理由付記の不備をめぐる事例研究 【第40回】「寄附金(貸倒損失・債権放棄)」~債権放棄に基づく関係会社支援損が寄附金に該当すると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「債権放棄に基づく関係会社支援損が寄附金に該当すること」を理由とする法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた国税不服審判所平成18年9月22日裁決(非公開裁決。以下「本裁決」という)を素材とする。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第21回】
『平成13年版改正税法のすべて』172-173頁(大蔵財務協会、平成13年)では、減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法の改正内容として、(イ)期中損金経理額の損金算入、(ロ)損金経理をした金額、(ハ)取得価額、(ニ)取得日、(ホ)増加償却、(へ)中古耐用年数について記載されている。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第20回】
まず、『平成13年版改正税法のすべて』では、個別項目の最初として、みなし事業年度について記載されている。平成13年当時では、合併又は分割型分割を行った場合には、その前日まででみなし事業年度を区切ることとされていた(法法14二・三)。
理由付記の不備をめぐる事例研究 【第39回】「寄附金(貸倒損失・債権放棄)」~書面による債権放棄の通告が寄附金に該当すると判断した理由は?~
今回は、青色申告法人X社に対して行われた「債権放棄が寄附金に該当すること」を理由とする法人税更正処分の理由付記の十分性が争われた名古屋地裁平成8年3月22日判決(税資215号960頁。以下「本判決」という)を素材とする。
組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨 【第19回】
平成17年改正前商法では、現行会社法と異なり、①株式消却を伴う有償減資、②株式消却を伴わない有償減資、③株式消却を伴う無償減資、④株式消却を伴わない無償減資に分かれていた。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例57(法人税)】 「「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」の適用にあたり、添付すべき計算明細書において「雇用者給与等支給増加額」を誤記載したため、過大納付税額が発生した事例」
平成28年3月期の法人税の申告において、「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」を適用して申告したが、適用に当たり添付すべき「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」の「基準雇用者給与等支給額」欄に、平成25年3月期の給与支給額を記載すべきところ、誤って、平成26年3月期の給与支給額を記載して計算してしまった。
これにより、「雇用者給与等支給増加額」が過少となり、結果として納付税額が過大になったとして賠償請求を受けたものである。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第22回】「別表13(1) 国庫補助金等、工事負担金及び賦課金で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」
この別表は、異なる3つの明細書が1つになっており、それぞれ「Ⅰ 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」、「Ⅱ 工事負担金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入に関する明細書」、「Ⅲ 非出資組合が賦課金で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入に関する明細書」に分かれている。
今回は、特にこの中から「Ⅰ 国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額等の損金算入に関する明細書」の部分のみを採り上げる。
本制度は、いわゆる圧縮記帳と呼ばれるものである。特に法人税法上の圧縮記帳制度には次のものがある。
日本の企業税制 【第50回】「新経済政策パッケージから平成30年度税制改正へ」
12月14日、平成30年度与党税制改正大綱が取りまとめられた。
今回の改正では、所得税改革、事業承継、3年に1回の土地の評価替えに伴う商業地等の負担調整措置、森林吸収源対策に係る地方財源の確保(いわゆる森林環境税)、観光財源の確保(いわゆる出国税)、たばこ税、地方消費税の清算基準、などが主要課題となった。
とりわけ、法人税における賃上げ・設備投資促進等に係る税制措置は、12月8日に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」を具体化するものとして注目される。
〔平成30年度税制改正大綱からみた〕組織再編税制・M&A税制の改正内容と留意点
平成29年12月14日に与党税制改正大綱が公表された。その概要は以下の通りである。
(1) 産業競争力強化法の改正を前提とした株式譲渡損益の計上の繰延べ
(2) 税制適格要件の見直し
(3) 中小企業等経営強化法の改正を前提とした登録免許税、不動産取得税の軽減
これらの詳細な内容は、改正法人税法施行令を確認しないと分からないが、本稿では、与党税制改正大綱から読み取れる実務上の留意事項について解説を行う。
