公開日: 2013/03/07 (掲載号:No.9)
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〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕 消費税率の引上げに伴う実務上の注意点 【第13回】税率変更の問題点(12) 「経過措置に関する注意点(その3)」

筆者: 島添 浩

〔平成9年4月改正の事例を踏まえた〕

消費税率の引上げに伴う

実務上の注意点

【第13回】

税率変更の問題点(12)

「経過措置に関する注意点(その3)」

 

アースタックス税理士法人
税理士 島添 浩

 

4 資産の貸付けに関する経過措置について

(1) 経過措置の対象となる資産の貸付けの意義
資産の貸付けを行った場合の賃貸借契約において、その契約の締結日が施行日前であっても、施行日後の資産の貸付けに係る部分については、原則として新税率が適用されることとなるが、以下の経過措置の規定に該当する契約で指定日の前日までに契約した場合には、施行日以後の貸付けの対価の額についても旧税率が適用されることとなる。

《改正消費税法附則5条4項》
事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が、第1号及び第2号又は第1号及び第3号に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の貸付けに係る消費税については、旧消費税法第29条に規定する税率による。ただし、指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合には、当該変更後における当該資産の貸付けについては、この限りでない。

1 当該契約に係る資産の貸付けの期間及び当該期間中の対価の額が定められていること。

2 事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

3 契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないことその他対価に関する契約の内容が政令で定める要件に該当していること。

なお、事業者が、本経過措置の適用を受ける資産の貸付けを行った場合には、その相手方に対し、当該規定の適用を受けたものであることにつき書面により通知しなければならないこととしている(同附則5条8項)。

また、上記経過措置における1号及び2号の要件に該当する資産の貸付けとは、建物等の貸付けのことを前提としており、1号及び3号の要件に該当する資産の貸付けとは、資産等のリース契約のことを前提としている。

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実務上の注意点

【第13回】

税率変更の問題点(12)

「経過措置に関する注意点(その3)」

 

アースタックス税理士法人
税理士 島添 浩

 

4 資産の貸付けに関する経過措置について

(1) 経過措置の対象となる資産の貸付けの意義
資産の貸付けを行った場合の賃貸借契約において、その契約の締結日が施行日前であっても、施行日後の資産の貸付けに係る部分については、原則として新税率が適用されることとなるが、以下の経過措置の規定に該当する契約で指定日の前日までに契約した場合には、施行日以後の貸付けの対価の額についても旧税率が適用されることとなる。

《改正消費税法附則5条4項》
事業者が、平成8年10月1日から指定日の前日までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から施行日以後引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が、第1号及び第2号又は第1号及び第3号に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の貸付けに係る消費税については、旧消費税法第29条に規定する税率による。ただし、指定日以後に当該資産の貸付けの対価の額の変更が行われた場合には、当該変更後における当該資産の貸付けについては、この限りでない。

1 当該契約に係る資産の貸付けの期間及び当該期間中の対価の額が定められていること。

2 事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと

3 契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないことその他対価に関する契約の内容が政令で定める要件に該当していること。

なお、事業者が、本経過措置の適用を受ける資産の貸付けを行った場合には、その相手方に対し、当該規定の適用を受けたものであることにつき書面により通知しなければならないこととしている(同附則5条8項)。

また、上記経過措置における1号及び2号の要件に該当する資産の貸付けとは、建物等の貸付けのことを前提としており、1号及び3号の要件に該当する資産の貸付けとは、資産等のリース契約のことを前提としている。

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連載目次

筆者紹介

島添 浩

(しまぞえ・ひろし)

アースタックス税理士法人 代表社員
http://www.earth-tax.com/
税理士・CFP

1991年中央大学商学部会計学科卒業。大手生命保険会社、会計事務所での勤務を経て2000年に税理士登録(島添税務会計事務所設立)。事務所の規模を拡大し、2006年アースタックス税理士法人を設立し代表社員に就任。

現在、一般企業の税務顧問業の他、企業再編や相続事業承継対策など経営コンサルティング業務にも従事し、豊富な実務経験を活かして税法実務セミナーの講演(最近では「消費税法95%ルールの見直しで変わる消費税実務」、「消費税率変更に伴う実務対応ポイント」など)や執筆も数多くこなしている。

また、1998年より資格の学校TACにて税理士講座、税法実務講座、FP講座にて税法の講師も務めており、実務に役立つ実践的な講義を行っている。

【著書・論文】
・『みんなが知りたかった! 老後のお金』監修(TAC出版)
・『税率変更後に留意すべき消費税の実務』(税務研究会)
・『Q&A 改正消費税の経過措置と転嫁・価格表示の実務』共著(清文社)
・『イギリスの住宅・不動産税制』共著(財団法人日本住宅総合センター)
・『所得税入門講義』(TAC)
・『やるぞ!年収300万円からの確定申告』(株式会社リオ)
・「所得税・住民税の税率変更」『税経セミナー』(2007年3月号)
・「消費税法における仕入税額控除の適用要件について」『国士舘法研論集』(第3号)
など

関連書籍

演習消費税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編 金井恵美子 著

消費税申告書作成事例集

税理士 上西左大信 監修 公認会計士・税理士 田淵正信 編著 税理士・中小企業診断士 大庭みどり 著 税理士 山野展弘 著 公認会計士・税理士 圓尾紀憲 著 公認会計士・税理士 久保 亮 著 公認会計士・税理士 德丸公義 著 公認会計士・税理士 本岡正則 著 公認会計士・税理士 岸本拡之 著 公認会計士・税理士 本田壽秀 著 公認会計士・税理士 坂田眞二 著

はじめてのインボイス登録と消費税の申告

税理士 小谷羊太 監修 税理士 森本耕平 著

インボイス制度の仕入税額控除

税理士 金井恵美子 著

プロフェッショナル 消費税の実務

税理士 金井恵美子 著

【電子書籍版】会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

STEP式 消費税申告書の作成手順

税理士 石原健次 監修 税理士 田部純一 共著 税理士 三野友行 共著 税理士 田中信大 共著 税理士 平安孝至 共著 税理士 船橋 充 共著

会計税務便覧

日本公認会計士協会東京会 編

完全理解 消費税インボイス制度

税理士 森田 修 著

消費税実務問答集

椿 健一 編

クマオーの基礎からわかる消費税

税理士 熊王征秀 著

【電子書籍版】令和5年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

令和5年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

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