特定株主等によって支配された欠損等法人の
欠損金の繰越しの不適用(法人税法57条の2)の取扱い
~「繰越欠損金の使用制限」が形式的に適用される事例の検討~
【第6回】
「〈事例4〉欠損等法人を適格合併又は清算で
整理するケース(第4号事由)」
公認会計士・税理士
税理士法人トラスト パートナー
足立 好幸
〈事例4〉
欠損等法人を適格合併又は清算で整理するケース(第4号事由)
〈事例1〉(【第3回】参照)において、欠損等法人A社が、100%事業子会社であるB社を吸収合併する場合は、第1号事由に該当するため、A社及びB社の繰越欠損金が切り捨てられてしまうことがわかったため、①B社を合併法人、A社を被合併法人とした逆さ合併をするか(合併日を平成28年1月1日とする)、②B社株式をP社に譲渡した後にA社を清算するか(残余財産確定日を平成28年1月1日とする)、のいずれかを検討している。
なお、①の場合、100%親子間合併のため適格合併(法法2十二号の八、法令4の3②)となり、②の場合、A社では、株式譲渡損30百万円(B社株式の税務上の帳簿価額100百万円-B社の時価純資産価額70百万円)が発生する。
この場合は、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)については適用されるのであろうか。
《検討》
〈事例1〉のように、買収したい会社に、休眠会社がおまけのようについてくる場合、何らかの方法により、休眠会社を整理する必要が生じる。この場合、欠損等法人となる休眠会社を合併法人、事業子会社を被合併法人とした合併をすると、休眠会社及び事業子会社の繰越欠損金と含み損に使用制限が生じてしまう。そこで、本ケースのように①休眠会社を被合併法人、事業子会社を合併法人とする逆さ合併を行うか、②休眠会社を清算するか、のいずれかについて、欠損等法人の繰越欠損金の使用制限の規定(法法57の2、60の3)が適用されるかを検討する必要が生じる。
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