国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第39回】「国外源泉所得について現地で還付があった場合の外国税額控除」
私は日本の居住者ですが、このたび外国に所有している不動産を売却しました。売却時には現地国の税金が源泉徴収され、その分については日本の確定申告で外国税額控除されました。
この源泉徴収された分は、現地で確定申告をすると還付されるそうですが、この還付される税金については、どのように処理をすればいいのですか。現地で還付申告をした年には、外国税額を納付していません。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第20回】「寄附財産が寄附日から2年以内に譲渡されても非課税措置を継続適用できる場合」
譲渡所得の非課税措置を受けるためには、寄附財産が、その寄附日から2年を経過する日までの期間内に寄附を受けた公益法人等の公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みである必要があります。
ただし、この2年の期間内に寄附を受けた公益法人等が贈与を受けた寄附財産を譲渡しても、非課税措置の適用が可能な場合があると聞きました。どのような場合でしょうか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第25回】
法人税法22条の2第2項は、資産の販売等に係る収益の額につき一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って当該資産の販売等に係る契約の効力が生ずる日その他の1項に規定する日に近接する日の属する事業年度の確定した決算において収益として経理した場合には、1項の規定にかかわらず、その資産の販売等に係る収益の額は、「別段の定め(前条第4項を除く。)があるものを除き」、その事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入するとしている。
日本の企業税制 【第77回】「グループ通算制度創設に伴う税効果会計の適用」
令和2年度税制改正に係る所得税法等の一部を改正する法律案が、1月31日に国会に提出された。2月28日に衆議院を通過し、3月6日に参議院財政金融委員会に付託された。
〈検証〉TPR事件 東京高裁判決 【第2回】
「〈検証〉TPR事件 東京地裁判決」でも解説したように、東京地裁、東京高裁が示した制度趣旨は、平成22年度税制改正と整合していないことから、平成22年度税制改正後の事件において参考にすべきではないと考えている。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第12回】「役員退職給与に係る功績倍率の是認水準」
当社は、代表取締役が今期退任するため、役員退職給与を支給する予定です。役員退職給与の損金算入限度額について、代表取締役であれば功績倍率を3倍まで設定することができるとセミナーで聞いたので、その通りにする予定です。また、「特段の事情」があれば認められる功績倍率がさらに大きく増加するとも聞いたのですが、これらは正しいでしょうか。
相続税の実務問答 【第45回】「令和元年台風第19号による被災地内の土地等の評価」
長野県N市に住んでいた私の父は、令和元年6月20日に亡くなりました。相続人は母、姉及び私の3名です。主な相続財産は、自宅建物及びその敷地並びに貸家及びその敷地で、いずれもN市内にあります。
相続税の申告の準備をしていたところ、10月の台風第19号により、近くを流れる河川が氾濫し、これらの土地が冠水してしまいました。N市は台風第19号に係る「特定地域」に指定されたと聞きましたが、冠水してしまった土地の評価について何らかの配慮はされないのでしょうか。
基礎から身につく組織再編税制 【第14回】「非適格合併を行った場合の合併法人の取扱い」
被合併法人が合併により合併法人にその有する資産・負債の移転をしたときは、合併時の時価による譲渡をしたものとされるため、合併法人が受け入れる資産・負債の取得価額は、合併時の時価となります(法法62)。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第86回】「政策目的からみる租税法(その2)」
まずは、自動車重量税がどのような政策目的の下で創設されたものであるのか、その趣旨目的を明らかにするために、同税制を簡単に確認することとしたい。
自動車重量税法1条《趣旨》は次のように同法の趣旨を述べる。
〈検証〉TPR事件 東京高裁判決 【第1回】
すでに解説したように、TPR事件の特徴として、適格合併を行う前に、被合併法人で行っていた事業を新会社に移転したという点が挙げられる。そのため、東京地裁でも、被合併法人が営んでいた事業、従業員が新会社に移転し、合併法人には移転していないことから、本件合併が繰越欠損金を引き継ぐための行為であり、事業目的が十分に認められないと判断している。この点については、裁判官の心証によるものも大きく、判決文だけでは判断できないものも多いため、敢えて分析を行う必要もないと思われる。
これに対し、包括的租税回避防止規定(法法132の2)の適用は、制度趣旨に反することが明らかであることが前提となっているものの、そもそも東京地裁、東京高裁が示した制度趣旨に問題があるという点については、再度、分析を行う必要があると考えている。