〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第46回】「被相続人以外の者が建物を所有している場合の特定同族会社事業用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲の相続発生に伴い、甲の所有していた土地建物を長男乙が取得した場合には、乙が適用できる特定同族会社事業用宅地等に係る小規模宅地等の特例の適用面積は何㎡でしょうか。
乙は甲と生計を一にしていた者に該当し、A社(相続開始の直前において100%の株式を乙が保有しています)の代表取締役として飲食店を経営しています。
相続税の実務問答 【第73回】「相続時精算課税適用者が養親である特定贈与者と離縁した場合」
私は、今から10年前に、A社の創業社長である甲と養子縁組を行いました。その後、私は、A社の専務取締役としてA社の経営に従事し、甲からも私の仕事ぶりを評価してもらい、後継者候補とまでいわれるようになりました。
A社の発行済み株式は20,000株で、そのうちの18,000株は甲が、残りの2,000株を甲の弟乙が保有していましたが、3年前に、私は甲からA社の株式1,000株の贈与を受けました。私が甲から贈与を受けたA社の株式1,000株の評価額は3,000万円になりますが、相続時精算課税を選択しましたので、100万円の贈与税の負担で済みました。
ところが、ある出来事が原因で甲との養子縁組を解消することとなりました。
相続時精算課税制度を適用した贈与については、その贈与者に相続が開始した時には、その贈与財産の価額を相続税の課税価格に含めて相続税を計算し、算出された相続税を納付しなければならないと聞きました。しかしながら、私の場合には、贈与者である甲との間の養子縁組を解消し、甲との親族関係はなくなりますので、相続時精算課税の選択を撤回したいと思いますが、いかがでしょうか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第45回】「会社の代表者が親族外である場合の特定同族会社事業用宅地等の特例の適用の可否」
被相続人である甲(令和4年7月13日相続発生)は金属製品製造業であるA株式会社の代表者で100%の株式を所有していました。甲は、令和3年10月に親族外である役員乙に代表権を移譲し、退職金を受け取り、その後は、非常勤取締役の会長として勤務していました。株式については、生前に承継せずに100%保有したまま相続が発生しています。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第43回】「相続時精算課税の留意事項」
当社(A社)は私(X)が創業し、これまで会社の業績は堅調に推移してきました。
しかしながら、最近の輸送コスト上昇等による仕入価格高騰により業績が悪化し、前期は創業以来の最大の赤字となり、資金繰りにも頭を悩ませています。
一方で、私は昨年60歳を迎えたことから、息子Y(A社取締役)への事業承継について検討を始めており、私が所有する本社工場の土地(A社へ賃貸借)についてもA社株式とまとめて息子Yへ贈与したいと考えています。
経営環境が悪化する前は、当社の純資産は大きく、毎期利益も計上できていたため、株価が高い状態でしたが、前期は赤字決算であったため株価は従来よりも大きく下がりそうです。なお、業績悪化に対しては抜本的な解決策が見つかっており、来期はV字回復する見込みです。
そこで、株価の低いこのタイミングで相続時精算課税制度を利用して、息子YへA社株式を贈与したいと思っています。相続時精算課税を適用する際に留意すべき点を教えてください。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第44回】「新築マンションの空室がある場合の貸付事業用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲は令和4年5月1日に相続が発生しました。甲の所有する賃貸用のAマンション、Bマンションを配偶者である乙が相続し、引き続き、貸付事業の用に供しています。
不動産の利用状況は下記の通りです。
遺贈寄付の課税関係と実務上のポイント 【第12回】「遺贈寄付における受遺団体の注意点」
遺贈寄付を受けた受遺団体は、領収書を寄付者に発行することになるが、その場合に悩むポイントがある。そのポイントにつき遺言による寄付、相続財産の寄付に分けて見ていくことにする。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第43回】「アパート等の空室がある場合の貸付事業用宅地等の特例の適否」
被相続人である甲は令和4年5月1日に相続が発生し、その所有するAマンション(Aマンションの敷地は300㎡で各階の床面積は同一です)を配偶者である乙が相続し、引き続き、貸付事業の用に供しています。
Aマンションは、昭和50年に被相続人が購入し、第三者に賃貸しています。相続開始時点において、15室のうち3室(101号室、201号室、301号室)は空室となっていますが、その空室の状況は、下記の通りとなります。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第42回】「「相当の対価を得て継続的に行うもの」に該当するかどうかの判断(貸付事業用宅地等の特例の適否)」
被相続人である甲は令和4年6月20日に相続が発生し、その所有するAマンションの1室と、B宅地を配偶者である乙が相続し、引き続き、貸付事業の用に供しています。
不動産の利用状況は下記の通りですが、被相続人の貸付事業はいわゆる「準事業」に該当します。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第41回】「砂利敷きやアスファルト舗装の駐車場がある場合の貸付事業用宅地等の特例の適否」
小規模宅地等の特例は、建物又は構築物の敷地の用に供されていることが要件となっていますので、被相続人が構築物を所有しているA駐車場とB駐車場が小規模宅地等に係る貸付事業用宅地等の特例の対象になり、C駐車場は特例の対象にならないと考えていいでしょうか。
〔事例で解決〕小規模宅地等特例Q&A 【第40回】「準事業と特定貸付事業を相続した場合の貸付事業用宅地等の判定(新たに貸付事業の用に供された宅地等がある場合の判定手順)」
平成30年度税制改正により、貸付事業用宅地等の範囲から、被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等で相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等(相続開始の日まで3年を超えて引き続き特定貸付事業を行っていた被相続人等の当該貸付事業の用に供されたものを除く)」が除かれることになりましたが、Bマンション及びCマンションは、相続開始前3年以内に「新たに貸付事業の用に供された宅地等」に該当し、かつ、甲が相続開始の日まで3年を超えて特定貸付事業を行っていないため、小規模宅地等に係る貸付事業用宅地等の特例の対象にならないと考えていいでしょうか。