組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨
【第6回】
公認会計士 佐藤 信祐
(《第1章》 平成13年度税制改正前の議論)
(3) 株主の課税
① 株式の譲渡損益の取扱い
「会社分割・合併等の企業組織再編成に係る税制の基本的考え方」の「第三 株主の課税」では、株式の譲渡損益の取扱いとみなし配当の取扱いが記載されている。このうち、株式の譲渡損益の取扱いは、以下のように記載されている。
分割型の会社分割や合併により、分割法人や被合併法人の株主は、新設・吸収法人や合併法人の新株等の交付を受けることになる。この場合には、先に述べたとおり、原則として旧株の譲渡損益の計上を行うことになるが、株主の投資が継続していると認められるときには、譲渡損益の計上を繰り延べることが考えられる。
この投資の継続性は、株式を実質的に継続保有しているとみることができる場合に認められるものであり、基本的には、株主が金銭などの株式以外の資産の交付を受けるか否かにより判定することが適当である。
【第3回】で解説したように、被合併法人又は分割法人における譲渡損益の計上は「移転資産に対する支配の継続」で考えるのに対し、株主における株式譲渡損益の計上は「投資の継続」で考えることから、両者は異なるものである。すなわち、被合併法人又は分割法人で譲渡損益を計上する場合であっても、金銭などの株式以外の資産の交付を受けていないのであれば、投資が継続していると考え、株式譲渡損益は認識しないことになる。
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