遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第9回】「不動産や株式等を遺贈寄付した場合の取扱い(その3)」~清算型遺贈の課税関係~
清算型遺贈とは、不動産などの財産を売却して現金化し、その得られた現金を遺贈するということを遺言書に盛り込んだものをいう。遺言者がお亡くなりになった後には、その遺言に基づき、遺言執行者が手続きを実行することになる。
《速報解説》 令和4年度税制改正に係る「所得税法等の一部を改正する法律」が3月31日付官報:特別号外第37号にて公布~施行日は原則4月1日~
令和4年度税制改正関連法が3月22日(火)の参議院本会議で可決・成立し、3月31日(木)の官報特別号外第37号にて「所得税法等の一部を改正する法律」が公布された(法律第4号)。施行日は原則令和4年4月1日(法附則第1条)。地方税関係の改正法である「地方税法等の一部を改正する法律」も官報同号にて公布されている(法律第1号)。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第12回】「借用概念論の伝統的・本来的意義とその形式的外縁」-サプリメント購入費医療費控除事件・東京高判平成27年11月26日訟月62巻9号1616頁-
本連載では、基本的には、拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)の叙述の順に従って、それぞれの箇所で取り上げている「税法基本判例」を順次検討していくことにしているが(第1回Ⅰ参照)、今回は、借用概念論(上掲拙著【50】以下参照)に関して特にその議論の射程を検討しておきたい。
これからの国際税務 【第30回】「グローバルミニマム税の行方」
昨年10月に約140ヶ国から成るOECD/IFで合意されたGloBEルール(グローバルミニマム税構想)については、昨年12月に、各国が国内法立法をする際のモデルとなる法令案をOECD/IFが公表した。そして、その後、同法令案の技術的内容を詳述するコメンタリーが3月14日に追加発表された。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第30回】「部屋ごとに区分登記がされていない場合の特定居住用宅地等の特例の適用」
被相続人である甲(相続開始日:令和4年3月26日)は、下記の土地及び家屋を所有していました。土地建物の生前の利用状況は、下記の通り、1階及び2階部分は甲及び長男である乙が居住の用に供し、3階及び4階部分は甲の賃貸の用に供し、5階部分は長女である丙家族が居住の用に供しています。
街の税理士が「あれっ?」と思う税務の疑問点 【第5回】「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(3,000万円控除)」~数次相続の場合の遺産分割~
父親が所有し、父母が2人で住んでいた1戸建て建物(昭和50年築、非耐震)とその敷地について、令和2年9月に父が死亡し、父死亡後は母が1人で住んでいましたが、令和3年3月に母が死亡(数次相続)しました。
なお、法定相続人は、父死亡時は母と別居の子供2人(長男・次男)であり、母死亡時は子供2人(長男・次男)です。令和3年10月に、相続人が建物取壊しの上、第3者の他人に土地全部を5,000万円で売却した場合、被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例(以下、「空き家特例」という)は、どう遺産分割していれば土地全体の売買につき適用できますか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第75回】
企業会計原則が採用する販売基準による収益の発生の時点は、財貨又は役務の移転に対する現金又は現金等価物の取得の時点であるとされている。
このため、伝統的な実現主義(企業会計原則第二の三B参照)の考え方では、次の時点で収益認識することが一般的であった。
《速報解説》 中小企業庁、「中小PMI支援メニュー」を公表~中小M&Aによって引き継いだ事業の継続・成長に向けた統合やすり合わせ等の取組を支援~
中小企業庁は、「中小PMI支援メニュー(中小M&Aによって引き継いだ事業の継続・成長に向けた支援メニュー)」を令和4年3月17日に公表した。
《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(令和3年7月~9月)」~注目事例の紹介~
国税不服審判所は、2022(令和4)年3月23日、「令和3年7月から9月までの裁決事例の追加等」を公表した。追加で公表された裁決は表のとおり、相続税法が6件、所得税法が1件で、合わせて7件となっている
今回の公表裁決では、国税不服審判所は、7件すべてで原処分庁の課税処分等の全部又は一部を取り消しており、納税者の審査請求が全面的に棄却又は却下されたものはない。