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平成31年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第4回】「研究開発税制の見直し(その4:特別試験研究費の税額控除制度の見直し)」

筆者:足立 好幸

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平成31年度税制改正における

『連結納税制度』改正事項の解説

【第4回】

「研究開発税制の見直し(その4:特別試験研究費の税額控除制度の見直し)」

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
足立 好幸

 

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(5)

特別試験研究費に係る税額控除制度について、特別試験研究費の対象範囲を拡充するとともに、控除上限を10%に引き上げる。また、研究開発型ベンチャーとの共同研究・委託研究の税額控除割合を25%とする。

特別試験研究費に係る税額控除制度について、改正前後の取扱いは以下のとおりとなる。

【特別試験研究費に係る税額控除制度】

根拠条文

改正前:旧措法68の9⑥
改正後:措法68の9⑦

対象法人

改正前:連結法人のすべて

改正後:同上

税額控除限度額

各連結法人の特別試験研究費の合計額×税額控除割合  特別試験研究費の種類	税額控除割合 一号	「国の試験研究機関、大学その他これらに準ずる者(特別試験研究機関等)との共同研究又は特別試験研究機関等への委託研究」に係る試験研究費の額	30% 二号	上記以外のもの	20% 	各連結法人の特別試験研究費の合計額×税額控除割合  特別試験研究費の種類	税額控除割合 一号	「国の試験研究機関、大学その他これらに準ずる者(特別試験研究機関等)との共同研究又は特別試験研究機関等への委託研究」に係る試験研究費の額	30% 二号	研究開発型ベンチャー※1との共同研究又は研究開発型ベンチャーへの委託研究	25% 三号	上記以外のもの	20% ※1.研究開発型ベンチャーとは、産業競争力強化法によ る認定を受けているベンチャーファンド又は国立大学 法人や国立研究開発法人から出資を受けているベンチ ャー企業で一定の要件を満たすものをいう(措令39 の39⑰二・七)。

控除限度となる法人税額基準額

調整前連結法人税額×5% なお、税額控除限度額が法人税額基準額を超える場合、第一号に係る税額控除限度額、第二号に係る税額控除限度額の順序で税額控除されたものとする。	調整前連結法人税額×10% なお、税額控除限度額が法人税額基準額を超える場合、第一号に係る税額控除限度額、第二号に係る税額控除限度額、第三号に係る税額控除限度額の順序で税額控除されたものとする。

繰越控除

改正前:限度超過額の繰越制度はない。
改正後:同上。

税額控除額の個別帰属額の計算方法

下記A参照。 なお、税額控除限度額が法人税額基準額を超える場合、第一号に係る税額控除限度額、第二号に係る税額控除限度額の順序で税額控除されたものとして、個別帰属額を計算する。 	下記B参照。 なお、税額控除限度額が法人税額基準額を超える場合、第一号に係る税額控除限度額、第二号に係る税額控除限度額、第三号に係る税額控除限度額の順序で税額控除されたものとして、個別帰属額を計算する。

地方法人税における税額控除

法人税における特別試験研究費に係る税額控除額は、地方法人税の課税標準となる基準法人税額の計算において、連結法人税額から控除される(旧地方法法6三)。 この場合、各連結法人の特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額に地方法人税率(4.4%又は10.3%)を乗じた金額が連結地方法人税個別帰属額の計算において減算される(旧措法68の9⑬五、旧地方法法15①)。	法人税における特別試験研究費に係る試験研究費の総額に係る税額控除額は、地方法人税の課税標準となる基準法人税額の計算において、連結法人税額から控除される(地方法法6三)。 この場合、各連結法人の特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額に地方法人税率(4.4%又は10.3%)を乗じた金額が地方法人税個別帰属額の計算において減算される(措法68の9⑬五、地方法法15①)。

