経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第1回】金融商品会計①「有価証券の取得」─受渡期間内に期末日を含む場合の約定日基準による会計処理
当社は、決算期末(3月)近くに、上場会社の有価証券を取得することを予定しています。
今回、約定日は3月30日、受渡日は4月2日と、受渡期間で期末日をまたがる予定になっています。期末時点では有価証券の受渡しが行われていませんが、期末決算になんらかの会計処理をする必要がありますか。
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」の主な改正点と留意点 【第3回】「各論における改正事項『固定資産・引当金』」
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」(以下「中小会計指針」)では、「有形固定資産の減価償却の方法は、定率法、定額法その他の方法に従い、耐用年数にわたり毎期継続して適用し、みだりに変更してはならない。」(中小会計指針34項)としている。
各企業が減価償却方法や使用期間を任意に定め、随時変更することが可能となると、一企業の事業年度間や同業他社間での比較可能性が損なわれ、債権者等の利害関係者や特に中小企業においては経営者にとって有用な会計情報を得ることができない可能性がある。
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」の主な改正点と留意点 【第2回】「各論における改正事項『有価証券・棚卸資産』」
有価証券は、保有目的の観点から、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式・関連会社株式及びその他有価証券に分類され、それぞれの区分に応じた評価を行うこととしている。
中小会計指針では、それぞれの区分ごとに貸借対照表に計上すべき金額(以下「貸借対照表価額」という)と評価差額が計算された場合の取扱いを規定している。
まず、有価証券を区分する場合に、注意すべきは、売買目的有価証券の取扱いであり、その具体的内容について確認する。
税効果会計を学ぶ 【第6回】「対象となる税金と一時差異等」
Ⅰ 税効果会計の対象となる税金
法人税等とは、法人税、都道府県民税及び市町村民税(以下「住民税」という)並びに事業税(収入金額その他利益以外のものを課税標準とする事業税を除く)である。外国法人税等も法人税等に含まれる(「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)3項)。
税効果会計の対象となる税金をまとめると、次のようになる(個別税効果会計実務指針36項)。
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針」の主な改正点と留意点 【第1回】「改正の経緯と指針の読み方」
「平成24年版 中小企業の会計に関する指針(以下「中小会計指針」という)」が、本年2月に公表された。
中小会計指針は、平成17年8月に公表され、平成18年の会社法施行に伴う純資産の部に係る取扱いの変更をはじめ、その後のわが国の会計基準(以下「日本基準」という)の動向に呼応し、毎年改定されてきた。
ただし、その改定は、日本基準の改正等をすべて受け入れたものではなかった。それは、中小企業の規模や会計情報を必要とする利害関係者は、金融機関や取引先、そして、利害関係者とはいえないが、法人の申告内容の適否を調査する課税庁であるという実態を鑑み、精緻な日本基準を適用することが中小企業の実態に合わず、中小企業の会計の質を高め、財務体質の改善等に資すると考えられなかったからである。
税効果会計を学ぶ 【第5回】「繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法並びに注記事項」
「税効果会計に係る会計基準」第三及び「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)28項から30項、45項は、繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法を次のように規定している。
平成25年4月1日以降に適用される会計基準等のポイント
平成25年4月1日以降適用の会計基準等としては、次のものがあげられる。
本稿ではこれらの概要を述べており、適用忘れのないように注意が必要である。
税効果会計を学ぶ 【第4回】「適用する法定実効税率」
1 法定実効税率
「税効果会計に係る会計基準」第二、二、2は、繰延税金資産又は繰延税金負債の金額は、回収又は支払いが行われると見込まれる期の税率に基づいて計算すると規定している。
「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)は、税効果会計で使用する税率を「法定実効税率」と呼び、次のように算定すると規定している(個別税効果会計実務指針17項)。
「学校法人会計基準の在り方について 報告書」改正のポイント 【第2回】
当該年度の活動との関連において資金の流れを整理する資金収支計算書は、補助金の配分の基礎資料として、また学校法人の予算管理のための手法として現在も有用であり、今後も維持すべきとされた。
資金収支内訳表及び人件費支出内訳表に加えて、新たに資金収支計算書に附属する表として、活動区分別資金収支表を作成することが求められている。
学校法人においても活動区分別に資金の流れを把握することが重要であるため、活動区分別資金収支表によって、法人全体の資金の流れを教育研究事業活動、施設等整備活動、財務活動に区分して示すこととされたものである。
「学校法人会計基準の在り方について 報告書」改正のポイント 【第1回】
文部科学省は、私立学校の特性を踏まえ私立学校の振興に資するよう、一般に分かりやすく、かつ経営者の適切な経営判断に資する計算書類とすることを目的に、学校法人会計基準の在り方について有識者による検討を行うこととした(学校法人会計基準の在り方に関する検討会、以下「検討会」)。
検討会による8回の会議の結果として、平成25年1月31日付けで「学校法人会計基準のあり方について 報告書」(以下「報告書」)が公表されたが、これを受けて学校法人会計基準(以下「基準」)が早い時期に改正されることが予定されている。