開始しました。
この制度は法人や役員にとってどのようなメリットがあり、税制上どのような取扱いになっているのか教えてください。

#No. 327(掲載号)
# 中尾 隼大
2019/07/18

平成31年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第4回】「研究開発税制の見直し(その4:特別試験研究費の税額控除制度の見直し)」

特別試験研究費に係る税額控除制度について、特別試験研究費の対象範囲を拡充するとともに、控除上限を10%に引き上げる。また、研究開発型ベンチャーとの共同研究・委託研究の税額控除割合を25%とする。
特別試験研究費に係る税額控除制度について、改正前後の取扱いは以下のとおりとなる。

#No. 327(掲載号)
# 足立 好幸
2019/07/18

基礎から身につく組織再編税制 【第6回】「適格合併(完全支配関係)」

適格組織再編成には、100%グループ内での組織再編成(完全支配関係がある場合の組織再編成)、50%超100%未満のグループ内の組織再編成(支配関係がある場合の組織再編成)、共同事業を行うための組織再編成がありますが、今回は完全支配関係がある場合の適格合併の要件について解説します。
完全支配関係及び支配関係の定義については、それぞれ本連載の【第2回】及び【第3回】を参照して下さい。

#No. 327(掲載号)
# 川瀬 裕太
2019/07/18
#