公開日: 2020/12/24 (掲載号:No.400)
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〔弁護士目線でみた〕実務に活かす国税通則法 【第8回】「重加算税における『納税者』の意義」

筆者: 下尾 裕

〔弁護士目線でみた〕

実務に活かす国税通則法

【第8回】

「重加算税における『納税者』の意義」

 

弁護士 下尾 裕

 

本稿では、重加算税の中でも多くの議論がある「納税者」の意義を取り上げる。

 

1 議論の出発点

前回述べたように、重加算税は「納税者」に仮装隠蔽行為があることを要件とするものである。しかしながら、納税者が法人である場合には、厳密には代表取締役の行為以外に法人そのものの行為は観念できず、実際の仮装隠蔽行為を行うのはその役職員であることから、誰を基準として仮装隠蔽行為の有無を判断するべきかという問題が生じる。この点について、例えば、株式会社において役員が仮装隠蔽行為に加担していたというような場合には、当該会社に重加算税を賦課すべきとの結論に違和感を持つ人は少ないと思われる一方、末端従業員の不正行為等についてまで株式会社が常に重加算税を甘受しなければならないとすれば、当該会社には非常に酷な結果となる。

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実務に活かす国税通則法

【第8回】

「重加算税における『納税者』の意義」

 

弁護士 下尾 裕

 

本稿では、重加算税の中でも多くの議論がある「納税者」の意義を取り上げる。

 

1 議論の出発点

前回述べたように、重加算税は「納税者」に仮装隠蔽行為があることを要件とするものである。しかしながら、納税者が法人である場合には、厳密には代表取締役の行為以外に法人そのものの行為は観念できず、実際の仮装隠蔽行為を行うのはその役職員であることから、誰を基準として仮装隠蔽行為の有無を判断するべきかという問題が生じる。この点について、例えば、株式会社において役員が仮装隠蔽行為に加担していたというような場合には、当該会社に重加算税を賦課すべきとの結論に違和感を持つ人は少ないと思われる一方、末端従業員の不正行為等についてまで株式会社が常に重加算税を甘受しなければならないとすれば、当該会社には非常に酷な結果となる。

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連載目次

筆者紹介

下尾 裕

(しもお・ゆたか)

弁護士・税理士

2006年10月弁護士登録。弁護士法人御堂筋法律事務所(2006年10月~2020年2月。2017年よりパートナー)、2012年7月~2014年7月東京国税局調査第一部調査審理課における国際調査審理官としての勤務等を経て、現在、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(弁護士法人アンダーソン・毛利・友常法律事務所)パートナー。

主な取扱業務は、税務、ウェルス・マネジメント、M&A・事業承継、訴訟・紛争解決等。

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