租税争訟レポート【第3回】納税者と法人が保険料を負担した養老保険に係る一時所得の計算(所得税更正処分等取消請求事件最高裁判決)
原告ら4名は、原告らの経営する法人を契約者として、以下の【図表】に示す養老保険に加入していたところ、満期保険金を受け取った。原告らに対する貸付金については、原告らが満期保険金を受領した際に、法人に対して返済している。
平成24年分 確定申告実務の留意点 【第1回】「確定申告の種類と給与所得者の申告」
まもなく、平成24年分所得税の還付申告書の受付が開始される。
そして、平成24年分の所得税について確定申告書を提出する義務がある場合には、所轄税務署長に対し、平成25年2月16日から同年3月15日までの間に、確定申告書を提出しなければならない(所法120①)。
所得税法は、所得税の課税対象とならない所得(非課税所得)を限定的に規定しており(所法9~11)、それ以外の所得は所得税の課税対象となる。また、所得はその性格によって10種類に区分され、その区分ごとに所定の方法により所得金額を計算することとされている(所法23~35)。
「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」の見直しをめぐる実務への影響(1)
会計検査院は平成24年10月19日に、財務大臣宛に「相続財産に係る譲渡所得の課税の特例」について意見表示を行った。
その内容は、『特例を取り巻く状況が大きく変化していることを踏まえ、特例について、相続財産の処分が相続の直後に行われる場合、特に相続税納付のために相続財産の処分が行われる場合における相続税と所得税の負担の調整という本来の趣旨に沿ったより適切なものとするための検討を行うなどの措置を講ずるよう意見を表示する。』というものである。
特定役員退職手当等の実務上の留意点
退職所得は、原則、退職手当等から退職所得控除額を控除した後の金額の2分の1が課税対象となる。
しかしながら、平成24年度の税制改正により、特定役員に対する退職手当等(以下「特定役員退職手当等」)については2分の1が廃止され、退職手当等から退職所得控除額を控除した金額が、そのまま課税対象となる。
平成25年から始まる源泉実務のポイント~復興特別所得税の計算・手続~
東日本大震災からの復興を図ることを目的として、復興施策に必要な財源を確保するために、「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」(以下、「復興財源確保法」)が、平成23年12月2日に公布された。
復興財源確保法では、新たに復興特別所得税及び復興特別法人税が創設され、復興特別所得税に関する規定は、平成25年1月1日より施行される。
平成24年分 おさえておきたい年末調整のポイント ② 質問の多い事項を解説
年末調整について、毎年様々な質問を受ける。今回はその中でも、質問されることが多い事項に絞って、実務的な観点から解説を行うこととする。
平成24年分 おさえておきたい年末調整のポイント ①今年度適用となる改正事項 (生命保険料控除の改正)
平成23年分までの生命保険料控除は、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除から構成されていた。平成24年分以後は、この2つに介護医療保険料控除が加わることとなる。
これら3つの控除額は、保険契約の締結時期が平成24年1月1日以降(新契約)か平成23年12月31日以前(旧契約)かによって、下記の【2】(1)~(3)の計算式を適用し、別々に計算する。