AIで士業は変わるか? 【第1回】「ITイノベーションがもたらす専門職の役割の変化」
飛躍的な進歩を遂げたITの活用により、「印刷を基盤とした産業社会」は「テクノロジーを基盤とした情報社会」へと変貌を遂げつつあり、知識の生産や流通のあり方が大きく変わっています。新しい社会では、知識の門番たる専門家の役割も大きく変わります。まず、仕事はこと細かなタスクに細分化されます。単独で会計から税務まで、また営利企業から非営利組織、個人まであらゆる専門分野をカバーする、“スーパーマンのような会計士”像は、今日ではほぼ考えられなくなりました。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第5話】「重加算税の適用」
「中尾統括官!」
浅田調査官が声をかける。
せわしなく机の書類を整理していた中尾統括官は、顔を上げる。
「・・・なに?」
浅田調査官は、平成28年分の確定申告書を差し出す。
海外勤務の適任者を選ぶ“ヒント” 【第10回】「地元からの期待を正しく理解する」
海外赴任というと、日本企業の場合は特に、『「任期」があって、その間だけをその土地で過ごす』というイメージがついて回ります。実際に、ほとんどの場合は数年を過ごすと一度日本へ帰国する、というパターンになるものと思います。中には日本へ戻らず次の任地へと異動する場合もあるようですが、やはり稀な例だと言えるでしょう。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第4話】「所得控除の見直し」
「どうしたのですか?」
近くにいた浅田調査官が新聞を覗きながら尋ねる。
「これだよ・・・平成30年度税制改正の焦点は、所得税改革・・・」
中尾統括官は、平成30年度税制改正大綱について書かれた新聞の見出しを読む。
「給与所得控除は一律10万円減額と書かれていますが・・・これって、私も対象になるのですか?」
浅田調査官が尋ねる。
海外勤務の適任者を選ぶ“ヒント” 【第9回】「家庭や地域コミュニティを通じた足がかりを作る」
今回は家族を帯同する場合を例に、どのようなポイントがあるのか整理してみたいと思います。モデルケースとして、30代のご夫婦と、幼稚園~小学生のお子さんがいるご家族を想定します。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第3話】「措置法26条と概算経費」
「これって、おかしくありませんか?」
平成28年分の確定申告書である。
「・・・」
中尾統括官は渡された確定申告書をみる。
「この申告書は・・・措置法26条(社会保険診療報酬の所得計算の特例)を適用しているみたいだけど・・・何か・・・計算間違いでもあるのかい?」
中尾統括官が尋ねる。
海外勤務の適任者を選ぶ“ヒント” 【第8回】「赴任先で楽しむ旅行とスポーツ、実は会社にも恩恵アリ?」
海外勤務者にとっての楽しみの1つが、赴任先の国や周辺国に旅行できる機会が増えることではないかと思います。
インターネットの時代になっても、外国の文物を直接見聞する機会に恵まれるのはとても価値があることです。旅行先での写真をフェイスブックやインスタグラムで知り合いと共有するという人は少なくないと思いますが、社内にも面白い土産話を持ち帰ってくれるなど、その国で事業をしていることについて社内で肯定的に共感するというプラスの効果が期待できます。
〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第2話】「ビットコインと雑所得」
「統括官、ビットコインって、知っていますか?」
昼休みに、浅田調査官は中尾統括官の席にやって来て尋ねる。
「・・・ビットコイン?・・・ああ、仮想通貨のかい?」
食後、いつものように口に爪楊枝をくわえている中尾統括官は、浅田調査官の顔を見る。
海外勤務の適任者を選ぶ“ヒント” 【第7回】「図太い歴史好きであれ」
連載第7回目は、昨今無視できない「近代史」について、海外勤務者が赴任先で生活する際に身につけておくべき考え方と、無用な軋轢に対峙するために求められる「図太さ」とでもいうべき資質についてお話します。
振り返れば1970年代の東南アジアでも、当時の田中首相が外遊中に訪問先の国々で反日デモに遭うという場面がありましたが、2000年以降は特に東アジア諸国における海外勤務者にとって、現地で発生する各種の反日行動にどう対応するかが重要な課題になってきています。