税務
税務分野に関する実務解説および最新情報を体系的にまとめたカテゴリです。法人税・所得税・消費税・相続税・国際課税など主要税目の制度解説から、税制改正情報、通達・判例の読み解き、実務対応のポイントまで幅広く掲載しています。企業の経理担当者や税理士事務所職員など、実務に携わる方が現場で活用できる視点を重視し、論点整理や具体的な対応策を分かりやすく解説しています。各税目別の詳細カテゴリもあわせてご参照ください。
日本の企業税制 【第149回】「設備投資と研究開発投資の加速化」
政府は、3月6日に「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案」を、3月13日に「産業技術力強化法の一部を改正する法律案」を、それぞれ閣議決定して同日に国会に提出した。
前者については、国際経済事情の変化、資源価格の変動等による物価の継続的な上昇、人口減少や少子高齢化等の経済社会情勢が変化する中、わが国の産業競争力の一層の強化を図る必要性が高まっていることが背景にある。そのために企業の事業活動を持続的に発展させることが重要となっていることから、国内投資の促進による事業の高付加価値化と、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化を推し進めるとともに、事業活動の基盤となる産業用地の整備や担い手の確保に資する生活基盤の維持を図るために一体的に支援措置を講じるものである。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第79回】「定期同額給与と会計処理」
当社は、総会決議等が存在していません。また、役員報酬の支給やその給与額の計算自体も事実上は年度末に一括で処理をしています。
この前提で、毎月支給しているものとして税務上の定期同額給与に該当すると考えることは可能でしょうか。
相続税の実務問答 【第117回】「相続時精算課税を適用した財産の評価額が誤っていた場合の相続税の申告」
私は、平成25年に、父からH市の宅地の贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をしました。この宅地の面積は、660㎡です。申告に当たり、当時の財産評価基本通達の定めにより広大地として評価することを検討しましたが、関与税理士から「この土地の最適な利用方法は、マンションの敷地としての利用であると認められるから、広大地としての評価をすることはできない」と言われ、広大地としての減額評価をせずに贈与税の申告をしました。
昨年8月に父が亡くなりましたので、父から贈与された宅地の贈与時の価額を相続税の課税価格に加算して相続税の申告をしなければなりません。私としては、この宅地を「広大地」として評価することはできないとの当時の判断に納得がいかないので、相続税の申告において相続税の課税価格に加算するこの宅地の価額について広大地評価通達を適用して評価した価額としたいのですが、可能でしょうか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第92回】「日星両国の複数法人代表の居住者該当性が争われた事例(東地令5.4.12)(その1)」~所得税法2条1項3号~
原告会社及びその代表者である原告Xが、平成25年5月24日に、同月30日(以下「本件転出日」という)をもって東京都江戸川区(以下「本件転出前住所登録地」という)からシンガポール共和国(以下「シンガポール」という)へ転出する旨の届出(以下「本件届出」という)をし、原告Xが平成25年(本件転出日後)から平成27年において所得税法2条1項3号が定める「居住者」に該当するとしてされた原告更正処分等及び原告賦課決定処分並びに平成25年6月分から平成27年12月分までの原告会社納税告知処分等及び原告会社賦課決定処分等を違法として取消しを求めた事案。
《速報解説》 名古屋国税局、非居住者となった場合の上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用について文書回答事例を公表~恒久的施設を有しない非居住者でも損失申告書の提出が可能であることを示す~
名古屋国税局は、令和8年2月25日付(ホームページ掲載日は令和8年3月13日)で回答した文書回答事例「非居住者となった場合の上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の適用について(恒久的施設を有しない非居住者であった期間における損失申告書の提出の可否)」を公表した。
《速報解説》 令和8年度改正、所得税法別表第五に措置法特例の給与所得控除「+5万円」は反映されず~年末調整での取扱いに注意~
令和8年度税制改正法案では、給与所得控除の最低保障額について、所得税法本則の改正により65万円から69万円への引上げが行われるとともに、租税特別措置法第29条の4《給与所得控除の最低控除額等の特例》の新設により、令和8年・9年の2年間に限り、給与等の収入金額が220万円以下の場合にはさらに5万円上乗せし74万円とする特例が設けられている。
この特例は、基礎控除の特例(措置法第41条の16の2)とあわせて、いわゆる「課税最低限178万円」を実現するための時限措置として位置づけられるものである。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第40回】「国税通則法116条」-税務訴訟における国税通則法と行政事件訴訟法との連続性とその限界(その3)-
前々回から、「税務訴訟における国税通則法と行政事件訴訟法との連続性とその限界」という副題の下で、国税通則法114条及び115条を主題として、租税手続法のうち租税行政法の論理を租税訴訟法において承継するか(連続性)又は遮断するか(限界)を検討してきたが、今回は、「納税環境の整備」の一環として昭和59年度税制改正で改正された国税通則法116条(原告が行うべき証拠の申出)について、同様の検討を行うことにする。
その検討に入る前に、国税通則法116条の用語について簡単に確認しておくと、同条1項は「国税に関する法律に基づく処分」(税通75条1項、115条1項柱書括弧書)のうち「更正決定等及び納税の告知」のみを対象にしている。ここで「更正決定等」とは、「更正若しくは第25条(決定)の規定による決定又は賦課決定」(同58条1項1号イ)をいい、「納税の告知」については国税通則法36条が定めるところである。これらの処分は国税通則法116条1項においては「課税処分」と称されるが、これは「納付すべき税額」(同16条・24条~26条・32条、36条2項)に係る処分である。
社長からの無理難題の断り方・かわし方 【第3回】「SNS投稿用の衣装・バッグ等の購入費用」
先生、私は個人事業主としてSNSで収益を得ているんですけど、投稿用に買った衣装やバッグが結構な金額になっているの。
実際にSNSの投稿で使ってるから、これって全部経費でいいわよね?
私服としても使えそうだけど、ちゃんと仕事で使ってるんだから問題ないですよね?
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第88回】
しかしながら、前回のような調査手法によっても、暗号資産の匿名性や分散性がもたらす税務執行上の問題を完全に克服することはできない。
まず、メルカリ等で暗号資産取引の経験を積んだ利用者の一部が、暗号資産取引の世界のより深いところに足を踏み入れる可能性がある。
