税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第28回】「道路の状況1つで土地価格も変化する(その2)」~建築基準法の要件を満たす道路とは~
前回、建築基準法によれば、都市計画区域及び準都市計画区域内の建築物の敷地は、道路(ただし、自動車専用道路を除きます)に2m以上接していなければならないことを述べました。また、建築基準法では道路の定義を厳格に捉え、幅員が4m以上で一定の要件に当てはまる道でなければ、いくら道の形態をなしていても道路とは呼ばないことも併せて述べました。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第25回】「中小企業のパワハラ防止措置の義務化に関連する留意点及びチェックポイント」
4月から、中小企業に対しても、パワハラ防止のための雇用管理上の措置義務が課されることになりました。中小企業である当社においても体制整備等を行ったつもりですが、法の要請に沿っているのか不安があります。中小企業において気をつけるべき点とあわせて最終チェックの際のチェックポイントを教えていただけますでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例37】「ライフラインの設備の設置・使用に関する民法改正」
自宅の土地は公道と接しておらず、公道の地下に埋設されている給水管に接続することができなかったため、以前から隣地の空き地部分に給水用配管を設置してきました。給水用配管も老朽化してきたこともあり、令和5年4月以降に取替工事を行うことを検討しています。
隣地は空き家となっており、隣家の方の連絡先や行方も分かりません。このような場合に、どのようにして給水用配管の取替工事を行えばよいでしょうか。
《インボイス制度下に独禁法・下請法違反とならないための》免税事業者との取引における実務対応
インボイス制度の実施後、仕入税額控除を行うためには、仕入先事業者から適格請求書(以下「インボイス」という)の交付を受け、これを保存する必要があるとされる。そして、インボイスは課税事業者でなければ発行できないため、仕入先が免税事業者である場合にはインボイスの交付を受けることができず、結果として、当該仕入先からの仕入れについて仕入税額控除ができないこととなる。
そのため、企業においては、免税事業者からの仕入について消費税額の負担が増えないよう対応策を検討しているところであろう。
しかしながら、その対応の仕方によっては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という)が禁止する優越的地位の濫用に該当したり、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という)に違反することが懸念される。
2022年株主総会における実務対応のポイント
コロナ禍での株主総会シーズンも3年目を迎えることになり、総会自体は概ね安定的に運営されている模様である。その間、昨年3月より令和元年の改正会社法が施行され、6月には改訂コーポレートガバナンス・コードが適用開始となるなど、制度改正が相次いでいる。本年においても株主総会資料の電子提供制度などの制度改正対応を含めコロナ禍での株主との対話を志向する総会運営を実施していくこととなる。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第21回】「電機メーカーでの品質不正-その原因は何か」
M電機では、2016年、2017年、2018年と3度にわたり、グループ全体を対象に品質不正の発見に向けた点検を実施してきた。それにもかかわらず、その間もその後も数多くの品質不正が次々と発覚し続けた。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例69】エバラ食品工業株式会社「新市場区分における『スタンダード市場』の選択申請に関するお知らせ」(2021.12.13)
今回取り上げる開示は、エバラ食品工業株式会社(以下「エバラ食品工業」という)が2021年12月13日に開示した「新市場区分における『スタンダード市場』の選択申請に関するお知らせ」である。
いよいよ東京証券取引所(以下「東証」という)の市場区分が2022年4月4日にプライム市場・スタンダード市場・グロース市場という新市場区分へ移行する。そのうちプライム市場とスタンダード市場の上場維持基準は以下の表のとおりである(2022年4月4日に施行される改正後の東証・有価証券上場規程501条。同規程601条1項1号により「改善期間」内に改善されなかった場合が上場廃止基準に。「流通株式数」の計算方法は、2022年4月4日に施行される改正後の東証・有価証券上場規程施行規則8条参照)。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第27回】「道路の状況1つで土地価格も変化する」~容積率の多少が土地価格に与える影響~
道路は、日常、多くの人々によって無意識のうちに利用されていますが、不動産(特に土地)の価格との関係を捉えようとする場合、建築基準法の視点からものを見る目が非常に重要となってきます。すなわち、単に「道路」と呼んでいても、それが建築基準法上では道路として扱われていないこともあり、このような道に接する敷地には建築物が建築できないからです。その分、土地の価格は安くなってしまいます。