〔会計不正調査報告書を読む〕 【第113回】SBIソーシャルレンディング株式会社「第三者委員会調査報告書(公表版)(2021年4月28日付)」
まず、本件で問題となったSBISLのソーシャルレンディングに係るビジネスモデルについて、調査報告書から引用する(調査報告書10ページ)
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第112回】ネットワンシステムズ株式会社「外部調査委員会調査報告書~ガバナンス・企業文化の観点から~(開示版)(2021年3月18日付)」
2020年11月2日に設置された外部調査委員会は、調査対象となった事案に関する事実関係についての調査結果を12月16日に公表したものの、当該報告書には、「原因分析」と「再発防止策の提言」についての記述がなかった(本連載【第109回】参照)。
本報告書は、12月16日に開示された報告書に係る事実認定を基に、外部調査委員会が、ネットワンにおいて不適切な事案が繰り返される原因についての役職員の意見を確認するとともに、役職員の声も踏まえたうえで実効的な再発防止策を提言するために設けた「目安箱」に寄せられた役職員からの意見を踏まえて、「原因分析」と「再発防止策の提言」をまとめたものである。
〔強制適用前におさえておきたい〕監査上の主要な検討事項(KAM)への対応と留意点 【第3回】「企業及び監査人のKAMへの対応」
KAMは、監査人が考えて監査報告書に記載するものであるが、企業が監査人に言われたとおりに監査人から提示されたKAMを受け入れるだけでは、KAM導入の効果(【第1回】参照)が発揮されない。
そのため、本解説では、KAMを監査報告書に記載するにあたって、企業側及び監査人側がどのようにKAMへ対応する必要があるかについて解説する。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第110回】ダイワボウホールディングス株式会社「特別調査委員会調査報告書(2020年11月27日付)」
大和紡績の子会社であるB社元役員のA氏(以下「A氏」と略称する)は、2020年9月4日、B社社長に対し、2012年4月から2018年9月末日までノイ社C部副部長であった当時から、ノイ社には秘して、商品が実在しないにもかかわらず、製品を伝票のみでP社等に販売し、その後、R社等を経てノイ社が購入し、更に循環に回すという、架空の循環取引(以下「本件循環取引」という)を行っていたことを告白した。
B社は、直ちに、大和紡績にA氏の自白と本件循環取引の概要を報告し、社内調査を経て、ダイワボウHDは、9月30日開催の取締役会において、本件循環取引の事実解明、原因究明などを目的として、外部の弁護士及び公認会計士を含む特別調査委員会の設置を決議し、同日、これを適時開示した。
〔強制適用前におさえておきたい〕監査上の主要な検討事項(KAM)への対応と留意点 【第2回】「早期適用事例の分析」
2020年3月期より、KAMが早期適用されている。早期適用している会社が複数あるため、今回は、その事例の分析結果を解説する。
〔強制適用前におさえておきたい〕監査上の主要な検討事項(KAM)への対応と留意点 【第1回】「KAMの基礎的事項」
2018年7月5日に、金融庁・企業会計審議会から「監査基準の改訂に関する意見書」が公表された。この公表により、「監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters:KAM)」が導入された。
KAMとは、「監査の過程で監査役等と協議した事項の中から、当年度の財務諸表の監査において、職業的専門家として特に重要であると判断した事項」をいう(日本公認会計士協会 監査基準委員会報告書(以下、「監基報」という)701.7)。
今まで、監査報告書はどの会社も同じ文面であった。しかし、KAM導入後は、企業によって、KAMが異なるため(KAMは会社固有の事項について記載するため)、金融商品取引法の監査報告書も企業によって異なる。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第109回】ネットワンシステムズ株式会社「外部調査委員会調査報告書(2020年12月14日付)」
調査報告書によれば、ネットワンは、2020年10月22日、外部機関aからの指摘により、次の疑義を認識した(以下、下記の事案①及び②を総称して「甲事案」という)。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第108回】「2020年における調査委員会設置状況」
本連載では、個別の会計不正に関する調査報告書について、その内容を検討することを主眼としてきたが、本稿では、第三者委員会ドットコムが公開している情報をもとに、各社の適時開示情報を参照しながら、2020年において設置が公表された調査委員会について、調査の対象となった不正・不祥事を分類するとともに、調査委員会の構成、調査報告書の内容などを概観し、その特徴を検討したい。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第107回】ハイアス・アンド・カンパニー株式会社「第三者委員会中間調査報告書(2020年9月28日付)、第三者委員会最終調査報告書(2020年10月26日付)」
ハイアス監査役会が、2020年6月17日に受けた外部からの情報提供を契機として調査したところ、2016年4月期に費用計上すべきであった上場支援に係るコンサルタント報酬約880万円について、当該期に費用計上せず、2017年4月期にシステム開発の委託先を経由して支払ったため、当該期にソフトウェア資産として計上され、また、かかる実態と異なる名目での支払い稟議について、複数の取締役及び執行役員らが関与していた疑いがあることが判明し、2020年7月15日、監査役会から取締役会に対してその中間報告が行われた。
〔会計不正調査報告書を読む〕 【第106回】株式会社旅工房「外部調査チーム調査報告書(2020年6月26日付)」
調査報告書によれば、外部調査チームの設置に至る経緯は以下のとおりである。
旅工房は、2020年5月7日、A社より、旅工房において、A社発行の金券(金券A)が大量に手配及び換金されているとの問い合わせを受けたため、顧客の依頼により大量に金券A の手配を行っていた従業員(本件従業員)に対し詳細確認を行ったところ、本件従業員が、金券Aの換金について申告したため、取締役及び執行役員により、金券Aの換金に関するヒアリング及び関連する予約記録等の確認が行われた。その結果、本件従業員が、架空売上の計上及びこれにより発生した架空の売掛債権の支払に充当する資金を捻出するため、金券 Aの換金を繰り返し行っていることが判明した。