monthly TAX views -No.144-「「在老」緩和と公的年金等控除の見直し」-連動する年金改正と税制改正-
今年の通常国会は、予算、税制改正法の成立が終われば、年金改正の議論に移る。厚生労働省が与党に示した案では、パートが厚生年金に加入する要件の見直し(106万円の壁の撤廃など)や高所得者の厚生年金の保険料引上げ等に加えて、在職者老齢年金制度(以下「在老」)の基準の引上げも含まれている。
〔令和7年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第1回】「賃上げ促進税制の強化」
令和6年度税制改正における改正事項を中心として、令和7年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。本連載では、その中でも主なものを解説する。
【第1回】は、「賃上げ促進税制の強化」について解説する。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例71】「自己破産した債務者に対する債権の損金算入時期」
さて、そのような中、新たな頭痛の種となっているのが、先週から受けている税務調査です。今回は、個人向けの貸金の中に、自己破産した債務者(故人)のものがあり、当該債務者に相続人がいないことから、債務者が死亡した時点で損金処理したところ、調査官がそれは認められないと主張しているというものです。調査官は、故人が自己破産したのは死亡する2期前の事業年度であり、その時点で直ちに貸倒損失に係る損金算入をすべきところ、死亡した事業年度まで損金算入を繰り延べたのは、利益調整のためであると決めつけています。債務者の自己破産の時点では貸倒損失が確定したとはいえず、死亡時点においてそれが確定し損金算入するのが妥当と考えますが、税法の観点からはどのように考えるべきなのでしょうか、教えてください。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q90】「相続した株式と同一銘柄の株式を譲渡した場合の譲渡所得の計算」
私(居住者たる個人)は、昨年、相続によりA株式(上場)を取得しました。今年になって、A株式を譲渡しましたが、相続により取得したもののほかに、市場で購入したものもあります。この場合、譲渡所得の計算は、どのように行うことになるのでしょうか。また、A株式は源泉徴収を選択した特定口座で保有していますが、留意点があれば教えてください。
租税争訟レポート 【第77回】「所得税等の各更正処分並びに過少申告加算税の各賦課決定処分の取消請求事件~青色事業専従者給与の適正額(第1審:長野地方裁判所令和4年12月9日判決、控訴審:東京高等裁判所令和5年8月3日判決)」
本件は、長野県岡谷市内に開設された診療所で内科等の医業を営む医師であり、青色申告の承認を受けている原告が、平成28年分から平成30年分の所得税及び復興特別所得税(以下「所得税等」と総称する)の各確定申告について、看護師である自己の配偶者に支払ったとする青色事業専従者給与年額1,800万円(月額100万円+賞与300万円×2回)の相当性を一部否認して、処分行政庁がした増額更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各処分」と総称する)は違法であると主張して、更正処分の増額部分及び過少申告加算税の賦課決定処分の取消しを求める事案である。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第49回】「国際的組織再編に対する法人税法132条1項適用の是非」
本連載【第27回】で取り上げたユニバーサルミュージック事件以外でもIBM事件が知られており、そこでは、課税当局の「納税者が行った一連の行為は、法人税の負担を減少させる不当なものと評価されるべき」という主張は、裁判所に提出された全証拠によっても認め難いという判断が示されました。
《速報解説》 令和7年度税制改正関連法案が公表される~法案段階では年収103万円の壁の引上げ幅等についてR7大綱と同様の記載~
2月5日(金)、財務省ホームページにおいて令和7年度税制改正の関連法案となる「所得税法等の一部を改正する法律案」が公表された。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例142(消費税)】 「「相続があった場合の納税義務の免除の特例」により、令和5年1月から課税事業者であったが、これに気付かず「2割特例」を適用して申告してしまった事例」
令和5年及び令和6年3月期(課税期間を短縮している)の消費税につき、令和4年1月に依頼者の夫が死亡したため、「相続があった場合の納税義務の免除の特例」により令和5年1月から課税事業者であったが、税理士はこれに気付かず、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して、令和5年10月から2ヶ月分の消費税を2割特例を適用して申告した。
しかし、令和5年1月から課税事業者であり、2割特例は適用できないことから、所轄税務署より指摘を受け、令和5年分の消費税を原則課税で修正申告することになってしまった。これにより、依頼者より、事前に課税事業者であると分かっていれば有利な簡易課税を選択したとして、有利な簡易課税と不利な原則課税との差額につき損害賠償請求を受けた。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第13回】「学会において決済代行会社を利用する場合の税務上の留意点」
本学会(適格請求書発行事業者)は、セミナーや講習会を開催するにあたり、決済代行会社を利用して参加費を集めていますが、その場合における税務上の留意点について教えてください。