組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第39回】
平成18年度税制改正前は、退職給付引当金を含む負債性引当金の取扱いが明確ではなかった(※1)。さらに、平成18年度から企業結合会計、事業分離等会計が導入された結果、会計上、「営業権」と「のれん」の概念が明確に区別され、貸借対照表における表示のほとんどは「のれん」に改められた。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第26回】「別表6(26) 復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除、企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除又は避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」
この別表は、法人が「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」(以下「震災特例法」という)第17条の3第1項(復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除)、第17条の3の2第1項(企業立地促進区域において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除)又は第17条の3の3第1項(避難解除区域等において避難対象雇用者等を雇用した場合の法人税額の特別控除)の規定の適用を受ける場合に作成する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例62(法人税)】 「法人成り初年度に「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(所得拡大促進税制)の適用が受けられたにもかかわらず、これを適用せずに申告してしまった事例」
法人成り初年度である平成29年3月期の法人税につき「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(所得拡大促進税制)の適用が受けられたにもかかわらず、設立初年度は、基準事業年度、比較事業年度(=前事業年度)共に存在しないことから、上記特別控除は適用できないものと思い込み、これを適用せずに申告してしまった。
これにより、法人税等につき過大納付税額が発生し、賠償請求を受けたものである。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第38回】
このように、繰越欠損金や資産の含み損を有する法人を買収し、これらの繰越欠損金や資産の含み損を利用して、法人税の課税所得を圧縮する行為を防ぐために設けられた規定であるということが言える。
ここで重要となるのは適用事由の範囲であり、法人税法57条の2第1項では、以下のものが適用事由に該当するものとされている。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第48回】「交際費等(会議費)」~会議費として計上している支出が交際費等に該当すると判断した理由は?~
今回は、テレビ・ラジオ番組等の企画・制作等を行う青色申告法人X社に対して、「会議費として計上している支出は交際費等に該当すること」を理由とする法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた東京地裁平成16年5月14日判決(税資254号順号9648。以下「本判決」という)を素材とする。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第37回】
平成18年度税制改正により、株式交換・移転を行った場合には、合併を行った場合と同様の取扱いをすることになった。すなわち、非適格株式交換・移転に該当した場合には、完全子法人の保有する資産に対して時価評価を行うことが必要になった。なお、合併と異なり、資産及び負債を移転するわけではないため、保有している資産の時価評価という整理になっている(※1)。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第36回】
平成17年改正前商法では、物的分割と人的分割に分かれていたが、平成18年に施行された会社法では、人的分割が物的分割+現物配当として整理されることになった。その結果、平成18年改正前法人税法における分割型分割と会社法における人的分割の内容が一致することになった。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第47回】「交際費等(外注費)」~英文添削料の差額負担額が交際費等に該当すると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して、「英文添削料の差額負担額が交際費に該当すること」を理由とする法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた東京地裁平成14年9月13日判決(税資252号順号9189。以下「本判決」という)を素材とする。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第46回】「会計における収益認識基準と税務」
企業会計原則は、「売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る」と規定しています。このような実現主義の原則(以下「実現原則」という)の下では、財・サービスの引渡しとその対価としての貨幣性資産の受入れがあった時に収益が実現すると考えられます。実現原則が収益認識基準として採用されるのは、収益の認識の確実性と測定の客観性を確保するとともに、資金的な裏付けのある利益を計算するためといわれています。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第25回】「別表14(3) 譲渡制限付株式に関する明細書」
この別表は、個人に法人税法第54条第1項(譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例)に規定する特定譲渡制限付株式が交付されている場合に、同項の役務の提供を受ける法人が記載する。
本制度は、いわゆるリストリクテッド・ストックと呼ばれているものであり、平成28年度税制改正により、特定譲渡制限付株式が交付された場合の法人税法上の規定が設けられ、さらに平成28年6月に経済産業省より公表された『「攻めの経営」を促す役員報酬~新たな株式報酬(いわゆる「リストリクテッド・ストック」)の導入等の手引き~』により、特定譲渡制限付株式報酬の導入に関する実務的な環境整備がなされた。
