日本の企業税制
【第21回】
「BEPS行動12:義務的情報開示ルール」
一般社団法人日本経済団体連合会
常務理事 阿部 泰久
1 はじめに
2 公開討議草案の概要
3 経団連のコメント
4 終わりに―包括的租税回避否認規定の必要性
1 はじめに
行動12は、アグレッシブなタックス・プランニングを立案した段階で、納税者あるいは立案者(プロモーター=会計事務所、法律事務所、コンサルタント等)から税務当局に報告する義務を課すことにより、法令・執行上の早期対応、ひいてはスキームの販売・利用を抑止することを意図するものである。
報告されたスキームが必ずしも租税回避となるわけではなく、また個別案件に係る事前確認制度とは異なり、報告されたスキームに対して当局からの対応がないことをもって、取引の有効性・容認を意味するものでもない。このような義務的情報開示は、既にアメリカ、イギリス、カナダ、ポルトガル、アイルランド、南アフリカ等で導入されている。
OECD租税委員会は、本年3月31日に「公開討議草案 BEPS行動12:義務的情報開示ルール」を公表しており、これに対し経団連では4月28日付けでコメントを提出している。そこで本稿では、公開討議草案の主要点と経団連コメントの概要を紹介することとしたい。
2 公開討議草案の概要
行動12全体では、以下の3点が検討課題とされている。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員登録およびログインが必要です。
通常、Profession Journalの記事閲覧はプレミアム会員専用のサービスですので、プレミアム会員でのご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。