《平成27年度改正対応》住宅取得等資金の贈与税非課税特例 【第4回】「『取得』に係る要件」~「分譲マンションの取得時期」「土地等の取得と名義」~
私は平成27年に父から住宅取得等資金1,000万円の贈与を受けて、建築中の分譲マンション(一般住宅に該当)の購入手付金を支払った。翌年(平成28年)2月末に完成引渡しの予定であったが、工期が長引き、申告期限の時点で、屋根を有し、土地に定着した建造物として認められる「新築に準ずる状態」である。
完成引渡しは同年4月の予定であるが、この場合、住宅取得等資金の贈与税非課税特例は受けられるか。
〈要点確認〉非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度~昨今の事業承継税制等をめぐる改正事項~ 【第1回】「適用要件等、あらためて制度内容を確認する」
事業承継税制(非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例)については、平成25年度税制改正で適用要件の緩和が行われ、本年1月1日より全面施行されている。さらに平成27年度税制改正においても、2代目から3代目への早期自社株贈与は贈与税免除になる等、見直しが行われており、本年4月1日以後の相続等より適用が開始されている。
このため、現時点でこの制度を適用するに当たっては、これらの改正事項を理解したうえでその適用を判断する必要があり、25年改正事項についても2年前の改正であることから、失念のないよう留意しなければならない。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第11回】「事業税の改正」
連結納税適用法人では、各連結法人ごとに単体納税と同様の取扱いで事業税の課税所得及び税額が計算される。したがって、今回の改正についても、後述する「(5)付加価値割における所得拡大促進税制の導入」以外については、連結納税適用法人も単体納税適用法人も同じ取扱いとなる。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第50回】「法人税基本通達9-6-2の具体的内容」
第32回から第43回で法人税基本通達の歴史を遡ってみたが、法人税基本通達9-6-2の要件を満たすことについてかなり厳格な要件が課されていたということはご理解いただけたと思う。
このような厳格な要件が課されていることから、同通達の要件を充たせる典型的なケースとしては、法人債務者が実質的に事業を閉鎖していたり、個人債務者が生活保護を受けていたりするような場合が考えられる。
そのため、可能であるならば、法人税基本通達9-6-1で解決を図っていくことをお勧めするが、それが困難な場合も考えられるため、本稿では、法人税基本通達9-6-2の射程を探っていきたいと思う。
~税務争訟における判断の分水嶺~課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から 【第5回】「取締役に「宿日直料」として支払った金銭の支払時期はいつか(源泉所得税)」
納税者(X社)は、取締役である甲に対し宿日直料として年間約200万円を支給し(本件支給額)、それが所得税基本通達28-1(本件通達)により課税しないものとされている宿日直料に該当するとして、本件支給額について源泉徴収をしていなかった。
課税庁は、本件支給額は、役員が業務執行の対価を宿日直料の名目で受領しているものに過ぎず、本件通達に定められる宿日直料には該当しないとして、X社の総勘定元帳の記載に基づき、源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分(本件告知処分等)を行った。
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第13回】「契約書のコピーに原本と割印した場合」
【問】不動産売買契約書を作成するにあたり、売主と買主が所持するために2通作成すると双方に収入印紙が必要だと聞きました。そのため、1通作成して原本は買主が保管し、売主はコピーにて対応しようと思いますが、コピーに原本との割印を行った場合であっても収入印紙は必要ないのでしょうか。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第14回】「収益・費用の認識基準をどう考えるか」-設計業務の場合-
所有権の移転は「売りましょう、買いましょう」という意思表示をしたときですが、品物を引き渡す前に代金を払えというと、相手方は品物を引き渡さない限りは代金を払わないという「同時履行の抗弁権」を主張します。そこで、品物の引渡し時に売上げに計上すべきだという考え方もできます。
このような考え方を前提として法人税基本通達等において個別的な認識基準を定め、さらに、昭和55年に企業の取引実体に即応する改正を行って現在に至っているのです。
消費税の軽減税率を検証する 【第6回】「執行コストの増大と事業者の優遇措置としての効果」
軽減税率の実施に当たっては、膨大な通達が必要になる。近時、国税庁は新しい制度についてQ&Aを公表するのが常となっており、その策定も求められよう。
そしてこれらは、実務からの要請で見直され、複雑化していくことになる。
これだけ知っておこう!『インド税制』 【第2回】「インドの個人所得税」
まず日本においてはサラリーマンであっても「給与所得控除」という形の「経費」が最低65万円認められているが、インドにおいてはこれに該当するものがない。同様に日本においては基礎控除が38万円、結婚して、かつ配偶者が働いていない場合はさらに38万円の配偶者控除が認められているが、これもない。
連結納税適用法人のための平成27年度税制改正 【第10回】「所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し」
連結親法人及び各連結子法人が、適用年度(注1)において国内雇用者(注2)に対して給与等(注3)を支給する場合において、次の3つの要件を満たすときは、連結法人税額(注4)から雇用者給与等支給増加額(注5)の10%に相当する金額(税額控除限度額)を控除する(措法68の15の5①)。
この場合において、税額控除限度額が、連結法人税額の10%(連結親法人が中小連結親法人(注6)である場合には、20%)に相当する金額を超えるときは、その控除を受ける金額は、10%相当額を限度とする(措法68の15の5①)。