租税争訟レポート 【第21回】「課税仕入れ等の範囲(国税不服審判所裁決)」
百貨店の物産展において弁当の調理・販売を行っている請求人が、マネキン紹介事業者等を介して手配した販売員に対して支払った金員について、外注費として計上し、源泉所得税を納付することなく、また外注費を課税仕入れ等として仕入税額控除の対象として申告を行っていたところ、販売業務の具体的態様に基づき、所得税法第28条第1項に規定する給与等に該当するとして、消費税の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しないと判断したものである。
税務判例を読むための税法の学び方【54】 〔第7章〕判例の探し方(その1)
上述の「事件番号」について、もう少し詳しく記す。
裁判所では、事件を受け付けると、事件記録の表紙に、事件の種類ごとに、 年度(暦年)・符号・番号(毎年1号から始まる受付の早い順に振られる通し番号)を表記するが、これらの番号のことを「事件番号」という。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第26回】「消費税法上の「事業」と所得税法上の「事業」(その2)」~租税法内部における同一概念の解釈~
担税力に応じた適正公平な課税の実現など、所得税法と消費税法に共通の趣旨を掲げたとしても、次に乗り越えなければならない問題がある。それは、「担税力」に対する所得税法と消費税法の視角の相違という壁である。
《編集部レポート》 最大4,500万円の住宅取得等資金贈与が可能に~直系尊属からの贈与税の非課税措置は家屋取得の契約締結基準に変更
平成27年1月から相続増税がなされているのは周知のとおりだが、平成27年度税制改正では、その相続対策ともなる直系親族からの住宅取得等資金贈与特例が大幅に拡充された。これまでにない“大盤振る舞い”ともとれる制度の改正となっており、注目が集まっている。
〈あらためて確認しておきたい〉『所得拡大促進税制』の誤りやすいポイント 【第3回】「経過措置の適用に関する留意点」
-本稿で取り上げる論点-
質問1
経過措置が適用できる場合
質問2
経過措置の適用可否判定
質問3
連結納税における経過措置
[平成27年3月期]決算・申告にあたっての留意点 【第2回】「生産性向上設備投資促進税制・中小企業投資促進税制の上乗せ措置」
平成26年1月20日から平成26年3月31日までに上記の対象設備を取得・事業供用した場合でも、その事業年度が平成26年3月31日までに終了する場合には、その翌事業年度(平成26年4月1日を含む事業年度)に上記の措置を受けることができる。すなわち、事業供用した事業年度と、税制措置を受けることができる事業年度が異なることになる。
5%・8%税率が混在する消費税申告書の作成手順 【第8回】「簡易課税における確定申告書及び付表の作成(その2)」~2種類以上の事業を行っている場合~
2種類以上の事業を行っている場合の確定申告書及びその付表については、みなし仕入率の原則計算を行い、さらに特例計算が適用される場合にはその計算も行うこととなるので注意しなければならない。
法人税に係る帰属主義及びAOAの導入と実務への影響 【第7回】「改正の内容⑥」
帰属主義の導入により、PEを有する外国法人は2つの課税標準を有することとなったことに伴い、それぞれの課税標準に係る国内源泉所得に係る欠損金はそれぞれの国内源泉所得のみから控除できることになった。これに伴い、欠損金の繰戻し還付に関する規定についても整備された(法法144の13)。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第36回】「法人税基本通達改正の歴史⑤」
昭和40年度に法人税法全文改正が行われ、さらに、昭和42年度に公正処理基準が導入された。
現行法上、貸倒損失については、法人税法に定めがなく、法人税法22条4項に規定する公正処理基準に従って処理することになるため、貸倒損失についての法人税法上の取扱いを理解するためには、昭和42年度に導入された公正処理基準について理解する必要がある。本稿においては、公正処理基準の導入とその背景として出された2つの意見書について解説を行う。
monthly TAX views -No.25-「マイナンバーをめぐる議論には整理が必要」
今のところ、番号制度の全体像は必ずしも明らかではない。話が分かりにくいのは、技術的な話と法律的な話が複雑にクロスすることにも原因がある。法規制の網でがんじがらめにされた「個人番号(マイナンバー)」と、法律的な制限の課せられていない「個人番号(マイナンバー)カード」や「マイポータル」との区別や関係が、我々素人には判然としないのである。