公開日: 2016/04/07 (掲載号:No.164)
文字サイズ

特定株主等によって支配された欠損等法人の欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~ 【第6回】「〈事例4〉欠損等法人を適格合併又は清算で整理するケース(第4号事由)」

筆者: 足立 好幸

特定株主等によって支配された欠損等法人
欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い
~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~

【第6回】

「〈事例4〉欠損等法人を適格合併又は清算で
整理するケース(第4号事由)」

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト パートナー
足立 好幸

 

〈事例4〉

欠損等法人を適格合併又は清算で整理するケース(第4号事由)

〈事例1〉【第3回】参照)において、欠損等法人A社が、100%事業子会社であるB社を吸収合併する場合は、第1号事由に該当するため、A社及びB社の繰越欠損金が切り捨てられてしまうことがわかったため、B社を合併法人、A社を被合併法人とした逆さ合併をするか(合併日を平成28年1月1日とする)、B社株式をP社に譲渡した後にA社を清算するか(残余財産確定日を平成28年1月1日とする)、のいずれかを検討している。

なお、の場合、100%親子間合併のため適格合併(法法2十二号の八、法令4の3②)となり、の場合、A社では、株式譲渡損30百万円(B社株式の税務上の帳簿価額100百万円-B社の時価純資産価額70百万円)が発生する。

この場合は、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)については適用されるのであろうか。

《検討》

〈事例1〉のように、買収したい会社に、休眠会社がおまけのようについてくる場合、何らかの方法により、休眠会社を整理する必要が生じる。この場合、欠損等法人となる休眠会社を合併法人、事業子会社を被合併法人とした合併をすると、休眠会社及び事業子会社の繰越欠損金と含み損に使用制限が生じてしまう。

そこで、本ケースのように休眠会社を被合併法人、事業子会社を合併法人とする逆さ合併を行うか、休眠会社を清算するか、のいずれかについて、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)が適用されるかを検討する必要が生じる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

特定株主等によって支配された欠損等法人
欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い
~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~

【第6回】

「〈事例4〉欠損等法人を適格合併又は清算で
整理するケース(第4号事由)」

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト パートナー
足立 好幸

 

〈事例4〉

欠損等法人を適格合併又は清算で整理するケース(第4号事由)

〈事例1〉【第3回】参照)において、欠損等法人A社が、100%事業子会社であるB社を吸収合併する場合は、第1号事由に該当するため、A社及びB社の繰越欠損金が切り捨てられてしまうことがわかったため、B社を合併法人、A社を被合併法人とした逆さ合併をするか(合併日を平成28年1月1日とする)、B社株式をP社に譲渡した後にA社を清算するか(残余財産確定日を平成28年1月1日とする)、のいずれかを検討している。

なお、の場合、100%親子間合併のため適格合併(法法2十二号の八、法令4の3②)となり、の場合、A社では、株式譲渡損30百万円(B社株式の税務上の帳簿価額100百万円-B社の時価純資産価額70百万円)が発生する。

この場合は、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)については適用されるのであろうか。

《検討》

〈事例1〉のように、買収したい会社に、休眠会社がおまけのようについてくる場合、何らかの方法により、休眠会社を整理する必要が生じる。この場合、欠損等法人となる休眠会社を合併法人、事業子会社を被合併法人とした合併をすると、休眠会社及び事業子会社の繰越欠損金と含み損に使用制限が生じてしまう。

そこで、本ケースのように休眠会社を被合併法人、事業子会社を合併法人とする逆さ合併を行うか、休眠会社を清算するか、のいずれかについて、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)が適用されるかを検討する必要が生じる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

筆者紹介

足立 好幸

(あだち・よしゆき)

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト

グループ通算制度・連結納税制度・組織再編税制を専門にグループ企業の税制最適化、企業グループ税制に係る業務を行う。

著書に、『令和6年10月改訂 プロフェッショナル グループ通算制度』『グループ通算制度への移行・採用の有利・不利とシミュレーション』『グループ法人税制Q&A』『M&A・組織再編のスキーム選択』(以上、清文社)、『グループ通算制度の実務Q&A』『グループ通算制度の税効果会計』『早わかり 連結納税制度の見直しQ&A-グループ通算制度の創設で何が変わる?』『ケーススタディでわかる連結納税申告書の作り方』『連結納税の組織再編税制ケーススタディ』『連結納税の清算課税ケーススタディ』『連結納税の欠損金Q&A』『連結納税導入プロジェクト』(以上、中央経済社)など多数。
 

関連書籍

法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

プロフェッショナル グループ通算制度

公認会計士・税理士 足立好幸 著

詳解 組織再編会計Q&A

公認会計士 布施伸章 著

重点解説 法人税申告の実務

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

サクサクわかる! M&Aの税務

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

中小企業の事業承継

税理士 牧口晴一 著 名古屋商科大学大学院教授 齋藤孝一 著

演習法人税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

【電子書籍版】法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

〔目的別〕組織再編の最適スキーム

公認会計士・税理士 貝沼 彩 著 公認会計士・税理士 北山雅一 著 税理士 清水博崇 著 司法書士・社会保険労務士 齊藤修一 著

組織再編税制大全

公認会計士・税理士 佐藤信祐 著

詳解 グループ通算制度Q&A

デロイト トーマツ税理士法人 稲見誠一・大野久子 監修

法人税申告書と決算書の作成手順

税理士 杉田宗久 共著 税理士 岡野敏明 共著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#