〈検証〉「コーポレート・ガバナンス報告書」からみたCGコード初適用への各社対応状況 【第1回】「東証資料から見たCGコード対応の傾向」
平成27年6月1日にコーポレートガバナンス・コードが東証の有価証券上場規程別添として適用され、同年12月末までにすべての3月決算上場会社は、コーポレート・ガバナンス報告書において、コーポレートガバナンス・コードへの対応状況を開示した。
そこで、コーポレートガバナンス・コードに対して、各社がどのような対応を行ったかが明らかになったこの時期、統計資料や個別で会社のコーポレート・ガバナンス報告書の記載を分析し、各社の対応状況を検討したい。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第13回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その5 事業計画書)」~形式面のポイント~
文章部分の形式は、特にルールが定められているわけではなく、自由である。しかし、記載する内容は概ね決まっており、「会社概要」、「事業内容」、「強みやセールスポイント」、「事業スケジュール」等を記載するのが定番である。
企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第7回】「デジタルフォレンジックスの現場」~調査編②~
筆者がデジタルフォレンジックスの研修を受けた際に、報告書の書き方については司法当局出身のアメリカ人教官に非常に厳しく指導されたことを記憶している。デジタルフォレンジックスの報告書の特徴は、「判明した事実のみを記す」ことであり、「~と思う」や「~と考える」などの「意見や見解」などを一切含んではいけないというものである。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例1】株式会社東芝「当社子会社であるウェスチングハウス社に係るのれんの減損について(2015.11.17)」
今回取り上げる適時開示は、株式会社東芝(以下「東芝」という)が平成27年11月17日に開示した「当社子会社であるウェスチングハウス社に係るのれんの減損について」である。
この開示は、東芝の子会社のウェスチングハウス社(以下「WEC」という)グループと東芝の連結ベースの両方における、平成18年度から平成26年度までののれんの減損の計上の有無について説明したものである。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第12回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その4 合計残高試算表)」~月次決算をする~
金融機関に合計残高試算表を提出する場合は、月次決算整理を行い、発生主義に変えてから提出する。その時点での収益と費用が対応するので、金融機関は会社の実態をより適切に把握することができる。また、期中現金主義だと若干の赤字になるところ、発生主義にすることによって黒字に変わる場合もある。赤字よりも黒字の方が印象は良い。この点も発生主義に変える利点である。
企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第6回】「デジタルフォレンジックスの現場」~調査編①~
「文系的アプローチ」と聞くと、完全に理系な調査手法として認識されているであろう「デジタルフォレンジックス」と相反する印象を持つかもしれないが、実際に行われているデジタルフォレンジックス調査には文系的要素も少なからず含まれる。
「文系的アプローチ」とは、その名の通り、コンピュータそのものに関する知識を必要としない調査アプローチである。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第11回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その3 貸借対照表)」~債務超過は避ける~
前回損益計算書のポイントと同様、前期末決算が債務超過の状態であっても、直近現在の状態が良好なのであれば、直近月までの残高試算表を積極的に提出する。最近は売上と利益が出ていることをアピールすれば融資可能性は高まる。売上の証拠として、通帳記録なども見せる。現在の債務返済能力の範囲内で、融資に応じてくれる場合がある。
企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第5回】「デジタルフォレンジックスの現場」~証拠収集編②~
時に、外部の専門家による調査を必要とする不正事案が発生した際、同様の経験の無い企業では情報システム担当を使って証拠となるデータのコピーを始めていることがある。メールサーバもしくはメールのアーカイブシステムからのデータのコピーについては、メールデータの特性上、送信日時などのタイムスタンプがコピー作業によって変わることが無いため、それほど心配する必要がない。
一方で、ファイルサーバや従業員の使用しているコンピュータに保存されているドキュメントデータについては、通常のコピーでは「最終アクセス日時」や「ファイル作成日時」などのタイムスタンプがコピーされた日時に変更されてしまう。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第10回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その2 損益計算書)」~簡潔明瞭が一番~
会社の融資返済能力は、簡易キャッシュフロー(=当期純利益+減価償却費)で判定される。黒字で利益額が大きいほど返済能力は高いと評価され、融資を得やすい。返済は数年に渡って行われるので、安定して利益を獲得する能力が重視される。したがって、多額の特別損益項目が発生している場合、返済能力は当期純利益ではなく、営業利益または経常利益を使って判定される。
現代金融用語の基礎知識 【第25回】「日本版スクーク」
まずスクークとは、利子を生じさせる社債を取り扱うことができないイスラム社会の企業や投資家でも取り扱うことができる、イスラム法(シャリア)に沿った金融商品であるが、実質的には社債と同様の性質を有するものである。
そして、日本版スクークとは、日本企業がイスラム社会の投資家に対して発行するスクークである。