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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第56回】「中央出版事件-旧信託法下における外国籍の孫への海外信託贈与-(地判平23.3.24、高判平25.4.3、最判平26.7.15)(その1)」~(平成19年改正前)相続税法4条1項、2項4号、5~9条、(平成18年改正前)信託法1条、(平成18年改正後)信託法2条~

X(原告・被控訴人)の祖父Fは、平成16年8月4日に米国ニュージャージー州法に準拠して、Fを委託者、米国の信託銀行G社を受託者(以下単に「G」)、Xを受益者とし、券面額500万ドルの米国債を信託財産とする信託を設定したところ、処分行政庁(以下「Y」)はこの信託行為につき平成19年改正前相続税法4条1項(以下、単に「4条1項」)を適用して贈与税の決定処分等をしたことから、Xがその取消しを求めて提訴した事案である。

#No. 590(掲載号)
# 中野 洋
2024/10/17

酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第136回】「消費税の性質論(その4)」

本件判決は、「消費者は、消費税の実質的負担者ではあるが、消費税の納税義務者であるとは到底いえない。」と断じており、納税者の主張を排斥している。
これは、本件判決が論じるとおり、消費税法にも税制改革法にも消費者が消費税の納税義務者とは規定されていないことからすれば当然の結論のように思われるが、果たして、そもそも、「消費税の実質的負担者ではあるが」とする説示の部分は正解しているといえるのであろうか。

#No. 589(掲載号)
# 酒井 克彦
2024/10/10

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第31回】「国税通則法75条(~77条の2・80条)」-租税不服申立要件-

国税通則法第8章は「不服審査及び訴訟」に関する規定を定めている。同章の規定はいわゆる租税争訟ないし税務争訟に関する規定であり、税法の体系上は、納税義務の成立・承継及び消滅に関する法(租税実体法)に対して目的従属的な関係に立つ租税手続法のうち、成立した納税義務の確定及び履行の過程に関する法(税通第2章~第7章の3及び税徴。租税行政法)と並ぶ納税者の権利救済に関する法(租税争訟法ないし租税救済法)に属する(拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)【86】参照)。

#No. 589(掲載号)
# 谷口 勢津夫
2024/10/10

国際課税レポート 【第7回】「国連『国際租税協力枠組条約』とは何か」

本稿では、今後、2024年12月に開催される第79回国連総会で採択される見込みとなった「枠組条約」及び「議定書」の骨子案について簡単に紹介するとともに、OECDとは別にこうした議論が登場した背景、そして国際的な租税ポリシー形成に与える影響について考えてみたい。

#No. 589(掲載号)
# 岡 直樹
2024/10/10

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第47回】「〔第5表〕直前期末の直前に土地の売買契約を締結した場合の買主法人における資産の部及び負債の部の計上金額の留意点」

経営者甲(令和6年8月1日相続開始)が100%所有している甲株式会社の株式を長男が相続していますが、甲株式会社の資産の中に駐車場として賃貸しているA土地があります。A土地は令和6年3月1日に売買契約を締結し、同日に10,000千円の手付金を支払い、令和6年6月1日に引渡しを行っています。
甲株式会社は3月決算で直前期末は令和6年3月31日となり、売買契約の内容及び時系列の詳細は、下記の通りです。

#No. 589(掲載号)
# 柴田 健次
2024/10/10

〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第2回】「外国企業に技術開発費用や金型製作費名目で送金した金額に係る消費税の取扱い」

外国の提携企業に新製品の製造を委託しました。完成した製品は日本に輸入しますが、製造にあたって技術開発や金型製作が必要であることから、輸入に先立って技術開発に要する費用や金型製作費を送金しました。
なお、完成した製品を輸入する際の仕入書(インボイス)の価格は、この技術開発費用や金型製作費を除いた金額となっています。技術開発費用や金型製作費に日本の消費税はかからないと考えてよいのでしょうか。

#No. 589(掲載号)
# 石川 幸恵
2024/10/10

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第65回】「高所得者に対する所得税の改正」

私は、医療機器の製造販売を行うX社の創業者で、X社の株式は私が100%所有しています。X社の業績は堅調ですが、私には親族や従業員の中に後継者がいないため、M&Aによる第三者への事業承継を行いたいと考え準備してきましたところ、最近、M&Aの仲介会社からM&A先の紹介を受けました。仲介会社から、2025年以降に株式を売却する場合には所得税が増税になるので、今年中に売却した方がよいと聞いたのですが、具体的にどのように影響するのか教えてください。

#No. 589(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2024/10/10

monthly TAX views -No.140-「石破新総理は宿題を片付けられるのか」

石破総理が誕生した。劇的な逆転勝利であった。筆者は、「最後に自民党の良識が働いた」ことが勝因だと考えている。一方総理就任直後から、党内基盤の弱さからくる政策遂行能力への疑問が呈され始めている。今後は、どのようなパワーバランスの下で政策形成が行われていくのか注目だ。

#No. 588(掲載号)
# 森信 茂樹
2024/10/03

法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例67】「医療法人が給食材料費名目で支払った金銭の損金性」

そのようなわが法人グループの血のにじむような経営努力に対し、先日来受けている税務調査で、水を差すような指摘を受け、法人の理事長は大変憤りを露わにしております。すなわち、わが法人グループの中核である病院における入院患者に対する給食事業につき、これまでグループ外部の業者に委託しておりましたが、別途理事長やその親族が出資する株式会社を通じて行うように変更したことが問題だというのです。わが法人グループの事業をどのように行おうが経営陣の裁量の範囲内であり、税務署に口出しされるいわれはないと思うのですが、税務署は「給食事業のノウハウのない法人を契約書もなく関与させるのは医療法人の悪質な利益調整であり、当該法人への支払いは寄附金に該当する」として課税すべきとし、かつ重加算税も賦課すると主張します。税務署のこのような主張は私人への不当な介入であり、重加算税の賦課などはもってのほかと考えますが、税法上はどのように考えるのでしょうか、教えてください。

#No. 588(掲載号)
# 安部 和彦
2024/10/03

租税争訟レポート 【第75回】「更正しないとの通知処分取消請求事件~飲食代金の交際費等該当性(東京地方裁判所令和5年5月12日判決)」

原告らは、京橋税務署の職員らによる実地調査(平成29年1月16日に原告1、同年2月13日に原告2に対し開始された各調査をいい、以下、これらを併せて「本件実地調査」という)を受けたところ、原告らが法人税の確定申告において交際費及びその他の費用として計上した飲食等の代金の一部(以下、「本件各支出」という)は、租税特別措置法61条の4第4項(当時。現行法では同条第6項。以下同じ)に定める交際費等に当たらず損金の額に算入することができないなどと指摘された。

#No. 588(掲載号)
# 米澤 勝
2024/10/03
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