さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第99回】「IBM事件」~東京地判平成26年5月9日(税務訴訟資料264号順号12469)、東京高判平成27年3月25日(税務訴訟資料265号順号12639)~
X社が、その子会社であるC社に対してC社の株式の一部を譲渡することによって譲渡損失を生じさせ、その額を所得の金額の計算上損金の額に算入することによって法人税の負担を減少させたことは、法人税法132条1項にいう「不当」なものと評価できるか。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第44回】「外国会社株式等がある場合における法人版事業承継税制のみなし相続時における納税猶予税額の計算」
前回の設問において先代経営者甲は令和5年10月16日に後継者乙にA社株式40,000株(発行済株式総数の全て)の贈与を行い、法人版事業承継税制(特例措置)に係る贈与税の納税猶予の適用を受け、贈与税の申告を行いましたが、甲は令和6年6月1日に相続が発生しました。
この場合には、特例株式等の価額が相続財産に加算され、相続税の納税猶予の適用を受けることができますが、実際に納付すべき相続税及び猶予される相続税について教えてください。
monthly TAX views -No.137-「コワイのは選挙の後の「市場」の評価」
低迷する内閣支持率のもとで、秋の自民党総裁選挙まで解散はなくなったというのが大方の見方だ。
この間野党は、政権交代を目指して選挙公約を練ることになる。筆者のところにも相談があるので、次のように答えている。
令和6年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第1回】
令和6年度税制改正では、グループ通算制度独自の税制についての改正は行われていないが、単体制度及び通算制度に共通の税制について、グループ通算制度特有の取扱いの改正が行われている。
具体的には、令和6年度のグループ通算制度に係る改正事項は次のとおりとなる。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例64】「販売代理店を海外旅行へ招待する費用の損金性」
さて、わが社の業績はフランチャイズ店の頑張り次第で大部分が決まってくることから、わが社はフランチャイズ店の士気を高める様々な工夫を凝らしております。その工夫の主たる方法として、インセンティブプランがあります。その内容は、売上金額に応じたキャッシュバック(ロイヤルティー)が中心ですが、その上乗せとして、売上金額上位5位以内のフランチャイズ店と、売上金額の伸び率上位5位以内のフランチャイズ店を対象とした海外旅行プラン(シンガポール3泊5日)があります。しかしながら、当該インセンティブプランにつき、先日来受けている税務調査で問題視されています。すなわち、国税局の調査官によれば、キャッシュバックプランはともかくとして、フランチャイズ店を対象とした海外旅行は純粋に個人事業主に対する慰安や接待というべき性質のものであり、法人税法上は交際費等に該当することから、中小法人に該当しないわが社の場合、全額が損金不算入になるというのです。
キャッシュバックプランと同じ意図を持ったインセンティブプランであるにもかかわらず、一方は損金算入、もう一方は損金不算入というのでは、ご都合主義としか言いようがないように思えますが、国税局の解釈は正当といえるのでしょうか、教えてください。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第42回】「外国子会社合算税制における特殊関係非居住者」
外国子会社合算税制において、居住者ないし内国法人と区別せず、特殊関係非居住者の有する株式等も外国関係会社の判定上考慮される趣旨はどのようなものですか。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第46回】
審判所は、次のとおり、課税処分においては、原則として、原処分庁がその課税要件事実についての主張立証責任を負い、雑所得の金額の計算上控除する暗号資産の取引に係る損失の金額についても、原処分庁がその主張立証責任を負うとした上で、請求人が積極的に暗号資産の取引に係る損失の金額を主張立証しない場合には、当該損失の金額が存在しないことが事実上推認されるとしている。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第19回】「税務上「錯誤無効」が許容される余地はあるか」
① 監督官庁の許認可を要する法人である審査請求人(請求人)は、株式会社A(A社)を分社型分割により新たに設立し、請求人の純資産額(資本金等の額1,000万円+利益積立金額3億7,300万円)の85%に当たる資産(3億2,600万円)をA社に承継し、その対価としてA社からA社普通株式200株の発行を受けた。
② 請求人と請求人代表者の弟であるBは、請求人が有するA社株式200株をBに譲渡し、その対価として、Bが有する請求人の普通株式170株を請求人が譲り受ける旨の株式譲渡契約(本件譲渡契約)を締結した。
③ 原処分庁は、本件譲渡契約に基づきBが請求人からA社株式の譲渡を受けたことは、いわゆるみなし配当の対象になるとして、源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分をした。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第39回】「課税処分相互間の関係」-課税処分取消訴訟の訴訟要件(広義の訴えの利益)を中心に-
納税義務の確定制度とりわけ申告納税制度においては、納税義務の確定行為相互間の関係、すなわち、納税申告相互間の関係、納税申告と課税処分との関係及び課税処分相互間の関係が問題になる(谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」第11回4、第15回2・3も参照)。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例135(法人税)】 「外国親会社が被支配会社であり、「留保金課税」の適用があるにもかかわらず、被支配会社でないものと思い込み、適用せずに申告していたため、税務調査を受け修正申告となった事例」
X4年3月期からX8年3月期の法人税につき、外国親会社が被支配会社であり、「特定同族会社の特別税率」(以下「留保金課税」という)の適用があるにもかかわらず、被支配会社でないものと思い込み、適用せずに申告した。これを税務調査で指摘され、修正申告することになってしまった。
税理士は依頼者より、当初申告において「留保金課税」の適用がある旨の説明を受けていれば、配当を行うことで、「留保金課税」は回避できたとして、「留保金課税」に係る修正税額につき損害賠償請求を受けた。