住民税における税額控除

連結親法人が中小連結親法人に該当する場合、法人税における特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額は、調整前個別帰属法人税額(住民税の課税標準)から控除される(連結法人税個別帰属額に加算しない。旧地方税法附則8③④、旧地法23①四の三、292①四の三)。	連結親法人が中小連結親法人に該当する場合、法人税における特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額は、調整前個別帰属法人税額(住民税の課税標準)から控除される(連結法人税個別帰属額に加算しない。地方税法附則8③④、地法23①四の三、292①四の三)。

連結納税における特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額の計算方法は、次のとおりとなる。

A 改正前(旧措法68の9⑬二・五、旧措令39の39㉒五)

[特別試験研究費に係る税額控除額(一号)の個別帰属額の計算方法]
特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額(一号)	=	一号に係る連結税額控除額	×	当該連結法人の「一号で定める試験研究」に係る特別試験研究費の額(注1) 				各連結法人の分子の額の合計額

(注1) 分子の特別試験研究費の額は、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は中小企業者の試験研究費に係る税額控除制度の適用対象としたものを含む。

[特別試験研究費に係る税額控除額(二号)の個別帰属額の計算方法]
特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額(二号)	=	二号に係る連結税額控除額	×	当該連結法人の特別試験研究費の額(注2)から当該連結法人の「一号で定める試験研究」に係る特別試験研究費の額(注2)を控除した金額 				各連結法人の分子の額の合計額

(注2) 分子の特別試験研究費の額は、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は中小企業者の試験研究費に係る税額控除制度の適用対象としたものを含む。

B 改正後(措法68の9⑬二・五、措令39の39㉗八)

[特別試験研究費に係る税額控除額(一号)の個別帰属額の計算方法]
特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額(一号)	=	一号に係る連結税額控除額	×	当該連結法人の「一号で定める試験研究」に係る特別試験研究費の額(注1) 				各連結法人の分子の額の合計額

(注1) 分子の特別試験研究費の額は、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は中小企業者の試験研究費に係る税額控除制度の適用対象としたものを含む。

[特別試験研究費に係る税額控除額(二号)の個別帰属額の計算方法]
特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額(二号)	=	二号に係る連結税額控除額	×	当該連結法人の「二号で定める試験研究」に係る特別試験研究費の額(注2) 				各連結法人の分子の額の合計額

(注2) 分子の特別試験研究費の額は、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は中小企業者の試験研究費に係る税額控除制度の適用対象としたものを含む。

[特別試験研究費に係る税額控除額(三号)の個別帰属額の計算方法]
特別試験研究費に係る税額控除額の個別帰属額(三号)	=	三号に係る連結税額控除額	×	当該連結法人の特別試験研究費の額(注3)から当該連結法人の「一号で定める試験研究」及び「二号で定める試験研究」に係る特別試験研究費の額(注3)を控除した金額 				各連結法人の分子の額の合計額

(注3) 分子の特別試験研究費の額は、試験研究費の総額に係る税額控除制度又は中小企業者の試験研究費に係る税額控除制度の適用対象としたものを含む。

 

〔凡例〕
法法・・・法人税法
法令・・・法人税法施行令
地方法法・・・地方法人税法
地法・・・地方税法
措法・・・租税特別措置法
措令・・・租税特別措置法施行令
平成31年所法等改正法・・・所得税法等の一部を改正する法律(平成31年法律第6号)
(例)法法57⑪三・・・法人税法57条11項3号

(了)

この連載の公開日程は、下記の連載目次をご覧ください。

連載目次

税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 

▷平成31年度税制改正(全8回)

▷平成30年度税制改正(全9回)

▷平成29年度税制改正(全9回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

はじめに

[1] 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

1 改正内容

2 『自己創設営業権』の評価問題が解消!

3 連結納税開始日・加入日が平成29年10月1日の場合は旧税制が適用に!

4 どうせ時価課税されるなら、合併で時価譲渡になる方がいいのか、スクイーズアウトで時価評価される方がいいのか?(時価課税の有利・不利)

【第2回】 スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

[2] スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

1 改正内容

2 連結納税の不利益を受けずに少数株主排除が可能に!

