「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例119(相続税)】 「土地区画整理地内の宅地につき、無道路地で評価できるところ、単なる不整形地として評価してしまった事例」
平成S年7月に死亡した祖父甲の相続税申告において、仮換地の指定を受けた宅地につき、無道路地で評価できるところ、単なる不整形地として評価して申告していた。これが令和Y年6月に死亡した母乙の相続税申告時に発覚し、過大納付税額につき損害賠償請求を受けたものである。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第24回】「購入した不動産の内訳について契約書に記載された金額に基づくか、固定資産税評価額による按分額に基づくかで争われた事例」
建物とその敷地の用に供する土地は、同時に取得・譲渡する場合が多い。一般の買い手や売り手は、総額がいくらかには慎重になり、真剣に交渉することが多いが、内訳として土地や建物がそれぞれいくらになるかまで神経質に気に掛ける人はそれほど多くはないと思われる。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第10回】「ワールドファミリー事件-移転価格税制における機能分析の考え方-(地判平29.4.11)(その1)」~租税特別措置法66条の4第1項、第2項1号ロ、第8項~
本稿では、租税特別措置法66条の4第2項及び第8項で表す独立企業間価格を算定する方法について勘案すべき「当事者が果たす機能その他の事情」についてどのように解釈しているか検討する。
日本の企業税制 【第112回】「新たな国際課税制度の創設」
2月3日、「所得税法等の一部を改正する法律案」が、第211回国会に提出された。2月9日の衆議院本会議で法案の趣旨説明が行われ、国会審議が開始した。また、「地方税法等の一部を改正する法律案」も2月7日に国会に提出され、2月14日には衆議院本会議で法案の趣旨説明が行われ、国会審議が開始した。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第46回】「法人の合併と役員退職給与の勤続年数」
当社は、グループ内の法人間で、役員構成が同じ2社を吸収合併により合併させる予定です。対象役員には、被合併法人側で担っていた業務を合併後も合併法人の役員として従来通り担当してもらうため、被合併法人側で役員退職給与を支給することは予定していません。
ここで、将来的に対象役員が合併法人を退職する際、被合併法人の勤続年数を通算して役員退職給与を計算することは可能でしょうか。
〔令和5年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第3回】「「交際費等の損金不算入制度の特例の延長」「少額減価償却資産の取得価額の損金算入制度等の見直しと延長」「暗号資産の時価評価」」
令和4年3月31日までに開始する事業年度までの、税務上の交際費等の課税関係は次表の通りである。これが令和4年度税制改正により、2年間(令和6年3月31日までに開始する事業年度まで)延長されている。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第11回】
この問いが想定するのは、デジタルアートを制作し、そのデジタルアートを紐付けたNFTを知人に無償で贈与し、これにより、その知人は、そのデジタルアートを閲覧することができるようになるケースであり、他人が製作したNFTを購入して、誰かに贈与するケースではないことに注意が必要である。
基礎から身につく組織再編税制 【第49回】「非適格現物分配を行った場合の現物分配法人、被現物分配法人の取扱い」
前回は、適格現物分配を行った場合の現物分配法人、被現物分配法人の取扱いについて解説しました。
今回は、非適格現物分配を行った場合の現物分配法人、被現物分配法人の取扱いについて解説します。
相続税の実務問答 【第80回】「各相続人の相続税額を計算するときの「あん分割合」と配偶者の税額軽減」
夫が昨年の11月に亡くなりました。相続人は、私と2人の娘です。
先日、夫の遺産1億5,000万円のうち、私が1億4,200万円、長女が500万円、二女が300万円をそれぞれ相続する遺産分割が調いました。そこで、相続税の計算をしてみたところ、下の表のように、私にも納付すべき相続税額が算出されることが分かりました。
配偶者が取得した財産の価額が1億6,000万円以下の場合には、配偶者の税額軽減制度により、相続税の負担は生じないと聞いていましたが、私の計算に誤りがあるのでしょうか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第72回】「被相続人の建物が贈与されている場合における小規模宅地等の特例の適用」
被相続人である甲(令和5年2月13日相続発生)は建設業であるA株式会社の代表者で100%の株式を所有していました。甲は、令和元年5月に長男である丙に代表権を移譲し、退職金を受け取り、その後は、非常勤取締役の会長として勤務していました。株式については、令和元年8月に丙に全て贈与しています。
また、甲は下記の土地(300㎡)及び建物(600㎡、3階建てであり各階の床面積は同一)を所有し、1階部分はA社に周辺相場で賃貸(A社は建設業本社として使用)し、2階部分は第三者であるB社に周辺相場で賃貸し、3階部分は、甲とその配偶者である乙の居住の用に供していましたが、令和元年9月に建物を丙に贈与しています。