会計上の『重要性』
判断基準を身につける
~目指そう!決算効率化~
【第3回】
「経理処理のミスは直さなかったらアウトか?」
公認会計士 石王丸 周夫
今回は、会計処理の間違いと重要性の関係について考えてみます。
まず手始めに、以下の問題にチャレンジしてみてください(解答は問題のすぐ下にあります)。
〔問題3〕
次のア~ウの記述のうち、誤っているものが2つある。
その記号の組合せの番号を1つ選びなさい。
ア 会計処理の誤りに重要性が乏しいと認められる場合、修正することによる事務負担の方が大きいため、修正しないほうがよいというのが会計基準の考え方である。
イ 連結子会社の個別財務諸表に誤りがあっても、それが軽微なものであれば連結決算上修正しないことができるが、これは実務上の運用であって、会計基準に明記されているわけではない。
ウ 連結子会社の個別財務諸表に資産の過大計上があり、それが当該連結子会社にとって重要性が高いものであっても、連結財務諸表に与える影響が小さいのであれば、連結決算上は修正しないこともできる。
1・・・ア、イ
2・・・ア、ウ
3・・・イ、ウ
〔解答〕 1
いかがでしたか? 正解できたでしょうか。
上の3つの文章は、会計処理の誤りをどう扱うかについて述べたものです。どこの会社でも大なり小なり起こりうることですので、以下、この解答について触れながら、解説していきます。
《おつりが10円足りなかったら》
本連載の第1回では、重要性判断が必要になる場面は2つあると述べました。第2回ではそのうちの【場面①】にスポットをあてましたが、今回は【場面②】を取り上げます。
【場面②】というのは、「会計処理の誤りに重要性がない場合に、修正せずに済ませる」という場面でした。重要性判断は、そういう場面でも必要とされます。
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