〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第24回】「再転相続と相続放棄の熟慮期間」
私の父は、令和3年5月31日に亡くなりました。父の法定相続人は子である私だけであり、相続手続を終えたところ、令和3年12月1日、伯父(父の兄)の債権者だったという方から私宛に5,000万円もの支払を求める訴状が届きました。訴状によると、伯父の妻及び子が全員相続放棄をしており、父が伯父の相続人となっていたため、父からの相続により私が伯父の相続人たる地位を承継したとのことです。
対面が難しい時代の相続実務 【第8回】「想定される場面(その6)」-生前の財産管理や見守り契約における対応-
今回は、判断能力にはまだ問題がない所有者の財産を管理する場合等におけるオンライン対応につき取り上げる。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例65】テラ株式会社「過年度の適時開示の訂正等に関するお知らせ」(2021.9.28)
今回取り上げる開示は、テラ株式会社(以下「テラ」という)が2021年9月28日に開示した「過年度の適時開示の訂正等に関するお知らせ」である。「適時開示の訂正」とあるが、「2020年4月から2021年3月までの1年間の期間において当社が行った適時開示60件を確認した結果、合計24件の適時開示資料においてその一部またはその全部に事実と異なる内容またはそのおそれがある内容が記載されていたことが判明」したというのである。1年間に行われた適時開示のうち半分近くが正しくなかったという酷い内容なのだが、なぜそうしたことが起きたのだろうか。
社長のためのメンタルヘルス 【第7回】「社長にも相談相手が必要」
本連載においては先月の第6回まで、厚生労働省や医学会の資料を用いて、客観的・総論的な解説を行った。今後の連載では、メンタル不調の予防や解決のための具体策や事例を挙げ、日常生活に資する内容とする方針である。今回の前半は、社長にも多くの相談相手が必要であることに言及し、後半は外部の相談窓口の紹介に充てる。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第23回】「収益還元法を適用する際の賃料の捉え方の相違」~「自用の建物及びその敷地」と「貸家及びその敷地」~
鑑定評価において、土地及び建物を一体として評価する場合、
(ア) 対象となる土地建物をすぐに使用できる状態を前提とするのか
(イ) 土地建物が他人に賃貸されており、その状態を前提とするのか
によって、その考え方や適用する手法は異なってきます。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第20回】「LGBTに対するハラスメント及びLGBTの髪型や服装に対する制約にかかる法的問題点」
当社の社員Aが、「自分の生物学的性別は男性だが、性自認は女性だから、明日から女性の服装・化粧をして勤務します」と宣言し、化粧をしてスカートやハイヒールをはいて就業するようになりました。他の社員から「男のくせに化粧するなんて気持ち悪い。不快だから止めさせてほしい」等の苦情が出ていますし、そのような社員Aの姿を取引先や顧客に見られたら、当社の信用が損なわれて当社の業績に影響するのではないかと心配しています。
社員Aに化粧や女性の服装をするのを止めるよう説得したり、命令したりしても問題ないでしょうか。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第23回】「遺留分侵害額請求権と事業承継」
2018年の民法改正で相続法が改正され、それまでの「遺留分減殺請求権」が「遺留分侵害額請求権」へと変わりました。制度としてどのような違いがあるのでしょうか。また、事業承継を促進することが期待されるとのことですが、具体的にどのような影響が考えられるのでしょうか。
対面が難しい時代の相続実務 【第7回】「想定される場面(その5)」-遺言書作成における対応-
普段よりお付き合いのある会社経営者から、遺言書作成の相談を受けました。
その方からは、どのような財産をお持ちであるのか、ご親族の家族構成はどのようなものか、誰に・何の財産を相続させるお考えであるのか、経営している会社の株式や事業用財産はどうするのか等のさまざまな事項につき意向聴取を続けているところです。
税理士事務所の労務管理Q&A 【第4回】「健康診断の実施義務」
常時労働者を雇用している事業所の事業主(労働安全衛生法では事業者という)には、健康診断の実施が義務付けられています。規模・業種を問いませんので、税理士事務所等の士業についても例外ではありません。
健康診断には、特殊な業務に従事する労働者に対する健康診断もありますが、今回は、雇い入れ時の健康診断と定期健康診断について、対象労働者、事後の措置、留意点等を解説します。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第20回】「公務員との会食と経営トップの問題意識」
TS社は1986年に衛星放送事業を開始し、以後その業容を拡大してきた。2002年にJASDAQスタンダード市場に上場し、衛星放送業界全体の発展にも尽力してきた。
ところが、2021年2月4日発売の週刊誌で、TS社の役職員が総務省職員との間で国家公務員倫理規程違反となる会食をしていたとの報道がなされた。TS社と総務省に疑惑の目が向けられ、国会で連日質問がなされることとなった。さらにTS社が放送法の定める外資規制に抵触したままBS4K放送(左旋)の認定を受けたという問題も発覚した。