相続税の実務問答 【第21回】「遺産分割が調ったことによる相続税額の調整(更正の請求をしない場合)」
遺産分割の結果に基づいて計算した相続税額が、法定相続分に従って計算した相続税額よりも少なくなる場合には、相続税の更正の請求ができることとされていますが、法定相続分相当額よりも少ない財産しか取得しなかった私が更正の請求をしない場合には、法定相続分相当額よりも多くの財産を取得した弟に対して、申告した相続税額と遺産分割結果に従って計算した相続税額との差額に相当する金額を贈与したことになり、弟に贈与税が課税されることとなるのですか。
相続税の実務問答 【第20回】「遺留分減殺請求が見込まれる場合の相続税の申告」
昨年5月に父が亡くなりました。相続人は、母と兄及び私の3人です。長らく私が両親の介護を行ってきたこともあり、父はすべての財産を私に遺贈する旨の遺言を残してくれました。
最近になって兄が、遺言の内容に不満を持っており、遺留分の減殺請求を弁護士に相談していると聞きました。私も法律に定められた遺留分相当額の財産を兄に渡すことはやむを得ないと思っていますが、申告期限が近づいてきた現時点で、まだ、兄から遺留分の減殺請求を受けておりませんし、もちろん具体的にどの財産を兄に渡すのかについての協議はしていません。
このような場合、相続税の申告をどのように行えばよいのでしょうか。
日本の企業税制 【第51回】「事業承継税制の特例の創設」
昨年12月14日に与党税制改正大綱が取りまとめられ、同月22日には政府の税制改正大綱が閣議決定された。本年1月22日からは通常国会が開会し、ほどなく平成30年度税制改正に係る改正法案が国会に提出されるものと見込まれる。
今回の改正は、たばこ税や個人所得課税の見直しに加え国際観光旅客税(仮称)の創設といった増税項目が中心であり、大きな減税項目は、事業承継税制における特例措置の創設のみという状況である。
今回創設される事業承継税制の特例は、平成30年1月1日から10年間に行われる贈与等を対象にした措置であり、この間に、現在平均で60歳台後半となっている中小企業経営者の代替わりを促進することを目指した思い切った措置である。
相続税の実務問答 【第19回】「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の申告書の提出(第二次相続人が複数の場合)」
昨年3月25日に兄が亡くなりました。相続人は私と姉の2名です。11月に姉との間で、兄の遺産について遺産分割協議が成立したので、相続税の申告の準備を進めていたところ、12月10日に姉が急死してしまいました。姉が行うこととなっていた相続税の申告及び納付はどのように行えばよいのでしょうか。
なお、姉の相続人は、姉の長男と長女の2名です。
相続税の実務問答 【第18回】「相続税の申告期限前に相続人が死亡した場合の申告書の提出」
本年3月25日にS県U市に住んでいた兄が亡くなりました。相続人は私とK県Y市に住んでいる姉の2名です。11月に姉との間で、兄の遺産について遺産分割協議が成立したので、相続税の申告の準備を進めていたところ、12月10日に姉が急死してしまいました。
兄の遺産についての相続税の申告は、どのように行えばよいのでしょうか。
なお、姉の相続人は、姉の子ども1名です。
相続税の実務問答 【第17回】「相続人が弁識能力を欠く場合の相続税の申告期限」
先月、88歳の叔父が亡くなりました。叔父には配偶者も子供もいないため、相続人は、叔父の弟である私の父と、叔父の姉である伯母の2人だけです。
ところで伯母は、長らく入院生活を送っており、父が喪主を務めた叔父の葬儀にも参列していませんし、認知症でもあることから、未だに叔父が亡くなったことも認識できていません。
父や伯母の相続税の申告は、いつまでに行えばよいのでしょうか。
なお、現在のところ、伯母の後見人は選任されていません。
相続税の実務問答 【第16回】「いったん承認した特定遺贈を放棄した場合の課税関係」
私は、叔父から、S市に所在するA土地の遺贈を受けました。叔父の好意を無下にしてはいけないと思い、いったんはこの遺贈を受けることとし、遺贈を原因としてA土地の名義変更の登記をしました。なお、叔父の遺産総額は、相続税の基礎控除額に満たなかったことから、相続税の申告はしていません。
ところで、S市は私が住むK市からは遠く、また、A土地を利用する予定もありませんので、最近、この遺贈を放棄し、唯一の相続人である叔父の子(私の従兄)甲にA土地を相続してもらいたいと考えています。
民法によれば、遺贈の放棄はいつでもできるとされており、その効力は遺言者の死亡の時に遡ることとされていますので、A土地は甲が相続により取得したこととなり、特に課税上の問題が生じることはないと思いますが、いかがでしょうか。
相続税の実務問答 【第15回】「遺贈の放棄があった場合の課税関係」
A社の社長を務めていた父が今年の6月に亡くなりました。父の遺言書には、遺産の約半分を占めるA社の全株式(相続税評価額7,000万円)を長男である私に遺贈すると記載されていました。
8月になって、相続人である私、弟及び母の3人で、今後の会社の経営や遺産分割などについて話し合った結果、弟がA社の社長に就くこととなり、私は、会社経営から外れることとなりました。また、私は、A社の全株式の遺贈を放棄し、相続人全員の合意により、弟が同社の全株式を取得することとし、私は預金1,000万円を、その他の財産は母が取得することとなりました。
私が、A社の全株式の遺贈を放棄し、それを弟に相続させたことについて、私から弟に贈与があったものとして、贈与税が課税されることになるのでしょうか。
税理士業務に必要な『農地』の知識 【第11回】「農地等に係る納税猶予制度」
今回は農地等に係る相続税・贈与税の納税猶予について述べていく。これまで説明してきた各法律については農地の納税猶予の適用に絡んだ部分も多い。ここでは、復習も兼ねて改めて農地等に係る納税猶予制度を見ていきたい。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例53(相続税)】 「相続税の申告において同族会社の敷地の用に供している宅地につき「土地の無償返還に関する届出書」を提出せずに借地権を計上してしまった事例」
被相続人甲の相続税申告につき、同族会社の敷地の用に供している宅地に「土地の無償返還に関する届出書」を提出して、借地人(同族会社)においては借地権を発生させず、地主(被相続人)においては自用地評価額の80%で評価すべきところ、「土地の無償返還に関する届出書」を提出せず、借地人(同族会社)においては借地権を認識(株価計算において自用地評価額の70%を借地権として計上)し、地主(被相続人)においては貸宅地(自用地評価額の30%)で評価していた。
いずれの方法で相続税を申告しても、基礎控除以下であり、相続税は発生しないが、将来、借地権を譲渡した場合等に、法人税や所得税等を課せられる可能性があるとして、賠償請求を受けた。
