改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第1回】「改正された金融検査マニュアル等の特徴とその効果」
金融庁は、「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」(以下、「金融円滑化法」という)の失効に伴い、金融検査マニュアル及び監督指針(以下、「金融検査マニュアル等」という)の改正を行った。
それに先立ち、昨年の11月に大臣談話として、期限到来後も金融機関や金融庁の方針は何ら変わらないとし、金融検査マニュアル等で措置されている、中小企業向け融資に当たり貸付条件の変更を行っても不良債権とならないための要件は恒久措置であるなどと公表していた。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第1回】「経営者の視点で経理財務部門の課題を考える」 ~経理財務分野で解決されるべき課題~
読者の顧問先では、ライバル会社に比べて、経理財務部門の業務改善が進んでいるだろうか。
経営者は会社が持続的に成長することを目指しているため、成果の見えやすい商品開発部門や営業部門には日頃から注視している。しかし、経理財務部門となると、会社財産の管理や予決算など、非常に重要な業務を担っているにもかかわらず、その成果が見えにくい。
そのため、高度成長期には、経理財務部門はその組織のあり方について十分な検討が尽くされないまま肥大化してきた聖域となっていた。
1970年代に右肩上がりの経済成長が終焉を迎え、1980年代には資産バブル崩壊によるバランスシートの劣化が深刻化すると、経営者の意識はようやく改まった。1990年代の平成不況から2000年の金融ビッグバン以降の“失われた20年”の間に、構造改革という名の下、米国型の経営方式を取り入れた多くの会社で、経理財務部門の変革が急速に進展した。
例えば、経理財務部門の担い手を正社員から派遣社員に変える派遣化、経理財務業務を行う専門会社を作るシェアードサービス、外部の経理財務サービスを提供する会社に委託するアウトソースなど、日頃から顧問先と接している読者ならばいくらでも思いつくだろう。
しかしながら、そうして矢継ぎ早に進めてきた経理財務部門の変革が本当に成果をもたらしたのか。客観的な根拠をもって検証し実感できている経営者がどのくらいいるだろうか。
NPO法人 “AtoZ” 【第10回】「認定NPO法人②」~認定基準について~
1 認定NPO法人の認定基準
今回は、初めて認定を受けようとする場合の基準について解説する。
認定NPO法人となるには、以下の9つの基準を満たし、所轄庁の認定を受けなければならない(NPO法45①一~九)。
(1) パブリックサポートテスト
パブリックサポートテスト(以下「PSTという)とは、NPO法人が広く市民からの支援を受けているかどうかを判断する基準で、これを満たすには、次のいずれかの基準に適合することが必要である。
〔時系列でみる〕出産・子を養育する社員への対応と運営のヒント 【第5回】「産後8週間経過後の対応(2)」―短時間勤務、時間外労働・深夜業の制限―
長期休業をしていた従業員は、「能力や技術を維持できているだろうか」「社内体制や環境の変化に対応していけるだろうか」など、職場復帰にあたり不安や悩みを抱えることも多いと思われる。
このようなことから、職場復帰をスムーズにし、仕事と家庭の両立をしやすくするためにも、会社が積極的に職場復帰を支援する制度を構築、運用していくことは重要といえる。
残業代の適正な計算方法 【第5回】 「残業代の支払方法」
第1回から第4回の内容に基づいて残業代が正しく計算されても、支払方法に問題があれば、未払賃金問題としてトラブルになる可能性がある。
そこで連載最終回となる今回は、残業代の正しい支払方法について解説する。
〔知っておきたいプロの視点〕病院・医院の経営改善─ポイントはここだ!─ 【第9回】「緩和ケア病棟の魅力」
がん対策基本法が制定されるなど、がん医療は今日の医療政策の重点課題であり、今後さらに重要な領域となることが予想される。
かつてはがん医療といえば手術を想起させることが多かったが、今日は集学的治療がその中心である。また、価値観の多様化により、緩和ケアはがん医療にとって不可欠な領域であり、ホスピスによるケアを希望する患者も少なくない。
このような状況で、緩和ケア病棟は地域差が大きく人口当たり病床数及び病院数の最大と最小の都道府県には、それぞれ8.3倍と12倍の差がある(図表1)。
NPO法人 “AtoZ” 【第9回】「認定NPO法人①」~優遇措置について~
認定NPO法人制度とは、NPO法人に対する税制上の優遇措置であり、会費、寄附金等で運営されるNPO法人を支援するために設けられた。
これは、NPO法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であって、公益の増進に資するものは所轄庁の認定を受けることにより、認定NPO法人となることができる制度である(NPO法44①)。
平成23年6月から、認定NPO法人となる要件であるパブリックサポートテスト(以下「PST」という)に新たな要件が追加された。
さらに平成24年の法改正により、所轄庁が国税庁から都道府県(一の指定都市内にのみ所在する場合はその指定都市)となり、PST以外の要件をすべて満たしている法人に対して、3年以内にPSTを満たし、認定NPO法人に移行することを目標に仮認定制度が設けられた。
この改正により、認定NPO法人制度に対する関心も高まり、新たな制度により認定NPO法人が増加することが期待されている。
残業代の適正な計算方法 【第4回】「残業単価の考え方」
残業単価(残業1時間当たりの時間外割増単価)は、「時間単価×割増率」で算出されるが、まずは時間単価を算出する際に、何を算定基礎賃金に含めるかを正しく理解する必要がある。
この算定基礎賃金については労働基準法による規制があり、使用者の裁量で残業単価を決定することはできない。
具体的には、算定基礎賃金から除外できるのは、以下の賃金だけである。
〔時系列でみる〕出産・子を養育する社員への対応と運営のヒント 【第4回】「産後8週間経過後の対応(1)」―育児休業・保険給付―
今回は、子が生まれた後の育児休業や休業中の保険給付について触れる。
現在の育児休業の動向について見てみると、男女共に取得率は上昇しているが、男性については過去最高を記録したものの依然として低い状況が続いている。
当連載の第1回冒頭に触れた通り、今後の人材確保や優秀な人材活用のための経営戦略の一環として、仕事と家庭の両立支援策に取り組んでいきたい。