3 連結納税開始日が平成29年10月1日以後であっても、株式交換等が平成29年9月30日以前に行われた場合は旧税制が適用される!

4 全部取得条項付種類株式方式又は株式併合方式により連結納税に加入した場合、「完全支配関係を有することとなった日」はいつになるのか?

【第3回】 研究開発税制の見直し

[3] 研究開発税制の見直し

【第4回】 所得拡大促進税制の見直し他

[4] 所得拡大促進税制の見直し

[5] 役員給与等の見直し

[6] 地域未来投資促進税制の創設

【第5回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その1)

[7] 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充

1 中小企業経営強化税制の創設

【第6回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その2)

2 中小企業投資促進税制の見直しと適用期限の延長

3 商業・サービス業活性化税制の適用期限の延長

【第7回】 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限、災害特例措置

[8] 震災・災害に関する税制措置の整備

[9] 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限

【第8回】 連結法人の申告期限の延長の見直し

[10] 連結法人の申告期限の延長の見直し

1 法人税の申告期限の延長について

2 事業税の申告期限の延長について

【第9回】 地方税率の改正時期の変更他

[11] 地方税率の改正時期の変更

[12] 組織再編税制に係る改正

[13] タックス・ヘイブン税制の総合的見直し

▷平成28年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率等の改正

~はじめに~

[1] 連結法人税、連結地方法人税、住民税、事業税の税率の改正

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し

[2] 連結欠損金の繰越控除制度の見直し

[3] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[4] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第3回】 減価償却制度の見直し

[5] 減価償却制度の見直し

【第4回】 役員給与の見直し

[6] 役員給与の見直し

【第5回】 雇用促進税制の見直し

[7] 雇用促進税制の見直し

【第6回】 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

[8] 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

【第7回】 組織再編関連税制の見直し

[9] 適格現物出資の見直し

[10] 組織再編税制の見直し

【第8回】 移転価格文書化制度(その1)

[11] 移転価格文書化制度

1 多国籍企業グループの移転価格文書化制度

(1) 国別報告書

【第9回】 移転価格文書化制度(その2)

(2) マスターファイル(事業概況報告事項)

【第10回】 移転価格文書化制度(その3)

(3) ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)

2 国外事業所等との内部取引に係る移転価格文書化制度

【第11回】 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

[12] 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

【第12回】 その他国際税務の改正・固定資産税の特例措置

[13] 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)の見直し

[14] 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

[15] 機械装置の固定資産税の特例措置の創設

▷平成27年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率の引下げ

~はじめに~

[1] 連結法人税率の引下げ

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その1)

[2] 連結欠損金の控除限度額の段階的引下げ

(1) 連結欠損金の控除限度額の段階的引き下げ

(2) 連結所得金額の100%を控除限度額とする特例

① 中小法人等

② 経営再建中の法人

【第3回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その2)

③ 新設法人

【第4回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その3)

[3] 連結欠損金の繰越期間の延長

[4] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[5] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第5回】 受取配当等の益金不算入制度の見直し

[6] 連結納税適用法人に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し

【第6回】 研究開発税制の見直し

[7] 連結納税適用法人に係る研究開発税制の見直し

【第7回】 地方拠点強化税制の創設(その1)

[8] 連結納税適用法人に係る地方拠点強化税制の創設

(1) 改正の概要

(2) 地方拠点建物等の取得費の特例措置

【第8回】 地方拠点強化税制の創設(その2)

(3) 雇用促進税制の拡充

【第9回】 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

[9] 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

【第10回】 所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し

[10] 連結納税適用法人に係る所得拡大促進税制の見直し

[11] その他の租税特別措置法上の見直し

【第11回】 事業税の改正

[12] 連結納税適用法人に係る事業税の改正

【第12回】 国際税務の改正

[13] 連結納税適用法人に係る国際税務の改正

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