さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第84回】「愛知交通事件」~最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)~
源泉徴収による所得税についての納税告知の法的性質は、徴収処分か、それとも課税処分か。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第3回】「税務調査手続によって課税処分が違法になるレベル」
平成23年12月改正で、国税の調査の開始から終了までの手続が通則法に法定化され、平成25年1月1日以後の質問検査等に適用されている。
筆者は、平成26年7月に特定任期付職員として大阪国税不服審判所神戸支所国税審判官に任官されたが、その当時は、法定化された税務調査手続の運用が始まって間もなくの時期であり、導入によって調査現場の負担が増加したからか、一時的に審査請求件数が鍋底状に減少した時期である。
monthly TAX views -No.122-「歳出改革の各論-ふるさと納税を見直せ」
歳出改革を行うには、1つ1つのテーマについて個別具体的に議論を行うことが必要である。本稿では、歳出面ではなく、歳入面(税制)の無駄として、「ふるさと納税」を取り上げ、その縮小(本来の寄付税制に戻すこと)を提案してみたい。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例50】「公益社団法人に移行した法人の職員に対する賞与の損金性」
今回問題となっているのは、公益社団法人移行後に職員に支給した賞与の取扱いです。当法人は給与規定を職員に開示しており、それには給与のほか賞与を予定日に支給する旨が明記されております。そのため、当該規定に基づき既に支給予定日が到来している賞与は、当然のことながら全額損金に算入されるものと考えておりましたが、今回調査官は、未払計上した賞与の額につき、当該賞与支給額が決算日以後に職員に通知されていることから、当該事業年度における損金算入は認められないと主張しております。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q77】「特定口座で保有する上場外国株式の配当に係る外国源泉税と外国税額控除の適用可否」
私(居住者たる個人)は、国内の証券会社を経由して、外国法人発行の株式を取得しました。この株式は外国金融商品市場で売買(上場)されているため、特定口座(源泉徴収あり)で保管することにしています。配当を受領し、発行法人の所在地国で源泉徴収により外国所得税が課されたため、手取額のみが国内の証券口座に入金されました。
この外国所得税について、外国税額控除の適用は可能でしょうか。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第28回】「個人に係る外国子会社合算税制」
個人にも外国子会社合算税制が適用されると聞きましたが、その場合、当該個人による、租税回避の目的や、税負担の不当な軽減の意図が問題とされるのでしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第11回】「ワールドファミリー事件-移転価格税制における機能分析の考え方-(地判平29.4.11)(その2)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~
被告は旧租税特別措置法関係通達66の4(2)-3の規定する「12のテスト」(※8)を用いて、再販売者の果たす機能その他における差異については「その差異により生ずる割合につき必要な調整ができる」としてDWE取引との関係で比較対象性を有しているとした。それに対して原告は「取引及び市場参入に係る時期」において差異があるとし、また取引に共通の無形資産を保有している等の「内部取引の信憑性」の観点から原告の選定した内部比較対象取引(DME取引)の比較対象取引としての合理性を主張している。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第23回】「租税回避の個別的否認規定と個別分野別一般的否認規定との適用関係」-ヤフー事件最判による「重畳的」適用とTPR事件東京高判による制定法踰越的法創造-
前回は異なる個別分野別一般的否認規定(法税132条1項と132条の2)の不当性要件について統一的解釈(個別分野別不当性要件の統一的解釈)に基づく検討を行ったが、今回は個別分野別一般的否認規定について個別的否認規定との適用関係を検討する。