税理士業務に必要な『農地』の知識 【第1回】「農業に関する将来の方向性」
行政においても農地の集約化を後押しする施策がメインになっている。それに伴い税制面においても、農地集約のための売買に関しては譲渡所得の特例措置などを設け、集約化を側面から後押ししている。これら農地の集約化のための税制面の特例については、次回以降、具体的に説明していくことにする。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題 【第2回】「“認知症”とはどのような病気なのか?」-押さえておきたい基礎知識-
この記事を読まれている方ならば、”認知症”と聞いたとき、漠然とではあるがすぐに何らかのイメージが浮かぶであろう。もしかすれば、身近に認知症のご親族がいらっしゃり、ご苦労されている方もあるかもしれない。
認知症という言葉自体は馴染みがあっても、認知症という病気について大まかな医学的知識を学ぶ機会は、意外に少ないと思われる。
今回は、認知症に関連する様々な法的問題を取り上げる前提として、まずこの“認知症”というものはいかなるものであるのか、最低限の把握しておきたい医学的知識を確認したい。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題 【第1回】「序論」-“認知症”がもたらす諸問題の急増-
たとえば、税理士に対して普段寄せられる相談を見ても、高齢者に万一のことがあった場合に備えた相続税のシミュレーションや節税対策、そして遺言書作成等の相談のほか、自らに認知症の自覚症状がある、または既に親族に認知症となっている者からの相談も増加する傾向にある。
商業登記申請時の株主リスト添付義務化について 【追補】「法務省の書式例公開を受けて」
平成28年7月21日、法務省より、平成28年10月1日以降に株式会社等が商業登記の申請を行う場合に新たな添付書面となる「株主リスト」の書式例等が公表された。
本改正については、7月に本誌掲載の下記拙稿で解説したところだが、法務省から公表された内容をふまえて、さらに留意すべき事項を整理していく。
商業登記申請時の株主リスト添付義務化について 【第2回】「株主名簿整備の方法と会社のリスクマネジメント」
前回は株主リストの登記添付書面の義務化の内容と、株主リスト作成にあたり株主名簿整備の必要性について確認した。
今回は、株主名簿整備の方法と、会社のリスクマネジメントについて記述していく。
〔誤解しやすい〕各種法人の法制度と税務・会計上の留意点 【第9回】「マンション管理組合」
管理組合法人は、「建物の区分所有等に関する法律」(以下、「区分所有法」という)の規定に基づき設立された、区分所有者全員による建物の管理を行うことを目的とした社団法人である。
区分建物(分譲マンション)が完成すると、法律上、当然にその区分建物を管理するための管理組合が成立する。そしてすべての区分所有者は、各自の所有する専有部分の属する1棟の建物を単位とする管理組合の構成員となる(区分所有法3条)。管理組合は、区分所有者の共有の財産である敷地、建物の共用部分等の維持管理を主な目的とする団体である。
〔誤解しやすい〕各種法人の法制度と税務・会計上の留意点 【第8回】「医療法人(後編)」
持分なしの社団医療法人の場合に限り、定款で定めることで、基金を設置できる。この基金は、法人の財政的基盤を支えるものとの位置づけであり、利息を付されず、返済期限を定めない劣後債務として、会計上は、純資産の部に表示されることになる。
ただし、税務上は、あくまでも債務として扱われるため、法人税法における資本金あるいは資本金等の額についての規定の適用は行われないことになる。詳細は、下記の文書照会回答を確認されたい。
商業登記申請時の株主リスト添付義務化について 【第1回】「改正内容と登記実務への影響」
平成28年4月20日「商業登記規則等の一部を改正する省令」(平成28年法務省令第32号)が公布された。これにより、登記すべき事項で株主総会の決議を要する場合、登記申請の際に、株主総会議事録に加え、主要株主のリスト(以下、「株主リスト」という)を法務局に提出することが義務づけられる。
〔誤解しやすい〕各種法人の法制度と税務・会計上の留意点 【第7回】「医療法人(前編)」
医療法人とは、医療法の規定に基づき設立された病院、診療所または介護老人保険施設の所有・運営を目的とする法人である。
医療法人は、その行う事業の公共性から、社員に対する剰余金の配当を目的としない非営利法人とされ、継続性・安定性も強く要求されており、設立、定款変更や解散等の重要事項にあたっては所轄庁(原則として主たる事務所の所在する都道府県知事)の認可が必要とされる(医療法44条1項・50条1項・55条6項)。
事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第6回】「コーポレートガバナンスと反社会的勢力の排除-中華料理チェーン店における第三者委員会調査報告書の分析」
2013年12月19日早朝、餃子を中心とする中華料理チェーン店を経営するO社の代表取締役社長のT氏が射殺された。その後、捜査は進展しなかったが、事件から約2年後の2015年12月13日、突然に「組関係者浮上」との報道がなされた。
O社は、この報道を受け、O社と反社会的勢力との関係の有無、及びO社のコーポレートガバナンスの評価検証のため、2016年1月5日、外部の専門家で構成する第三者委員会を設置した。