法人税の解釈をめぐる論点整理
《役員給与》編
【第8回】
弁護士 木村 浩之
6 退職給与
(1) 退職給与の意義
退職給与は、退職により支払われる臨時的な給与として、長年の勤務に対する勤続報償的な性質を有するものと解されており、法人税法上、基本的に損金算入が認められる。
もっとも、役員に対して支給される場合、また、役員でなくても、役員の親族など特殊の関係のある使用人(特殊関係使用人)に対して支給される場合には、退職給与の支給が利益調整などに利用されるおそれがあることから、退職給与の額のうち不相当に高額な部分の金額(過大退職給与)については、法人税法上、損金算入が否定される(法法34②、36)。
ここでいう退職給与については、本来退職しなかったならば支払われなかったものであり、退職に起因する給与という実質を有するものであれば、その名目いかんにかかわらず、退職給与に該当することになる。したがって、経済的利益の供与や現物給付によるものであっても、その実質が過去の労務提供の対価に相当するものであれば、退職給与に該当することになる。
他方、そのような実質を伴わないものであれば、たとえ退職手当等の名目を有していたとしても、退職給与には該当しないことになる。
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