平成27年度税制改正における「受取配当等の益金不算入制度」の見直しについて 【後編】
負債利子の計算方法には、「原則法」と「簡便法」がある。前者は総資産簿価按分法と呼ばれ、負債利子に期末の総資産価額に対する期末の株式等の帳簿価額の占める割合を乗じて控除される負債利子を計算する方法である。これに対して後者は基準年度実績により控除される負債利子を計算する方法である。
原則法である総資産簿価按分法では、総資産の帳簿価額をもとに一定の調整を加えて計算を行う。この場合の一定の調整について改正が行われた。改正前は、次に掲げる5項目について調整を行うことになっていた。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例26(相続税)】 「更正の請求期限を分割確定後1年であるものと誤認したため、期限を徒過し、特例の適用が受けられなくなってしまった事例」
相続税の申告にあたり、遺産の範囲及び分割の方法について相続人間で分割がまとまらず、当初申告を未分割で行い、同時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出した。その後、遺産分割が調停に持ち込まれ、調停が成立したことから、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」を適用した更正の請求を行おうとしたところ、更正の請求期限を徒過したため、特例の適用が受けられなくなってしまった。
これにより、特例により減額できた金額につき損害が発生し、賠償請求を受けた。
こんなときどうする?復興特別所得税の実務Q&A 【第27回】「事前確定届出給与から源泉徴収する所得税及び復興特別所得税の処理」
Q 当社の事業年度は、6月1日~5月31日です。代表取締役Aの役員報酬は、月額30万円です。また、平成26年6月に事前確定届出給与に関する届出書を税務署へ提出しており、平成27年5月31日に事前確定届出給与100万円を支給する予定です(下記様式参照)。
事前確定届出給与を支給する際、給与として源泉徴収するのか、賞与として源泉徴収するのかがわかりません。なお、代表取締役Aは他にも会社を経営しており、乙欄での源泉徴収になります。
事前確定届出給与から源泉徴収する所得税及び復興特別所得税の処理についてご教示ください。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第27回】「裁決例⑦」
今回、紹介する事件は、請求人の行った営業譲渡は、法人税法第81条第4項所定の「営業の全部の譲渡その他これに準ずる事実」に該当するとして、原処分を取り消した事件である。本事件においては、営業譲渡の相手方が譲渡者のグループ会社であったことから問題となった事件である。
現在の法人税法においては、解散等の事実が生じた場合の欠損金額及び中小企業者等の平成21年2月1日以後に終了する各事業年度において生じた欠損金額を除き、繰戻還付の制度は凍結されていることから、とりわけ、大法人においては重要な裁決例であると考えられる。
税務判例を読むための税法の学び方【61】 〔第7章〕判例の探し方(その8)
明治28年下半期以降の大審院民事部の民事事件の判決の中から取捨選択して判決日付順に掲載したものである。
前回紹介したように、明治24年から28年6月分までは『大審院判決録』に民事と刑事を分けずに合わせて収録していたが、これを当初のように再び民事と刑事を分けて収録するようになったのである。
日本の企業税制 【第19回】「BEPS行動3:外国子会社合算税制の強化」
BEPS行動3(外国子会社合算税制の強化)は、軽課税国に置かれた外国子会社への利益移転を防ぐため、外国子会社の利益を親会社の利益に合算して課税する外国子会社合算税制(CFCルール、タックスヘイブン税制)に関して、各国が導入すべき国内法の基準について勧告を策定するものであるが、わが国の現行税制とは大きく異なる方式が提示されている。
基準年度の見直しによる「実質的に債権とみられない金額」の簡便法の取扱いについて~平成27年4月1日以後に開始する最初の事業年度における貸倒引当金計算上の留意点~
平成27年度税制改正では、中小企業等の貸倒引当金の特例について、一括評価金銭債権の帳簿価額から控除される「実質的に債権とみられない金額」の基準年度の実績による場合の簡便法に関し、次の見直しが行われた。
① 簡便法によることができる法人が平成27年4月1日に存する法人とされた。
② 基準年度が平成27年4月1日から平成29年3月31日までの期間内に開始した各事業年度とされた(改正前の基準年度は「平成10年4月1日から平成12年3月31日までの期間内に開始した各事業年度」)。
マイナンバー制度と税務手続 【第4回】「本人確認の具体的手順」~会計事務所で想定される“3つのケース”~
前回に引き続き、マイナンバー制度においてポイントとなる『本人確認』について、税理士等が個人番号を取り扱う代表的な次の3ケースごとに、具体的な「本人確認の措置」を見ていきたい。
【ケースA】 自らの会計事務所等の従業員等の給与所得に係る源泉徴収票を作成し、法定調書合計表とともに提出する場合
【ケースB】 顧問先の従業員等の給与所得に係る源泉徴収票等を作成し、法定調書合計表とともに提出する場合
【ケースC】 顧問先の個人納税者の所得税の確定申告書を作成し、提出する場合
〈Q&A〉印紙税の取扱いをめぐる事例解説 【第6回】「金銭又は有価証券の受取書②(営業に該当するか)」
【問】個人で賃貸用に使用していた土地建物を売却しました。
その際に作成する売却代金の受取書には、印紙を貼付しなければいけませんか。