生産性向上設備投資促進税制の実務
【第1回】
「先端設備の要件」
税理士法人オランジェ 代表社員
税理士 石田 寿行
はじめに
昨年(平成25年)10月1日に「民間投資活性化等のための税制改正大網」が決定され、消費税率引上げに伴う駆け込み需要や反動減リスクに対応するとともに、民間投資を活性化させるための税制措置等については、通常の年度改正から切り離して前倒しで決定するとされ、「生産性の向上につながる設備投資を促進するための税制措置」(以下、生産性向上設備投資促進税制)が創設された。
本連載では、生産性向上設備投資促進税制(措法42の12の5)について、要件の確認から手続面までを解説する。
1 制度の概要
青色申告書を提出する法人が、産業競争力強化法施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までに生産等設備を構成する「先端設備」及び「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」で一定の規模以上のものの取得等をして、国内にあるその法人の事業の用に供した場合には、特別償却又は税額控除の選択適用ができる。
ただし、税額控除における控除額は、当期の法人税額の20%を上限とする。
特別償却の割合、税額控除の割合は以下の通りである(措法42の12の5①②⑦⑧)。
(注) 平成26年4月1日前に終了する事業年度において産業競争力強化法施行日(平成26年1月20日)から平成26年3月31日までの間に対象資産の取得をした場合には、平成26年4月1日を含む事業年度において特別償却又は税額控除ができる(措法42の12の5③⑨)。
2 対象設備
具体的な対象設備は、
(1) 先端設備
(2) 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
の大きく2つに分類される(産強法2、経産規5)。
今回は「先端設備」について解説し、「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」については次回取り上げる。
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