会計上の『重要性』
判断基準を身につける
~目指そう!決算効率化~
【第4回】
「ふるいの目の粗さと重要性の話」
公認会計士 石王丸 周夫
今回は、重要性の基準値の設定方法を取り上げます。
まず手始めに、以下の問題にチャレンジしてみてください(解答は問題のすぐ下にあります)。
〔問題4〕
次のア~ウの記述のうち、誤っているものが2つある。
その記号の組合せの番号を1つ選びなさい。
ア 重要性判断に必要となる重要性の基準値については、具体的な金額を一律に示すことが難しいため、いずれの会計基準でも数値基準を記載しないことになっている。
イ 監査人が会計監査の際に使用する重要性の基準値には、複数の種類がある。
ウ 監査実務で広く行われている重要性の基準値の算定方法を、企業が財務諸表作成時に利用することは禁止されている。
1・・・ア、イ
2・・・ア、ウ
3・・・イ、ウ
〔解答〕 2
いかがでしたか? 正解できたでしょうか。
イの文章に述べられているとおり、重要性の基準値にはいくつか種類があります。その中に、企業の経理実務で利用できそうなものはあるでしょうか。以下、この解答について触れながら、解説していきます。
《重要性判断は実務上の要請》
これまで見てきたように、経理業務における重要性判断というのは、事務負担の軽減等の実務的要請から必要とされています。誤解を恐れずに言えば、これは会計理論の話ではないのです。
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