租税争訟レポート 【第75回】「更正しないとの通知処分取消請求事件~飲食代金の交際費等該当性(東京地方裁判所令和5年5月12日判決)」
原告らは、京橋税務署の職員らによる実地調査(平成29年1月16日に原告1、同年2月13日に原告2に対し開始された各調査をいい、以下、これらを併せて「本件実地調査」という)を受けたところ、原告らが法人税の確定申告において交際費及びその他の費用として計上した飲食等の代金の一部(以下、「本件各支出」という)は、租税特別措置法61条の4第4項(当時。現行法では同条第6項。以下同じ)に定める交際費等に当たらず損金の額に算入することができないなどと指摘された。
〔令和6年度税制改正〕中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充・延長 【第2回】
なお、特定株式等の取得価額に90%(100%)を乗じて計算した金額は、その適用事業年度においてその特定株式等の帳簿価額を減額した場合には、その減額した金額のうちその適用事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額に相当する金額を控除した金額とする(措法56①)。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第52回】
・本信託は指定参加者に対し、10,000口の持分で構成されるバスケットを継続的に提供する。
・本信託による本件持分の設定又は償還は、バスケット単位で行われる。各バスケットは10,000口の持分で構成されている。
・指定参加者は、1つ又は複数のバスケットを購入又は償還する注文ごとに取引手数料を支払う。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第45回】「外国法人に対する渡航費等の支払に係る所得税等の源泉徴収義務」
外国芸能法人等に対し、報酬とは別に支払われる渡航費等は所得税等の源泉徴収の対象とされるのでしょうか。
《速報解説》 国税不服審判所「公表裁決事例(令和6年1月~3月)」~注目事例の紹介~
国税不服審判所は、2024(令和6)年9月25日、「令和6年1月から令和6年3月までの裁決事例の追加等」を公表した。追加で公表された裁決は表のとおり、国税通則法関係が3件、法人税法関係、相続税法関係及び国税徴収法関係が各2件に加え、所得税法関係が1件で、合計10件となっている。
《速報解説》 中小企業庁、R6改正に対応した「中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック」等を公表~繰越控除措置の適用には確定申告時に明細書の添付を要する旨示す~
改正を受け、当初8月下旬に公表との予告がなされていた「中小企業向け賃上げ促進税制ご利用ガイドブック(令和6年9月20日更新)」(以下「中小企業向けガイドブック」という)及び「中小企業向け賃上げ促進税制よくあるご質問Q&A集(令和6年9月20日更新)」だが、去る9月20日に公表のはこびとなった。
《速報解説》 国税庁、定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係)を改訂~令和6年分年末調整に係る様式等の公表に伴い既存7問を修正~
9月24日、国税庁は「令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係)」を改訂した。8月にも同Q&Aの改訂は行われたばかりだが、令和6年分年末調整に係る様式等の公表に合わせて既存問の修正が行われている。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第42回】「処分理由の差替えに対する手続的保障原則・司法的救済保障原則の貫徹」-総額主義・争点主義論における最判昭和56年7月14日民集35巻5号901頁の位置づけ-
前々回は青色申告に対する更正処分(いわゆる青色更正)の理由附記に関する判例法理を検討したが、今回は、課税処分に処分時に附記された理由(以下では単に「処分理由」ないし「附記理由」という)と異なる理由を取消訴訟において主張することが許されるかといういわゆる処分理由の差替えの問題について検討することにする。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第46回】「別表6(24) 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(24)付表一 給与等支給額、比較教育訓練費の額及び翌期繰越税額控除限度超過額の計算に関する明細書」
実務でも適用する企業が多いと思われる、いわゆる「賃上げ促進税制」のうち中小企業向けの記載の仕方を取り上げる。
令和6年度税制改正では、新たに対象法人の区分が設けられ、控除率や中小企業向けの措置では控除できなかった金額を翌期以後5年間繰り越すことが可能となるなど、制度内容が大幅に改正されている。
また、別表番号が、それぞれ「6(26)、6(26)付表一」から「6(24)、6(24)付表一」に変更となり、税制改正にあわせて改訂されている。
〔令和6年度税制改正〕中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充・延長 【第1回】
本稿は、令和6年度税制改正大綱公表時に速報解説として寄稿した「中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充・延長」について、改正法令を踏まえ、改めて解説する内容である。
なお、中小企業事業再編投資損失準備金制度(以下、「本制度」という)の拡充・延長内容の把握に有用と思われる範囲で補足しているが、これらはあくまで現時点で公表済みの情報によるものであり、今後の更新情報に留意されたい。また、文中の意見に関する部分は、所属する団体や組織の公式見解ではなく筆者の私見であることを申し添える。