M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編- 【第8回】「M&Aのストラクチャー及び特徴的な契約条件の留意点」
本稿では、買主側と弁護士が適切な情報共有を図るための前提となるM&Aの主たるストラクチャーや特徴的な契約条件を紹介するとともに、筆者の経験等からその留意点を簡潔に説明することとしたい。
中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第8回】「共済制度の利用と効果」
前回まで2回にわたり生命保険を使った対策について解説を行ったが、今回は生命保険に類似する制度として、共済制度について確認していきたい。共済制度も生命保険同様、中小企業経営者の老後資金計画に密接な制度であり、生命保険との違い等にも着目しながら解説する。
税務争訟に必要な法曹マインドと裁判の常識 【第1回】「なぜ税理士は税務争訟に違和感を抱くのか」
税理士等の会計専門家(この連載においては、わかりやすさの観点から敢えて税理士と呼ばせていただく)と税務訴訟の判決内容等について意見交換をさせていただくと、時に税務争訟(課税処分を争うための再調査請求、審査請求又は税務訴訟)に関与する弁護士や訟務検事(税務訴訟において国を代理する法務局等の職員。その多くは検察官又は裁判官の出向者である)の戦い方、さらには判決における裁判官の判断について、「本来主張すべき事項が十分に主張されていない」又は「当該事案以外の実務への影響等が十分に考慮されていない」などのお叱りを受ける場合がある。
〔“もしも”のために知っておく〕中小企業の情報管理と法的責任 【第9回】「情報セキュリティはどの程度まで行う義務があるのか」
-Question-
情報セキュリティについて様々な文書が公表されていますが、会社としては、いったいどの程度まで対策を行う必要があるのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例9】「空き家の相続登記に関する問題」
高齢の父親が生前に居住していた実家は、現在、空き家となっています。父親の共同相続人である私を含む5人の兄妹間では、実家の遺産分割協議は行われておらず、父親の登記名義のままにして実家を物置として利用しています。
このような状態には、現在又は将来においてどのような法的問題がありますか(なお、本事例においては、相続税の問題は生じないものとする)。
相続(民法等)をめぐる注目判例紹介 【第2回】「共同相続人間における相続分の無償譲渡」-最高裁平成30年10月19日判決-
最高裁平成30年10月19日判決(以下、「本件判決」という)は、下記相続関係図(実際の事案では4人の子がいたようだが、簡略化するためXYの2人とした)の場合に、下記①~⑤の事情があったという事案である。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第13回】「アメフト部タックル事件と大学へのガバナンス」
2018年5月6日、大学アメリカンフットボール部(以下、アメフト部)の試合で、N大学の部員A選手が危険な反則タックルを行い、相手大学の部員を負傷させた事件(以下、本件)が発生した。本件は、U監督が部員に反則タックルを指示したのではないか、ということで大変な社会問題となった。
5月31日、N大学は第三者委員会を設置して、事実関係と原因究明に着手した。6月29日には第三者委員会の中間報告書が公表され、同年7月30日、第三者委員会の最終報告書(以下、第三者報告書)が公表された。
M&Aに必要なデューデリジェンスの基本と実務-法務編- 【第7回】「許認可・法規制の調査」
法務デューデリジェンスでは、対象会社において事業実施に関連する許認可違反や法規制違反がないか、M&A実行後に許認可や法規制との関係で必要な手続はどのようなものかを確認する必要がある。
一般論として、許認可・法規制に関する法務デューデリジェンスはイメージがつかみにくいのではないかと思われるので、本稿では、その調査手続と調査のポイントを解説する。
中小企業経営者の[老後資金]を構築するポイント 【第7回】「生命保険を使った応用的な資産対策」
保険に関する節税プランは、生命保険会社が税法・通達を研究した上で新しい商品を発売し、国税側が行き過ぎた節税商品を封じ込めるといったイタチごっこのような状況が続いている。今回はその一例として、「低解約返戻金型逓増定期保険 名義変更プラン」と「逆養老保険 逆ハーフタックス」を取り上げたい。
なお、中小企業経営者の老後資金構築を目的とした上で、保険は提案すべき有用な手段であることには間違いないが、「契約時(入口)の課税関係」と「将来の出口における課税関係」とが変わっている可能性もあるため、コンサルティングを行う立場としては、各保険商品の内容や抱えるリスクを理解し見極めながら提案する必要がある。
