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〔会計不正調査報告書を読む〕【第4回】オリバー架空・循環取引「社内調査委員会・第三者調査委員会調査報告書」
取引先C社の社長以下がオリバーを訪問し、同社の売掛債権が1億円以上あり、かつ、当該債権について執行役員医療福祉営業部長(以下「元部長」という)が作成した念書があることを説明した。
オリバーのC社に対する買掛債務は100万円であったため、事実関係を確認しようとしたが、元部長は、その前日から出張に出かけ不在であった。
なお、元部長の所在は、現在に至るまで分かっていない。
〔会計不正調査報告書を読む〕 「連載の狙い」
本連載では、企業不正のうち、特に「不正会計」に関わる、公表された第三者調査委員会報告書を読み、不正の手口、不正隠蔽工作、発覚の経緯、再発防止策などを検証することを第一義的な目的としつつ、報告書から読み取ることが可能な不正防止策、早期発見のための仕組みなどを検討することによって、調査内容を自社の不正対策に役立てられるような知見をまとめることを志向するものである。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第3回】ニチリン米国子会社・不適切な会計処理「調査委員会調査報告書」
ニチリン取締役会は、従前より、子会社の月次決算報告を義務づけているところ、ニチリン テネシー インク(米国、以下「NNT社」という)の月次業績報告において、売上の増減と利益の増減が連動しない傾向を示していたため、子会社管理部門に対し調査を指示した。
〔会計不正調査報告書を読む〕【第2回】コマニー中国事業・取引に関する不適切な処理「第三者調査委員会調査報告書」
2012年9月11日、証券取引等監視委員会による立入調査があり、格満林(南京)実業有限公司(以下「格満林」という)を含む中国子会社(以下「格満林グループ」という)における会計処理の妥当性及び平成23年8月に買収して子会社とした南京捷林格建材有限公司(以下「捷林格」という)と格満林との取引にかかる関連当事者取引の該当性、捷林格の子会社該当性の有無などが指摘された。
不正会計発見の「端緒となる兆候」を見逃すな
あれほど騒がれていたオリンパス事件もほとぼりが冷め、世間の関心がすでに不正会計から薄れてしまった感がある。これが、不正会計が後を絶たない理由の一つであろう。